古代の関所さながらの警備だったカラクリ湖をあとにします。
カシュガルへの帰り道
来た道をそのまま引き返し、カシュガルの町に戻ります。
現在15時半。カシュガルの町を出て6時間半が経過。
そのうち2時間近くは、検問や尋問の取調べです(笑) 帰りは、何時間かかるんだ・・・
まあ、動物や素敵な景色を眺めて、和みましょう。
これが、パミール高原の景色、と、自分に言い聞かせます。
なんといっても、学生のときに地理で習った「世界の屋根」ですから。
快く下るうち、左窓に、来るときも見た白沙湖が。
冬は凍結するんだろうな。
おお、この湖に落ちこむ感じ。
くすんだ感じだったカラクリ湖より、白沙湖のほうが、神秘的に見えてしまう。でも、向こうは、太陽が出てなかったから。
しばらく、白沙湖につきあいます。
白沙湖と別れて、カシュガルを目指します。カラコルム・ハイウエイは国道314号線です。
このあたりから、谷をまたぐ高架橋が連続します。
完全舗装されたのは、そんなに昔ではないと聞きます。地滑りのたびに修復する、正真正銘の難所だったとのこと。
私は、カラクリ湖で引き返しましたが、あのまま南に進んでいれば、150キロほどでパキスタンとの国境クンジュラブ峠に至り、そこは海抜4,693m、国境をまたぐ舗装道路としては世界最高地点らしい。
ほんとに気持ちよく、クルマは下ります。
ブレーキがフェードしちゃうクルマも出るのかな。箱根ターンパイクにあるような、緊急避難所も見かけました。
来るときも通った、唯一のトンネル。
チェックされる仕組みになっているのか、ここまで快調に飛ばしてきた運転手が、時速40キロぐらいで走ります。
トンネルを出たところで、玉を売っていた現地住民。
ほんとに、気持ちいいドライブだ。音楽を聴きながら、走りたい。
運転手の青空トイレの間に散歩。
来るときにもくぐったアーチ。
「世界の屋根」から下りおります。
カシュガルまで146キロ。
万年雪がどこまでも追いかけてきます。
このあたりから、運転手の表情に異変が。睡魔に襲われてるらしい・・・大丈夫か。
運転手の肩をたたいて、「休憩しようよ」。このまま眠られては大変。
白沙湖と同じような色をした川。
しばらく走って、また休憩。
なんと、運転手は「腹が減ったので、食事にしよう」。
さっき、あんなに食べたのにほんとかよ。私は遠慮して、運転手は食堂に入って行きました。
まったく、どんな腹してるんだ?
ボール1杯のおそらく5人分ぐらいあった昼飯を、2人で平らげたばかりなのに。
私は、付近をのんびり散策。今回の旅も、あますところあと4日か、そんなことを考えます。
だいぶ下ってきました。カシュガルはもうすぐです。もう検問も3つくらいは通過しています。
カシュガルが近づき、郊外のウイグル人集落を通過。ウイグルの子供たちが、よく目につくようになります。
子供たちの表情は、決して暗くはないのでほっとします。
検問だらけのカシュガルへの道
カシュガルの町に入る前の最後の検問。
もう検問にも慣れましたが、ちょうど夕礼の時間なのかな、詰め所の奥のほうから、年配の警官が叫ぶように垂れている訓示が響き渡っている。
正直、すごい勢い。
パスポートチェック中だった青年警官も、作業を中断して、奥に駆け込んで行きました。
その青年も、ウイグル人の顔つき。
この体育会系精神論に耐えられる精神がないと、中国で警察官にはなれないんだろうか。
それにしても、私の顔を、何度もスマホで写真を撮っている。
この旅で、何回、顔写真を撮られたことか。