中国 列車の旅 寝台列車で蘭州から敦煌へ【シルクロード旅行記 #6】

いよいよ、シルクロード奥地に向かいます。

まず、めざすはオアシス都市 敦煌です。

敦煌着は、翌朝6時30分。蘭州から12時間半の旅です。

蘭州駅プラットフォームの賑わい

蘭州の人が敦煌に行くときは、みなさんこの列車を利用するらしい。

なので、中国の列車にしては珍しく「敦煌号」と愛称がついています。

私の乗る高級軟臥は10号車。

濃緑色の車両にキリッと立つ女性服務員。かっこいい・・

 

なんだ、プラットフォームにも、物売りさんがいたんじゃないですか。

みんな敦煌への旅に、ワクワクしてるように見えます。

激しく飛び交う中国語。

ワクワクしてるのは、私も同じ(^_^)

それにしても、食べ物の心配は、全然いらなかったですね。

「敦煌号」新空調高級軟臥室のようす

10号車の「新空調高級軟臥室」に入り込みます。

 

2人用のコンパートメントです。1人用だったらいいのにな・・・

実は、この車両、3年ほど前に、西安から南京まで乗ったことがあります

室内にトイレがあるのも見覚えがあります。でも、どうせなら、トイレよりもシャワーがいい。

私のチケットには、上段とあります。ということは、下段に誰か相客が来るということですね。

1人で占領できなかったことにがっかりしながら、ベッドに座っていると、入ってきたのがなんと日本人のおじさん。

私が挨拶しても、なにかブツブツいいながら、返事もしてくれません(笑)

はるばる敦煌行きの列車に乗って、相客が愛想のない日本人。笑える・・・

しばらく、通路に出ていよう。

  

Y667列車「敦煌」号 蘭州を出発

もうすぐ発車です。ちなみにこの列車、敦煌に行く乗客用のダイヤなので、途中、2つの駅にしか止まりません。

敦煌まで12時間半の旅ですが、どこかそっけない時刻表です。

蘭州 18:03
張掖 23:34
嘉峪関 1:49
敦煌 6:30

1,133キロを12時間半ですから、平均時速約90キロですね。

 

定刻に発車です。蘭州駅を出ると、すぐに駅の南側にある、五泉山公園が目に入りました。

水のない黄河の支流?

列車はゆっくりと、蘭州市街を走ります。

女性服務員が何人も乗っています。

そのうちの一人が、私のチケットを回収して、カードに引き換えていきました。

これは、中国の列車ではおなじみの光景。チケットには、姓名やパスポート番号(中国人の場合は日本で言うマイナンバー)が記載されているので、きちんと本人が乗車しているかチェックしてるんでしょうか。

 

蘭州西駅に着きます。中川空港から来るときも通った、新幹線の駅。ガランとしています。

と、思ったら、前方の一角は人でいっぱいでした。

 

私の部屋には、どこか変なおっさんがいるので、帰りたくありません(笑)

食堂車にでも行ってようか・・

食堂車から眺める「河西回廊」の風景

中国の列車、食堂車はたいてい軟臥車の隣に連結されています。すでに先客がちらほら。

 

食堂車の窓から眺める蘭州郊外の景色。

あれは、チベット寺院でしょうか。そんな形をしています。

混みはじめて、なかなかオーダーをとりに来てくれませんが、それがありがたい。ここで夜まで過ごしたいです。

列車に沿っているのは黄河でいいのかな。

 

黄河の周りにも、いろんなものを造ってますよ。

 

時刻は19時になろうかというところ。中国は、基本的に北京の時間に合わせるので、西に行けば行くほど、日の入りが遅くなります。

私のような旅人にとって、日が長くなるのはうれしい限り。

みなさん楽しそうに談笑しています。このあと、私の目の前にも、中国人女性が座りました。

列車は満席に近い盛況のようですが、食堂車が満席になることは、今までの経験からありません。みんな、持ち込みか、車内販売で済ませるんでしょう。

車内販売は、ひっきりなしに往来しています。

 

まだ、注文をとりにきません・・・

よくやく、メニューをもらえました。

ウエイトレスも1人だから大変だよな。さて、何にしようか。

定番の回鍋肉とビールにしました。ビールはバドワイザーが出てきてびっくり。ビールって、ひょっとして5元?  だとしたら80円。激安です。

ビールを飲みながら、黄河に架かる橋を眺めます。

日本では、こうやって景色を眺めながら、お酒を飲む機会って、ほとんどなくなっちゃったよね。

やっぱり、中国の列車の旅は最高です(^^)

おや、黄河を渡るのかな?

おお、中国の奥地にいることを感じさせない川幅です。

 

高速鉄道も見えます。ちなみに、あの高速鉄道は、ここからはるか西のウルムチまでつながっています。

 

待ってました! おいしそうな回鍋肉です。

ご飯はいまいちだけど、ネギがシャキシャキした回鍋肉。

食事しながら眺める「河西回廊」の風景。

赤茶けた大地に樹木が映えます。

久方ぶりに町が現れました。

再び郊外へ。

山峡に差し掛かったという感じです。

 

食事が終わって、ビールをもう1本追加。

列車は、ほとんど揺れません。気持ちいいほどに、快く流れるように走ります。

お、またチベット寺院のようなほこら。

新幹線の線路とくっついたり。

小さい流れを渡ったり。

列車は時速100キロ以上で走り抜けていきます。

また町が現れました。

ビールもう1本追加。景色が刻々と変わる食堂車は、ほんと居心地のいい空間です。

蘭州を発車してから、はじめての町らしい町。

 

天祝という駅でした。列車は、そのまま通過します。蘭州から145キロの地点です。

日暮れの遅い「西域」にも夕闇がやってきました。

ほろ酔いで眺める「河西回廊」。

夜21時近くになって、宴会で盛り上がっていた連中も引き上げています。

 

私も、そろそろ引き上げましょう。

昨夜だって、ほとんど眠ってないし、明朝は6時半に敦煌駅に着いたら、そのままガイドが迎えに来て、陽関などを回るんです。

寝不足は大敵です。

部屋に戻ると、相客のおっさんはスマホいぢりに余念なく、私が入っていっても、顔も向けません(笑)

持ってきたwifiにつなげると、今はこのあたり。

さて、ベッドに寝っ転がって、ワインで飲み直し。

このワインは、何の変哲もない、日本から持ってきたボルドーです。

明日の予定を確かめて、就寝です。

おっさんは、まだ起きてるのかな。電気ぐらい消してくれてもいいのに・・・  まいっか。

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