現在、2022年9月9日金曜日23:20。
私は、東京駅丸の内鍛冶橋駐車場に立って、鍛冶橋通り交差点のほうを眺めています。
5分間隔で、全国各地に旅立っていく夜行バスが目の前を横切ります。
名古屋・京都・天王寺。北へは仙台・金沢・・・
これ、ずっと眺めていても飽きない光景かもしれない。
比較的近い行き先が多いのは深夜だから。
21時台とかだったら、広島や出雲、青森行きなども出発していたことでしょう。
いずれにしろ、時代の流れで夜行列車から夜行バスと手段は代わっても、人間は旅立つ生き物なんだということをあらためて感じ、旅情が高まる瞬間です(^^)
「青春18きっぷ」を夜行バスでワープ
私は、鍛冶橋駐車場で、上の画像のバスを待っています。
24:00ちょうど発の新潟行き。
このバスを、翌朝5:20に到着する新潟県の燕三条駅前で降ります。
このバスに乗る理由はただひとつ。青春18きっぷの旅をするため。
皆さんおなじみの「青春18きっぷ」。
夏季の「青春18きっぷ」の通用期間は、なぜか毎年9月10日までとなっていて、今年2022年はその9月10日が土曜日。
1回分だけ手に入れれば、最終日の9/10(土)を心行くまで普通列車で旅できるというわけです。
1回分だけ手に入れる方法は、金券ショップとかいろいろありますが、多少高くつきますがヤフオクがもっとも手っ取り早い。
いっとき、「青春18きっぷ」の売買が問題視されたころもありましたが、明らかに転売目的であったり事業として行わない限り不問という解釈が一般的。
ヤフオクのガイドラインにも抵触せず、自分が使った残りを譲渡する行為もJR側で禁止とはされていません。
ところで、長らく旅人の心をつかんできた「青春18きっぷ」ですが、東京~大垣や新潟、関西~山陰、四国、九州に夜行列車が残っていた時代と用途が変わってきているように感じます。
私も、2年前に十数年ぶりに利用した復活組みなのでエラそうなことは言えませんが、かつては「青春18きっぷ」のヘビーユーザー。
そのころは、前述のような夜行列車がある程度残っていたので、移動手段としての足に事欠かなかったのですが、現在の日本といえば走っている夜行列車定期便は「サンライズ」のみ。
そこで、夜行バスでワープということになるわけです。
ちなみにワープとは、新幹線や在来線特急である区間だけ高飛びwすることをいいます。
割安な夜行バスで移動して、旅先では降りてみたかった駅に降りて途中下車を楽しむ。
こんな「青春18きっぷ」との付き合い方をしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ところで、夜行バスで移動することまでをワープというのかどうかは知りません(^^)
深夜の東京駅丸の内鍛冶橋駐車場は「撮影禁止」
というわけで、金曜日の夜、仕事を退けてから深夜の東京駅に向かいました。
総武横須賀線で東京駅に着いたので、丸の内側から外へ出ると、幽玄な東京駅が出迎えてくれます。
23時をとうに過ぎているのに、ここから有楽町に向けてのガード下に並ぶ居酒屋にはお客さんがたっぷり。
楽しそうに歓談してましたが、いったいこの人たちの終電は何時なんだろう???
そんなことを考えながら、久しぶりの鍛冶橋駐車場に着くと、入場規制がかかってました。
コロナ対策で、出発20分前からでないと入場できないとのこと。なるほど。
そこで、あと数分、ガードレールに腰かけて、次々と旅立っていくバスを見送ります。
そして、時間が来て入場します。
すると、入場規制だけでなく、駐車場内はすべて「撮影禁止」になってました。
↓これは、2年前に利用したときの風景。
なんだかなあ・・移動の制限がなくなって、旅立ち気分に浮かれてなにかやらかした人がいたのだろうか・・
ジャムジャムライナーで東京駅 ⇒ 燕三条駅
ところで、新潟県の燕三条駅に向かう理由は、そのあと西に向けて日本海沿いに「青春18きっぷ」の旅を楽しむため。
旅好きの方ならよく知る「青海川駅」に降りたいのが、今回の旅の目的のひとつです。
それなら「長岡駅」でもいいじゃないか、と思われそうですが、私の調べでは長岡では高速のインター付近がターミナルで、駅までは相当距離があると考えたからです。
それに、長岡では朝早すぎ、燕三条ならそこから朝の列車で引き返せば、朝のうちに「青海川駅」に着くという計算。
なんせ乗り放題の「青春18きっぷ」ですから、「無駄」はありません。
時間が来てバスに乗り込むと、3列ではなく4列シート。
でも、wシートというプランで予約したので、2席使えます。
これで5,000円なら安いもん?
wシートのプランを使っているのは、前方の数人で、後方は窮屈そうに座ってます。
wシートで5,000円なら1座席なら2,500円なのかな・・
でも、3列シートに慣れてしまった私は4列はちょっと・・
後ろの席の人に「少し倒してもいいですか?」「どうぞどうぞ」
後ろの客が寛大でよかった(^^)
ていうか、私の背後までwシートの乗客。席をズラせばいいだけだからこれはラッキーでした。
さて、定刻24:00にバスは発車。すぐに首都高速に乗り入れ、関越を北へ飛ばします。
ちなみに、バスにトイレはなし。途中、埼玉県高坂と新潟県越後川口の各サービスエリアで休憩があるとのこと。
ほどよく倒れるシートに身を沈め、日中の激務からあっさり寝落ちしましたが、高坂SAで停まった気配で目を覚まします。
夜行バスに乗って、休憩タイムで深夜のSAにとまると理由もなく降りてみるのが私のクセ(^^)
このクセは、幼少のころから変わってません。
スキーバスで毎年のように志賀高原や野沢温泉に行っていた頃を思い出します。
当時は、上信越自動車道もなかったよなあ・・関越も前橋までだったよなあ・・
さすがに越後川口休憩には気づかず、ぐっすりと眠って、バスは予定通りに早朝の燕三条駅に到着しました。
後で知ったのですが、長岡も駅前に寄るみたいでした。
誰もいない燕三条駅の「日本一の大鳥居」に驚き
はじめて目の前に立つ燕三条駅。新幹線で通ったことはあっても降りたことはありません。
中に入ると、当たり前ですがガランとしています。
まだ新幹線も運転してないので、コンビニも閉店。
在来線ホームに向かおうとすると、構内に鳥居が。
これは1,982年に上越新幹線が開業したのを記念して建てられたという「日本一の大鳥居」。
燕三条駅は、もともと弥彦線というローカル線に、新幹線開業を機に乗換駅として新たに造られた駅。
弥彦とは越後一宮「彌彦神社」。
この鳥居をくぐってから、弥彦線に乗り換えてお参りしてくださいね、ということらしいです。
ちなみに、「燕三条」の駅名をめぐって、当時の燕市と三条市で激しい紛糾があったらしい。
駅名を決めるときに、よくある話ですね。
この弥彦線を5:53発の列車に乗って、信越線を乗り継いでいくと、目指す「青海川駅」には7:30に着く計算です。
乗り継ぎがうまくいくことと、本日の晴天を願って手を合わせます。
夜行バスのワープも無事完了、「青春18きっぷ」の旅がはじまりました。