私は、現役世代のトラベラーであると同時に、二人の娘という受験生の親でもあります。
そんな、ごく一般的な父親が、娘を「歴史大好き人間」、つまりは「レキ女(すでに死語か?)」に育てあげた方法を公開させていただきます。
勉強は楽しくやるもの
「世界史」が好きな方いらっしゃいますか?
私は、子供の頃から、地理以外の授業は、すべてキライでしたw
だって、楽しくないんですよ、授業が。
楽しくないから、まったくアタマに入ってこない。
解く楽しみがある数学はまだしも、ほとんど丸暗記でおしつけられた日本史・世界史は苦痛以外の何ものでもなかった。
もちろん、当時の先生たちに文句を言うつもりは、まったくありません。
楽しくなかったのは、自分で楽しさを見つけられなかったから。
そうなんです。子供の頃って、自分から楽しさをみつける技術って、備わってないんですよ。
それを、支援してあげるのは、やはり親のつとめです。
リビングを2周半占領した日本史年表を作成
私が苦手だった「世界史」を、どうすれば、娘たちに興味を持ってもらえるか。
「教える」のではなく、「興味を持ってもらう」。
絶対的なインパクトが必要と考え、自宅リビングに、等身大の世界史年表を飾ることを思いつきました。
思いついたら、すぐに行動を起こすのが、私の長所(短所でもある)。
すぐにホームセンターに行き、模造紙を大量に買い込み、製作開始です。
まずは、日本史から。
ちょうど、娘たちが小学校4年生に進学したときに開始し、週末だけでなく、平日の夜もフルに使って、約3ヶ月で完成させました。
効果のほどは・・・・大成功です!
子供っていうのは、特に小学生は、親が熱心に何かをやっていると、興味を持つもの。
親が、リビングで、もぞう紙を切ったり貼ったり。
写真を切り抜いたり、マジックペンでなにやら書き込んでいれば、「ワイワイ、ガヤガヤ」注目の的になるのは当たり前です。
世界史年表にも着手! わが家は「歴史博物館」に
娘たちが、小学5年生進学を機に、世界史年表の製作にも着手しました。
日本史の出来事に、世界史が重なり合って見えれば、もう歴史に関しては手放しでよし。
あとは勝手に、本人たちの「興味」が、知識を吸収していきます。
スタートは、宇宙の誕生から
しかし、作るのは大変だった(笑)
最近でこそ、世界を飛び回るようになり、世界史大好き人間になってしまいましたが、学校の授業は、当時、聞いていなかったんです。
そんな人間が、「受験用」の年表を作ろうとしているんです。
すなわち、年表には、受験頻出のワードが並んでいなくてはなりません。
それこそ、「世界史」の参考書を買ってきたりして、調べながら進めます。
誤字や多少の誤りがあってもいいんです。
世界史なんて、ストーリーがアタマに入ればいいんですから。
娘たちが製作を手伝いはじめた!
そのうちに、娘たちも、Webで偉人たちの画像を探し、はさみでチョキチョキやりはじめました。
興味を持ちはじめたんですね。大成功です!(^^)!
年代の誤りや、戦争の勝った負けた、人物の誤字なんかを指摘するようになったらしめたもの。
あとは、放っておいても、自分たちで調べるようになります。
そのうちに、娘たちの友達まで連れてくるようになり、わが家は「歴史博物館」に。
結局、楽しさがなかったら、勉強なんて、つまらないもの。
世の先生たちに言いたい。
授業は、楽しくやってくれ。
自作世界史年表の絶大なメリット!
リビングを、2周半、長さ45mの世界史年表を作るのに、約1年かかりました。
その間、もぞう紙100枚以上。
油性マジックペンと、スティックのりを何十本消費したのかな。
しかし、絶大なメリットが多々あり。それを紹介します。
テレビのニュース報道に、リアルタイムで結び付けられる
娘たちと食卓を囲んでいるときに、「天安門事件」「中東戦争」などにからんだ報道がなされたとき、その場で、概要を教えられます。
「あとで、教えるよ」では、アタマに残りません。
その場で、指差して、背景と、起きた理由、その結果、などを解説してあげればOK。
さらに、「第4次中東戦争ってことは、その前に3回もあったの?」って疑問がわいてきたら、なおOK。
親は、子供の好奇心を、つんではいけません。
宗教との関連性に強くなる
世界史を学ぶにあたって、宗教との結びつきを整理しないと、まったく語れません。
世界史は、宗教史と言い換えてもいいぐらい、宗教がものごとの発端になっています。
なので、まずは、色を変えるんです。
キリスト教は「青」、イスラム教は「緑」、仏教は「黄色」みたいに。
これも、正確ではなくていいんです。ストーリーとイメージがつかめればよし。
古くから、キリスト教とイスラム教は、戦っていたんだ、みたいなことがわかればいいんです。
イスラム教の登場は、意外に遅いんだな、ってことにも、気づいてくれたら。
「日本はなぜ白なの?」と、思ってくれれば、あとは自分で調べましょう(笑)
日本とのつながりにも興味がもてれば、知識が線から面になります。
地理にも強くなる
世界史は、冒険と征服の歴史でもあります。
どのような経緯で、世界地図が出来てきたのか、世界史から地理を学べますね。
それこそ、なんで「鉄砲が伝来」したのか、とか、なぜ「キリスト教」が布教されはじめたのか、とか。
植民地政策から、株式資本主義の成り立ちまで学べますね。
世界や日本の偉人に詳しくなる
歴史上の人物に詳しくなるのは、受験だけでなく、社会に出てからも大いに役に立つでしょう。
お札を貼り付ければ、興味をひくこと間違いなし。
新島八重のとなりに、綾瀬はるかさんの写真が貼ってあるのは、愛嬌ということで・・
私自身の勉強になる?
これは、娘たちの受験とはまったく関係がありませんが、この製作過程において、ほんとに勉強になりました。
これに影響を受けて、興味を持って、旅した場所も数々。
「嘆きの壁」とか、「パルテノン神殿」。インダス文明&メソポタミア文明、見たい・・
「二〇三高地」。
リニューアルが楽しい
それにしても、まあ、よく作ったものです。
しかし、たまに間違っていることや、わかりにくい表現になっていたりすることも。
宗教改革の場面なんか、まさにそうですね。
そういうときは、リニューアルするんです。もぞう紙だから簡単です。
世界史年表が運んできたデメリット?
メリット絶大な、自作世界史年表にも、落とし穴がありました。
リビングが狭く見える
これは、大いなるデメリット。窓を開けて、空気の入れ替えも困難になってしまいました。
客が来ると恥ずかしい・・
私は、自分のことを、変人であると認めているんですが、妻はふつうの人間。
したがって、お客さんが来るのが、とても恥ずかしいようです。
スカパーの工事に来たおじさんは、大げさに驚いてくれましたけどね(笑)
エアコンの修理に来たお兄さんに、年号の誤りを指摘いただいたことも(笑)
火がついたら回りが速い・・
これは、シャレにならない。
なにしろ、部屋中カミだらけですから、火の気には十分注意を。
令和2センター試験 世界史Bで94%の得点率を確保
これは、申し訳ないのですが、成績票がないため証拠をお見せできません。
でも、娘の自己採点で94%の得点率を確保。
なんとか、GMARCHの一角に、入り込むことができました。
受験というのは、絶対的な得意分野があると、本当に便利ということを、あらためて思い知りました。
文系であれば、国語と英語だけ、勉強しておけばいいんですから。
これは、本当に大きい。
受験生、というか、小学生のお子様を持つお父さんにお母さん。
子供の勉強は、「どう教え込むか」ではなく、「どう興味をもたせるか」です。
興味を持ってくれたら、あとは親はフォローの風を送るだけです。
そして、興味を持ちやすい分野は、歴史だと思います。
子供は、紙芝居に興味を持ちますよね。
それと同じことだと思います。
自宅を、「歴史博物館」にする、我が家の試みは大成功でした。
ところで、この自作年表。
もう必要ないので、どこかの学校に寄付しようと思ってるんですが、ほしい学校さんいるかな?