外務省による水際対策緩和措置をうけて、私は旅人としてソウルとバンコクを歩いた。
約3年ぶりの海外渡航だった。
それまで5年間で40回、海外を弾丸で旅してきた人間が、3年間の禁欲生活を強いられ、それが解き放たれたのである。
正直、どんな心境になるのか、自分でも想像がつかなかったが、出国時はいたって冷静。
ところが、帰国便が近づくにつれ胸が高鳴りだし、無事に日本に帰れると涙が出そうなほど感激してしまった。
やっぱり、私はサラリーマン旅行者だった(^^)
自分が意識している以上にそうだった。
サラリーマン旅行者は、ハプニングが起きて、予定通りに帰国できないことを極度に恐れる。
帰国が遅れるというのは、会社員にとって死刑宣告と同じなのだ。
ただ、ソウルとバンコクの2回の渡航で、勘を取り戻したように思う。
ニューノーマルの中での渡航というイメージもつかめた。
そこで、次の海外渡航には、私なりの旅の嗜好を入れてみたいと思う。
2023年 旅の目標
2023年もすでに2月になるが、本年の目標は毎月の海外渡航である。
そして、2023年版バケットリストへの書き込みは、
- 台湾を訪れたい。
- 韓国を訪れたい。
- 中国、香港を訪れたい。
- 大好きなターキッシュエアラインズ。イスタンブール空港でトランジットしたい。
- まだ訪れていない国を訪問したい。
- 久しぶりに陸路で国境を越えたい。
- ANAマイルでビジネスクラスに乗りたい。
こんな感じだ。
①は、近日中に実現する予定。②は2022年中に達成した。
問題は③である。
香港が完全に中国に取り囲まれてしまった現在、渡航事情はどうなんだろうか?
コロナが収束していないので、そもそも行くことができないが、行ける環境が整ったら真っ先に飛び込みたい土地なので、入国審査などが、3年前と変わっていないことを痛切に望みたい。
そして、⑦は実はもうビジネスの特典航空券を押さえてある。
大好きなターキッシュエアラインズ
結論から言うと、今回の旅は前述のバケットリスト④⑤⑥を消化する旅だ。
西方への旅で、毎年からなずお世話になっていたターキッシュエアラインズ。
その魅力の一つは、絶妙なフライトタイムにある。
羽田を夜に発って、イスタンブールに現地時間早朝に着く。
そこから乗り継いで、欧州や中東各地にワープできるのである。
つまり、会社を退社して空港へ行き、ターキッシュに乗れば、翌日の午前中には西方各地の国々の国際空港に降り立つことができる。
まさに、夜行バスに飛び乗る感覚だ。
そして、おさえたチケットがこれである。
航空会社 | 便名 | フライト |
乗継ぎ時間 |
|
---|---|---|---|---|
往き |
ターキッシュ エアラインズ |
TK199 |
羽田22:50 ⇒ イスタンブール6:25 |
2時間20分 |
TK1027 |
イスタンブール8:45 ⇒ ソフィア9:05 |
|||
帰り |
ターキッシュ エアラインズ |
TK1046 |
ブカレスト21:20 ⇒ イスタンブール23:40 |
3時間10分 |
TK198 |
イスタンブール2:50 ⇒ 羽田19:45 |
ターキッシュエアラインズは2015年11月にトルコ・イスタンブールへの旅で利用して以来のお付き合い。
その後、テルアビブ、カイロ、アテネ、ベオグラード、チェニスと、イスタンブールをハブ拠点に飛び回った。
イスタンブール空港は、さしずめ「銀河鉄道999」のトレーダー分岐点のような存在だ。
新装開店となったイスタンプール空港との2度目となる利用も楽しみである。
キャリアでありながら、リーズナブルなプライスというのもターキッシュの魅力。
過去のフライトは、だいたい 10万円以内で往復のチケットを手配できた。
今回は、エクスペディアの手数料を含めて205,280円・・・
トルコリラは安くなっているはずだが、会社の財務は傷んでるはずだし、原油も下がっていない。
ここは、甘んじてそのプライスを受け入れることとしたい。
初めて訪れるブルガリア&ルーマニア
フライトスケジュールの通り、今回訪れる国はブルガリアにルーマニアである。
両国ともに、はじめて訪れる国。それぞれ42か国目と43か国目となる。
海外渡航が再開され、早速にもソウル&バンコクに飛んだが、まだ足を踏み入れていない国への渡航の高揚感は比類ない。
そこに、若干の得体の知れなさが加わると、渡航前から夢心地になる。
それで、今回選んだのがブルガリアにルーマニアだった。
両国の歴史については、おいおい記していくが、たとえばブルガリアは、1000年にわたって栄華を誇った東ローマ帝国を構成する一大地域。
そして、コンスタンティノープル(いまのイスタンブール)という交通の要衝が首都。
こう書くと、安定をむさぼった茫洋とした大陸国のように感じるが、その実は、東ローマ帝国となる前も、なった後も、民族・宗教戦争の連続だった土地である。
地理的にもバルカン半島の付け根にあたり、黒海にも面していて、地政の要衝だったのだろう。
歴史観ある国を歩き、そして陸路で両国をまたにかける。
時間にとてつもない制約がかけられる現役世代の旅人にとって、陸路による国境越えはたとえようのない魅力である。
ブルガリア&ルーマニアの治安
出典:外務省海外安全ホームページより
まったく予備知識のない両国への渡航なので、外務省の「海外安全ホームページ」で治安の予習。
外務省の渡航レベルは「レベル1」にも満たない安全な国ということになってはいるが、両国ともにかつては危険な国というレッテルを貼られていた時期もあったようだ。
実際、ルーマニアでは2012年に、空港に着いたばかりの日本人が殺害されるという痛ましい事件も発生している。
日本人が被害にあった事例などを読み解いていくと、
- スリ、置き引き
- ひったくり、強盗
- タクシートラブル
- 繁華街、地下道、駅、バスターミナルなどが要注意
このあたりが注意すべきワード。
見る限りどこの国にも共通のワードであるが、その具体事例などが手口を踏まえて生々しく記されているので、身が引き締まる。
このうち、レストランや列車内などの置き引きなどは、いくらでも自衛手段があるが、強盗のような力技で居直られたらひとたまりもない。
そんな暴漢が発生しやすいのが、繁華街や地下道、ターミナル駅などだそうだ。
今回の旅は、ソフィアの空港についてからブカレストの空港まで、移動総距離700kmほどだろうか。
その間、鉄道ありバスあり、深夜の移動あり、国境越えあり。
当然、危険地帯とされるソフィア中央駅も使うし、ブカレストノルド駅も利用する。
しかも、早朝や未明という時刻にそこを通ることになるので、十分な用心が必要、気をつけていこう。
タクシーは乗らないと決めた
それにしても、聞きしにまさる悪口だw
外務省のHPにここまで書かれるとは・・
要約すると、ブルガリアもルーマニアも、基本的にタクシーは乗らないほうがいいらしい。
流しのタクシーなどとんでもなく、空港からのタクシーなど、メーターを改造して通常よりも早く運賃が上がる仕様にしていたり、そもそもメーターを倒さなかったり・・
そして、タクシー強盗。
日本では「タクシー強盗」とは、乗客が運転手を襲うことを指すが、海外では逆(と、私は勝手に名付けている)。
具体的事例がそれこそ臨場感をともなって記されている。
私などのように、泣き寝入りする人もいるだろうから、実際の被害数は相当なはず。
これでは、まじめに仕事しているタクシー運転手も、たまったものではないだろう。
いずれにしろ、私のようなトラブル無用の弾丸旅行者が近づく代物ではなさそうだ。
さて、この旅のスケジュールを組んだのは、チケット確保も含めて2023年2月に入ってから。
だから、両国の歴史観に国情、観光スポットの情報などもすべて一夜漬け。
それでも、コロナ明け、待望だったターキッシュへの搭乗。
行ったことがないブルガリア、ルーマニアへの渡航に胸が高まる。
全身の血が駆け巡り、出発日が近づくにつれ、怖いものなどなくなってきた(^^)
これだから、やっぱり旅はやめられない。