治安が悪い悪いと酷評されていたルーマニアのブカレスト・ノルド駅なので、コンコースに入ったときはやはり安心しました。
ひと口に治安といってもパターンがあって、言葉巧みな詐欺まがいのもの、怪盗ルパンも唸るテクニックでくるもの、力業でストレートにくるもの。
当然だけど、力業が一番始末が悪いし手に追えない。
なんせ防御の方法がないから、うかつに近寄らないことくらいしか対策がない。
だから、未明で暗い駅前からコンコースの中に逃げ込むように入ります。
ブカレスト・ノルド駅のひととき
まず、ルーマニアのお金を全く持ってないので、ATMでキャッシング。
1レイ(複数の場合はレウ)が29円。ブルガリアのレヴァは74円だったので、頭の切り替えが必要です。
そして、時刻表を見上げます。
いうまでもなくブカレスト・ノルド駅にやってきたのは、列車に乗るため。
ブカレストから北へ140キロほどにある、中世からの古都として知られるブラショフへ行くのが、ルーマニア最初の目的。
ブカレストは帰りに見学するつもりです。
ある程度調べてきましたが、事前の調査通りに6:40発のブラショフ行きがありました。
では、このブラショフ行きのチケットを手に入れるべく、窓口に顔を出します。
すると、列車のいるプラットフォームのほうを指さしながら、なにやらわめかれます。
わけわからず、とりあえずホームの方へ。
グローバルチェーンのサインを見ると、なんとなく安心するね。
こちらはスタバ。
マックもあります。さすが、ルーマニアの首都ブカレストの中心駅。
さーて、でもどうしよう。チケットはどうすればよいのだ・・・
翻訳アプリで、通りかかった駅員と思しき初老のおじさんに「列車に乗りたいのだが、チケットはどうすればいいのだ?」とスマホ画面をみせる。
すると「11(イレブン)!」という。
たしかにブラショフ行きは11番線。
それはわかってるけど、チケットは?
もう一度聞くと、列車の中で買え、みたいな身振り。
どうも、ルーマニア国鉄の列車の乗り方は「車内でチケットを買う」ことになってるらしい。
手持ちの「地球の歩き方2020年版」には、そんなことは出ていない。
システムが変わったのだろうか。
ブカレスト・ノルド駅は、ヨーロッパでよく見かける頭端式のホーム。
11番ホームに出向いて、ブラショフ行きの列車を確認。これでいいのかな・・
案内もそうなってる。これに間違いなさそうです。
ブラショフまでは、約2時間半。いちおうパンでも仕入れておきます。
カッコいい流線型だけど、たった2両編成。大丈夫かな、混んでないかな・・
ガラガラでした(^ ^)
ブカレスト ⇒ ブラショフ列車の旅
さて、席は自由らしいんだけど、どこに座ろうかな。
人のよい私は、たったひとりで4人席を占領するのははばかれる。
こっちにしておくか。
ガラガラなのは、朝早すぎるからだろうか。とにかくルーマニアの旅がはじまります。
パンを買って、トイレも行ったので、大きな札がくずれたルーマニアの紙幣。
トイレは2レウ(58円)でした。ブルガリアほどではないにしても、けっこう高い。
ブラショフまでの時刻表。
ルート的にはこんな感じになります。
どんなところを走るのか。
ブカレストはルーマニア平原の真ん中で、標高は75m。
一方ブラショフは、カルパティア山脈に囲まれた山間の町。標高も600m。
途中のシナイアという町はスキーリゾート地でもあるらしいし、山あいをぬける鉄道旅になりそうです。
ブカレストの鉄道の中心ノルド駅は、早朝でも列車がひんぱんに発着します。
わが列車も発車しました。6:40定刻です。
乗車率は2割ほど。ブルガリア同様、マスクをするという習慣はないようです。
車掌さんがきてチケットを買いました。
ブラショフまで59レウ(1711円)。
ブラショフまで約140キロ、2時間半かかることを考えると、日本より少し安いかな、という感じ。
列車はしばらくのあいだ、ルーマニア平原を快走します。
さっき駅で買ったパンを食べましょう。
チョコの入ったクロワッサン。美味しかったです。
どうせ、ガラガラなんです。
進行方向に向いていた方が、景色は見やすい。4人席に移りました。
満腹したら、急に睡魔がおそってきました。
考えてみれば、今朝は1時半起き。
そのあと2時半にバスに乗って国境を越えて、そのままブカレストにやってきたのだから、ほぼ徹夜です。
車窓には、山越えの雄大な景色が展開していますが、寝落ちですw
停車の衝撃で目を覚ましたAZUGA駅。
だいぶ標高も高くなってきたようです。山はだには残雪も見えます。
そして側線が広がったかと思うと、
PREDEAL駅。ブラショフの手前の駅。
乗客はみんなブラショフへ行くものだと思ってましたが、けっこう降りて、さらにガラガラになりました。
そして、ブラショフに到着。列車を降りると、冷んやりとした空気に包まれました。
眠りながら着いちゃった・・そんな感じ。
寝不足だったので、無理もない。帰りの列車では、車窓をぞんぶんに楽しむこととしましょう。
ルーマニア国民はタバコが大好きなのかな。列車を降りるやいなや、タバコを吸いはじめる人がなんと多いことか。
地下道を通って、駅舎に向かいましょう。
天井が高く立派なブラショフの駅コンコース。
地方都市なのに、ほんとに素敵です。
ブラショフの町には一泊して、明日帰るつもり。
念のため、明日の時刻表をみると、30分間隔でブカレスト行きが出てますね。
安心しました。
さて、ブラショフにやってきたのは、中世からの古都である旧市街を歩くことですが、郊外にある「ブラン城」を訪れるのが第一目的。
「ブラン城」はドラキュラがいたことで有名な城ですが、そこへの道のりはバスになります。
そして、バスターミナルは、ここから距離3km、徒歩40分。
タクシーでも行けますが、がんばって歩きましょう。
「地球の歩き方」には、ボッタくりタクシーに警戒せよ、とあります。
それは、ブカレストのような都市部だけでなく、ルーマニア全域に言えることのよう。
もともと、私はボラれやすいタイプなのでw、ハナからタクシーはあてにしていません。
グーグルマップでバスターミナルの場所を確認し、ブラショフの旅がはじまりました。