バスは峠を越えて、ウシュワイアのバスターミナルに到着しました。
時刻は20時過ぎ。
ブエノスアイレスから3,000キロ。約50時間かけた、パタゴニア縦断のバス旅を無事に終えました。
「レノックスホテル」にチェックイン
ウシュアイアは、世界最南端の都市(町?)。南極大陸まで、すぐの町です。
町の定義にも色々あって、人が住んでいるとすれば、もう少し南の島にも町もあるでしょう。
なので、私が勝手に名づけた「世界最南端の町」です。
それにしても、遠くまで来たものです。ただただ、その事実に感無量です。
ウシュアイアには2日滞在します。
感慨にふけるのもいいですが、まずは予約してあるホテルを探し、旅装を解きましょう。
日本から予約しておいたレノックスホテル(Lennox Hotels)。
ドアを開けたと同時に「ミスター、×××(私の名前)?」と呼ばれました。そんなホテルはじめてです。
とにかく、空腹が旅情を上回っています。そう、リオ・ガジェゴスに到着する前にバスで配られたスナックを最後に、何も食べてません。
フロントの女性に、おススメのレストランを尋ねると「チコ!」という答えが返ってきました。
おいしいステーキ屋さんのようです。
まずは、そこに行って、腹ごしらえするべく、部屋に荷物を置いて、すぐ街に飛び出しました。
21時過ぎのウシュワイアの町。
まだ、こんなに明るいんです。白夜じゃないけど、白夜もどきを体験できてハッピー!
ウシュワイア。すごくいい感じの町です。まだ、よくはわかりませんが、治安もいいのかな。
夜9時過ぎだというのに、夕方5時ごろの雰囲気です。ふつうに人通りもあります。
少しひんやりする空気の中を歩きます。
ステーキのディナー
そして、おすすめのレストラン「チコ」。
レノックスホテル(Lennox Hotels)から徒歩2分ほど。5月25日通りというストリート沿いのお店でした。
あいかわらず、メニューを見ても、全然わかりません。英語も併記されてるんだけどね(笑)
おすすめメニューをオーダーします。
お酒もよりどりみどり。
疲れた身体に、ワインが染み入ります。
パンも、焼きたてでおいしい。こんなおいしいパン、久しぶりに食べた気がします。
料理が運ばれてきました。ビーフステーキと、ポテトの盛り合わせっていったところでしょうか。
お肉は柔らかくておいしい! これは、決して空腹だからではありません(笑)
柔らかい肉にポテト。そして赤ワイン。食事は、ほんとに人間の心を豊かにさせますね。
日暮れの遅いウシュワイアの町
パンのかごも空にして、店の外に出ると、さすがに、夜のとばりがおりてます。時刻は22時。
ところが、西の空を見ると、まだまだ宵の口じゃないですか。
繰り返しますが、もうすぐ22時です。
残雪雪山とまでいきませんが、雪残る山なみ。南緯55度のウシュアイアです。
北欧やカナダより、いい雰囲気じゃないですか、両方とも行ったことはありませんが。
海と雪山と地表に近い雲、そして街の灯りがマッチングした、世界最南端都市ウシュアイア。
幻想的な風景。ウシュアイア。こんな素敵な街だとは思いませんでした。
気温は5度くらい。風はなく、赤ワインでほてった顔に冷気が気持ちいいくらいです。
こんな、素晴らしい景色眺めたことないよな。
そういう気分にさせるのは、パタゴニアの不毛の大地を駆け抜けてきたからでしょうか。
刻々と色が変わっていくウシュワイア湾の風景を、眺め続けます。
日本の我が家は、足の真下にあって、ここから南極までは1,000kmちょっとの距離。
そんな世界の果てにいるんだぞと、自分に言い聞かせます。
ゆっくり、夜景を楽しんでましたが、夜もふけてきました。
明日からの行動もあるので、そろそろホテルに戻ります。
22時を過ぎて、さすがに、暗くなってきました。
ウシュワイアの町は、夜が9時間しかないんですね。明日、早起きすれば、早朝の散歩も楽しめそうです。
考えてみれば、今回の旅、日本を出てもう4日となるのに、ホテルでの宿泊ははじめて。
シャワーを浴びて、ベッドに倒れこみたい気分ですが、その前に、ケチャップ強盗にやられたブルゾンを洗濯です。
やっぱり、唐辛子の類だったようで、洗剤で落ちました。よかった。
余勢をかって、ふだんはシャワーですが、バスタブにお湯をはってつかりました。
バス旅50時間の疲れがぬけていく感じがします。
いい気分になってしまったので、明日の日程が、はっきりしてませんが、寝ちゃいます。
世界の果てにいるんだと言い聞かせながら、夢を見ましょう。