フェゴ島のバス旅。まだまだ続きます。
ブエノスアイレスを出発したのが、一昨日の夜19時だから、もう40時間以上バスに乗り続けていますが、素晴らしい大自然が車窓に展開するので、飽きることがありません。
それどころか、こんないい天気に恵まれて、世界最南端の地のクルージングにめぐり合えるなんて、私は本当に幸せ者です(#^.^#)
フェゴ島の草原地帯を行く
バスは、フェゴ島の草原地帯をたんたんと走ります。
たまに見かける、オアシスのような集落。
今、バスで走っている場所は、この辺りです。
遊牧民でもいるんでしょうか。
これは、掛け値なしに、素晴らしい景色。
空気は澄んでいますが、チリの未舗装道路に、バスの後方は、砂埃が巻き上がっています。
今の場所は、南緯53度。間違いなく、世界最南端のエリアです。
これを北半球で表現すると、北米大陸ならハドソン湾の南端、ユーラシア大陸ならカムチャツカ半島の中ほど、あるいはバイカル湖の北端、そんなところを走っているわけです。
町や集落があるのかないのか、まったく無人のチリの大地。
遠くに、また海が見えました。
いちおう、町はあるみたいですね。
羊の大群の大行進
おっと、羊ですか。動物知識ゼロの私です。
その数がだんだん増えてきました。
こっちを見てる姿なんか、可愛いですね。
おや、あれは、カウボーイが乗るような馬。
と思ったら、カッコいいカウボーイが現れました。
すると、なぜか、急にバスが停まりました。
次の瞬間、出ました!羊の大群!
突然だったので、びっくり! 音もなく現れましたよ。
いやあ、野性味あふれる旅ですね。
よく見ると、毛がはぎとられてるのかな。
ね、そんな感じですよね。
この間、ずっとバスは止まったまま。この前方を羊の大群でふさがれているから。
だから、ゆっくり、見学できます。
そろそろ、列が途切れるかな、と思ったら、引き返してきました。何がどうなってるんだか?
反対側の席のおばちゃんも、ずっと眺めてました。
ようやく、再スタートです。
ふたたび、無人の一本道へ。
ただいま、午後2時。お腹すいてきました。
そういえば、朝のバスの軽食以来、何も食べてない。ていうか、ウシュアイア行きのこのバスは、配食がないらしいし、休憩もない。
もうすぐ、また国境かな。
当然、売店も何もありません。
見えるのは羊だけ。
チリからアルゼンチンに再入国
アルゼンチンとの国境に到着。ここで、チリから、アルゼンチンへ再入国します。
ここでは、乗客は降りません。車掌さんが、乗客みんなのパスポートと、さっきもらったチリの入国カードを預かって持っていきました。
国境にいたネコ。国籍はどっちなんだろうね。
ふたたびアルゼンチンに入り、バスはいったん東に向かいます。
バスを北から太陽が照らしています。
また、大西洋と出会いました。
道路も舗装され、アルゼンチンの方が、文化の香りが漂ってる気がします。
そして、町に入りました。久しぶりに見た文明の町。
おおげさですが、ほんとにそんな気分。
リオ・グランデの町を通過
リオ・ガジェゴスを出発して以来、7時間ぶりにみる街。リオ・グランデです。
リオ・グランデは、見どころは少ないですが、フェゴ島でもっとも人口の多い街。
降りる人もいっぱいいるなあ、と眺めていたら、私以外はみんな降りてしまいました。
いったい何が起きたの?? 例の車掌さんが顔を出して、手招き。
「バス、チェンジ!」 だ、そうです。
リオ・グランデのバスターミナルで、みんなと一緒に乗り換えのバスを待ちます。
風はありませんが、結構寒いので、ターミナルの建物の中へ。
空腹なので、なにか食べ物売ってるかなあ~、と、何もありません。
マゼラン海峡で、一生懸命写真を撮っていたお姉さんも、ひょっとしてお腹すいてる?
ウシュアイア行きのバスの発車まで10分ほどあるようなので、コートを着込んで周りを散歩します。
リオ・グランデとは、「大きな川」という意味。
私にとっては、アメリカ・メキシコ国境を流れるリオ・グランデ川の方が、地名の印象は強かったです。
ウシュワイアに向けてラストスパート
ウシュアイア行きのバスが来たようですよ。
乗り込むと、今までのバスとはうってかわって、超オンボロ。
オンボロは100歩譲るとしても、窓が汚いのはいただけない。
写真がうまく撮れない、オートフォーカスのピントがうまく合わないほど。
途上国や生活バスの窓が汚いままは仕方ないとしても、観光地を行くバスの窓はキレイにしてもらいたいもんです。
バスは、しばらく大西洋に沿います。
崖も見えます。
それにしても、お腹すいた~・・
あのお姉さん、ポテトチップス持ってたんだ。食べ続ける姿がうらやましい・・
リオ・グランデからウシュアイアまでは、小さな町がいくつかあり、バスはこまめに停まって、乗客を降ろしていきます。歳月を経た再会でしょうか。
不思議なもので、フェゴ島を南に進むにつれ、不毛の大地が、潤ってきた気がします。
バスは、これから峠を越えて、ウシュアイアへ向かいます。
右窓に湖が展開しはじめました。
予備知識なしで来ましたが、ウシュワイア到着の直前に、湖岸を走る展開になるとは。
あとで地図を見ると、「ファグナノ湖」という名前でした。
バスは、これからアンデス山脈系の峠を越えます。越えた場所が世界最南端の町ウシュワイアです。
山の頂に残雪が見えはじめました。
しかし、窓が汚いのが惜しい。
ふと、思いつきました。これからは自撮り棒を仕入れて、そこにウエットティッシュを巻き付けて、窓を拭く! 名案だあ(笑)
低い峠でも、一応アンデス山脈です。アンデス越え、いい響きですね。
この峠を越えれば、ウシュアイアです。ちなみに、時刻は19時半です。
ブエノスアイレスから50時間。長かったバス旅が、ようやく終点を迎えます。