さてルーマニア入国後、首都のブカレストをさておいて、第2の都市ブラショフを先に訪れました。
ブラショフというのは、中世の街並みの香りが残る美しい古都。
旧市街を歩くのが大好きなことに加え、ブカレストから2〜3時間程度で来れるので手軽だったというのもあります。
そして、なによりもブラショフの郊外には、小説「吸血鬼ドラキュラ」のゆかりとなった「ブラン城」があります。
山肌にはりついた、中世の城砦そのものといった「ブラン城」とは、どんな城なのか。
まずは、本日の第一ミッションになります。
ブラショフ鉄道駅からバスターミナルへ
りっぱなブラショフ駅の建物。
さて、「ブラン城」へ行くには、バスに乗る必要がありますが、そのバスターミナルは駅から遠く離れています。
距離にして約3km。徒歩40分というとこですか。
タクシーは、ボラれる心配があるので使いません(^ ^)
なんたるチキンな旅人。
でも、はじめて訪れた町。町の雰囲気を知るには徒歩がいちばんと強がってみる。
こんな教会も目に入るし、
やはり、観光は徒歩が一番・・・しかし、急いでいます。
なぜ急ぐかというと、バスの出発時刻がおそらく10時ちょうどだから。
グーグルマップでも調べきれなかったんですが、いろいろな情報を集めると、「ブラン城」行きのバスは毎時00分に出発しているらしい。
駅を出たのが9:20。だから急ぎ足でないと乗れないくらいのタイミング。
まあ、「ブラン城」へのバスは1時間毎に出ているらしいので、次のでもいいんですが、弾丸旅行が身の上の私としては1時間でも時間は無駄にしたくない。
バスターミナルのパーキングに着いたのが9:58。
さて、バスはどこかな・・チケットはどうするのかな・・
なんて考えているうちに、時間は過ぎていく・・
ターミナルで出発準備しているバスは、あれしかない。
今まさに発車しようとしているバス。
運転手に「キャッスルブラン!」と声をかけると、「ダー(はい)」。
そして、13レウ(377円)と言われ、その場で払いました。
「ブラン城」へバス旅
目的のバスをキャッチできたことでひと安心。
車内は8割がた席が埋まってます。
バスは私のために1分ほど遅れて発車しました。やっぱり10時ちょうどだったんだ。
あらためて、チケットをみると、行き先によってカットするタイプ。
いきなりハサミを持ち出されたときは驚きましたがw
とにかく「ブラン城」へのバス旅がはじまりました。
発車間際に乗り込み、席の選択が不十分なのは仕方ない。
どこをどう走っているのか、皆目検討がつきませんでしたが、10時45分「ブラン城」に到着です。
降りた乗客は半分ほど。
つまり、このバスはもっと先まで行くバスで、観光客でないふつうの住民もいっぱい乗っていたのでした。
下界から見上げる中世の城砦「ブラン城」
バスを見送った後、私は周囲の雰囲気にみとれ、そしてそびえ立つ「ブラン城」に感動w
たしかに、ドラキュラでも住んでそうです。
なので、一緒に降りた観光客がみんなどこかへ行ってしまい、どういうふうにあの城にたどり着くのかわからなくなってしまった。
さて、どうやって行くのだろう・・
旅行者らしき二人組が歩いて行く。たぶんこっちだ。
バス停から、ブラショフ側に少し戻ったところに、「ブラン城」の入り口に通じるお土産屋さん通りが広がってました。
なるほど、ここから上がって行くんですね。少しわかりにくかった。
お土産屋さんは、実用的なものが多い。寒い国ですから。
本日の気温は5度ほど。
「ドラキュラ城」らしく、お化け屋敷も併設されているみたいでした。
ついこの間まで、雪が積もっていた、そんな感じです。
さて、チケットは?
おお・・ここですか。
学生でもシニアでもない私は、55レウ(1595円)ということでいいのかな。
けっこう高いな・・・ところで、月曜日だったらまだ開いてなかったんだ。
団体客がいて、かなりの行列。
こちら側の土産物屋さんは、ドラキュラにちなんだものばかり。
こんなカップで、毎日コーヒーは飲みたくないなw
アクセサリーは、記念にひとつ買って帰りますか。
こんなのも、着ないよなw
チケット購入に備えて、ブカレスト駅のATMでキャッシングした100レウ紙幣をとりだします。
チケット購入完了。では、「ブラン城」の中に入って、ドラキュラと会話してきましょう。
ドラキュラは住んでなかった「ブラン城」
ドラキュラの居城という触れ込みがなくても、見事な外観のブラン城。
十字架があるのも、ドラキュラを彷彿させます。
ヨーロッパの旅歴がほとんどなく、山肌にはりついた中世の城砦をあまりみたことがない私にとっては、十分すぎるほどの威圧感。
では、中に入りましょう。
ところで、吸血鬼ドラキュラのモデルとなっているのは「ヴラド3世」。
この写真の、いちばん左端の人物。
「ヴラド3世」は、15世紀にルーマニアの南西部にあったワラキアという小さな公国の君主でありました。
ワラキア公国は、オスマン帝国に年貢を貢ぐ属国だったものの、オスマン朝がその額を上げたことにヴラド三世が怒り、オスマン朝からの使者を生きたまま串刺しにしました。
そんな背景から、ヴラド3世がドラキュラのモデルになっているとのこと。
20世紀に入ってからは、ルーマニア国王フェルディナンド1世の王妃マリアの居城となるなど、いわゆる貴族の住まいになっています。
だから、ドラキュラが住んでいたというのは早計で、小説やウワサから仕立て上げられたストーリーという見方も。
まあ、でもいいじゃないですか。そんな野暮は言うもんじゃない。
この調度品も、ドラキュラの棺おけに見えてきますw
貴族の住まいであっただけに、調度品一つ一つに重厚さがありますね。
暖炉がある家にあこがれます。
これは、なんだろう?
ひょっとして、オスマン朝の使いを串刺しにした時の凶器?
なんてことはなく、個人のコレクション。
しかし、ハプスブルク家ですか、そっちのほうがすごいよ。
城のところどころ開いているすきまから、ブラン村を見下ろします。
ドラキュラはハズレかもしれないけど、美しい城です。
こんな複雑な石造りの城砦が14世紀に建てられていることにも驚きです。
この城は、もともとブラショフに入ってくるオスマン朝軍を発見するために築かれたもの。
だから、見晴らしはかなりよいです。
おや、バス発見w
帰りのバスの時刻、調べるの忘れてた。
ドラキュラをイメージした、こんな遊び部屋もあります。
さまよっているうちに、自分がスーパーマリオの城の中を探検している気分になってしまった。
この本棚、いきなり襲ってこないよな(^^)
さて、そろそろ降りますか。
楽しかったドラキュラ城の散策でした。
観光客と一緒に出口の方へ。
ドラキュラを伝説にしているルーマニアの国策。
でもどんな国も伝説を使います。
日本だって、もっと古事記伝説をアピールすればいい。
ルーマニアのドラキュラ伝説に、少しでも触れられたことに満足して「ブラン城」を後にします。
はい、お決まりの記念の品、買いましたw
では「ブラン城」にさようなら。ブラショフの町に戻ります。