国境を越えてチリに入っても、景色は変わりません。
ステップのような大地をバスはひた走ります。
しかし、もうすぐ変化があります。もうすぐ、マゼラン海峡に対面します。
マゼラン海峡に対面
子供の頃に読んだ本って、強烈に印象に残ったりしますよね。
「きかんしゃ1414」という童話で、主人公の少年が、病気を治すことのできる「青い星の花」を、機関車と一緒に探し求め、見知らぬ世界に旅立つ話。
その「青い星の花」を見つけるシーンにでてきた挿絵の風景にそっくり!
こういう景色を超越した景色? を見てると、そんな何十年も前のことがふと、頭に浮かぶんです。
知らない人が聞いたら、「なんのこっちゃ」でしょうが(笑)
野生動物が、そこら中に現れるようになりました。
冬は雪に覆われるのかな。でも、冬も降水量少ないみたいだし。
左手にマゼラン海峡が見えてきました。
感動の、マゼラン海峡との対面です!(^^)!
マゼランによって発見されたのが1520年。もうすぐ500年ですね。
季節も同じ10月。ふだんは、風がビュービュー吹いてるようですが、今日はおだやか。
マゼランが発見したときは、どうだったんでしょう。
羊も現れました。
いやあ、ほんとに感無量。
会社に勤めているうちに、マゼラン海峡をお目にかかれるなんて、本当に思わなかった・・
フェリーでマゼラン海峡を横断
右側にも海峡が現れました。いよいよ横断ですね。
フェリーターミナルの標識。
停留しているトラック。
いったん停まるのかな、と思ってたら、そのままノンストップで停留していたフェリーに乗り込みました。
バスごとフェリーに乗って、マゼラン海峡を横断です。
いよいよ、マゼラン海峡横断です。
しかし、いきなり、バスごと船に積まれ、狼狽する私。
だって、これじゃ、景色見れないじゃん!?
しかし、心配無用でした。
バスを船の甲板に固定し終わると、車掌さんが「××××・・」とスペイン語でしゃべり、私に向かって手招き。
「どうせ、お前は、外の写真撮りたいんだろ。ほら、こっから出てって、好きなだけ撮ってこい」
と、言っていたんだと思います。
一眼レフ持って、しょっ中席を移動してりゃ、そういう人間だって思うわな、そりゃ。
ありがとう! 車掌さん!
おお、マゼラン海峡の海。
出航を待っていた、他のバスやトラックも積み終わり、出航です。
もっと寒々とした光景を想像していましたが、天候に恵まれました。ただし、寒い。
マゼラン海峡を眺めたかったのは、私だけではなかったらしい。
他の乗客たちも甲板に上がってきました。でも、見かけない顔もいます。
他のバスの人もいるのかな。
海の色は、ブルーとグリーンの中間。
ちなみに、陸上とはうってかわって、ものすごい強風。超寒いです。体感温度0度ぐらい?!
マゼラン艦隊は、この海峡でサン・アントニオ号が失踪。勝手にスペインに帰国しています。
そうとは知らず、サン・アントニオ号の帰還を待ち続けたマゼラン。
1か月近くも、どんな思いで、この海図もない海の上にいたんでしょうね。
私以外にも、寒風に耐える物好きがいます。
マゼラン海峡の上から何かを叫ぶ?
そりゃ、マゼラン海峡だもん。
世紀の地理上の発見、マゼラン海峡ですよ。みんな、興味はありますよね。
大声で、何かを叫びたくなります。「マゼラン海峡まで来たぜ~~!!」
冬に来たら、どんな景色になっているんだろう? とても興味がわきますが、2度もマゼラン海峡に来ることができるかどうか・・
おいおい、海に落ちないでよ。たぶん、海水の温度は、限りなく冷たい。
反対方向に向かう船。
空と大地と海が不思議な関係になっています。ほんとに最果ての景色です。
大地が削り取られたような対岸。
マゼランは、この左側(南側)の陸地から、燃え上がる炎を見たそうです。
そこから、この対岸の島がフェゴ(火という意味)島と名づけられました。
対岸のターミナルが見えてきました。
身体が冷え切り、たまらず、船室の中に逃げ込みます。
生活上、ふつうにこの海峡を行き来している人もいるんですね。
まもなく接岸。
船が接岸しました。20分ほどの忘れられない航海になりました。
本当に忘れられない航海。ゲーム「大航海時代」の主人公になった気分です。
この女性も、忘れられない航海になったのかな。熱心です。
フェゴ島に上陸 チリの大地を再び南へ
さて、フェゴ島に上陸。チリの大地をクルージングです。
不毛の地といっても、道端には花が咲き始めています。
見渡す限りの平原。文字通りの大自然ですね。これがフェゴ島の風景。
ほんと、シベリア鉄道を思い出します。あれって、12年前だったよなあ。月日が経つのは早い。
だからこそ、旅って、しておくものですね。
ところどころ、菜の花のような花が咲いている場所も。
気持ちのいいクルージング、と書きたいところですが、実はチリに入ってから、道路が未舗装。
ガンガンはねます。
ブエノスアイレスは初夏でしたが、ここはまだ春でしょう。南緯50度よりも南に来ています。
自然の厳しさを微塵も感じない光景です。
真冬にきたら、どんな感じなんだろうか。
地球上、最も遠い地、世界最南端を実感します。
地球上に、こんな場所があるんだ、という感じです。
雄大な景色を眺めながら、音楽鑑賞。
流れてきた曲は、松山千春「sing a song」でした。
フェゴ島のバス旅は、まだまだ続きます。