いよいよ、シルクロード奥地に向かいます。
まず、めざすはオアシス都市 敦煌です。
敦煌着は、翌朝6時30分。蘭州から12時間半の旅です。
蘭州駅プラットフォームの賑わい
蘭州の人が敦煌に行くときは、みなさんこの列車を利用するらしい。
なので、中国の列車にしては珍しく「敦煌号」と愛称がついています。
私の乗る高級軟臥は10号車。
濃緑色の車両にキリッと立つ女性服務員。かっこいい・・
なんだ、プラットフォームにも、物売りさんがいたんじゃないですか。
みんな敦煌への旅に、ワクワクしてるように見えます。
激しく飛び交う中国語。
ワクワクしてるのは、私も同じ(^_^)
それにしても、食べ物の心配は、全然いらなかったですね。
「敦煌号」新空調高級軟臥室のようす
10号車の「新空調高級軟臥室」に入り込みます。
2人用のコンパートメントです。1人用だったらいいのにな・・・
実は、この車両、3年ほど前に、西安から南京まで乗ったことがあります。
室内にトイレがあるのも見覚えがあります。でも、どうせなら、トイレよりもシャワーがいい。
私のチケットには、上段とあります。ということは、下段に誰か相客が来るということですね。
1人で占領できなかったことにがっかりしながら、ベッドに座っていると、入ってきたのがなんと日本人のおじさん。
私が挨拶しても、なにかブツブツいいながら、返事もしてくれません(笑)
はるばる敦煌行きの列車に乗って、相客が愛想のない日本人。笑える・・・
しばらく、通路に出ていよう。
Y667列車「敦煌」号 蘭州を出発
もうすぐ発車です。ちなみにこの列車、敦煌に行く乗客用のダイヤなので、途中、2つの駅にしか止まりません。
敦煌まで12時間半の旅ですが、どこかそっけない時刻表です。
蘭州 | 18:03 |
張掖 | 23:34 |
嘉峪関 | 1:49 |
敦煌 | 6:30 |
1,133キロを12時間半ですから、平均時速約90キロですね。
定刻に発車です。蘭州駅を出ると、すぐに駅の南側にある、五泉山公園が目に入りました。
水のない黄河の支流?
列車はゆっくりと、蘭州市街を走ります。
女性服務員が何人も乗っています。
そのうちの一人が、私のチケットを回収して、カードに引き換えていきました。
これは、中国の列車ではおなじみの光景。チケットには、姓名やパスポート番号(中国人の場合は日本で言うマイナンバー)が記載されているので、きちんと本人が乗車しているかチェックしてるんでしょうか。
蘭州西駅に着きます。中川空港から来るときも通った、新幹線の駅。ガランとしています。
と、思ったら、前方の一角は人でいっぱいでした。
私の部屋には、どこか変なおっさんがいるので、帰りたくありません(笑)
食堂車にでも行ってようか・・
食堂車から眺める「河西回廊」の風景
中国の列車、食堂車はたいてい軟臥車の隣に連結されています。すでに先客がちらほら。
食堂車の窓から眺める蘭州郊外の景色。
あれは、チベット寺院でしょうか。そんな形をしています。
混みはじめて、なかなかオーダーをとりに来てくれませんが、それがありがたい。ここで夜まで過ごしたいです。
列車に沿っているのは黄河でいいのかな。
黄河の周りにも、いろんなものを造ってますよ。
時刻は19時になろうかというところ。中国は、基本的に北京の時間に合わせるので、西に行けば行くほど、日の入りが遅くなります。
私のような旅人にとって、日が長くなるのはうれしい限り。
みなさん楽しそうに談笑しています。このあと、私の目の前にも、中国人女性が座りました。
列車は満席に近い盛況のようですが、食堂車が満席になることは、今までの経験からありません。みんな、持ち込みか、車内販売で済ませるんでしょう。
車内販売は、ひっきりなしに往来しています。
まだ、注文をとりにきません・・・
よくやく、メニューをもらえました。
ウエイトレスも1人だから大変だよな。さて、何にしようか。
定番の回鍋肉とビールにしました。ビールはバドワイザーが出てきてびっくり。ビールって、ひょっとして5元? だとしたら80円。激安です。
ビールを飲みながら、黄河に架かる橋を眺めます。
日本では、こうやって景色を眺めながら、お酒を飲む機会って、ほとんどなくなっちゃったよね。
やっぱり、中国の列車の旅は最高です(^^)
おや、黄河を渡るのかな?
おお、中国の奥地にいることを感じさせない川幅です。
高速鉄道も見えます。ちなみに、あの高速鉄道は、ここからはるか西のウルムチまでつながっています。
待ってました! おいしそうな回鍋肉です。
ご飯はいまいちだけど、ネギがシャキシャキした回鍋肉。
食事しながら眺める「河西回廊」の風景。
赤茶けた大地に樹木が映えます。
久方ぶりに町が現れました。
再び郊外へ。
山峡に差し掛かったという感じです。
食事が終わって、ビールをもう1本追加。
列車は、ほとんど揺れません。気持ちいいほどに、快く流れるように走ります。
お、またチベット寺院のようなほこら。
新幹線の線路とくっついたり。
小さい流れを渡ったり。
列車は時速100キロ以上で走り抜けていきます。
また町が現れました。
ビールもう1本追加。景色が刻々と変わる食堂車は、ほんと居心地のいい空間です。
蘭州を発車してから、はじめての町らしい町。
天祝という駅でした。列車は、そのまま通過します。蘭州から145キロの地点です。
日暮れの遅い「西域」にも夕闇がやってきました。
ほろ酔いで眺める「河西回廊」。
夜21時近くになって、宴会で盛り上がっていた連中も引き上げています。
私も、そろそろ引き上げましょう。
昨夜だって、ほとんど眠ってないし、明朝は6時半に敦煌駅に着いたら、そのままガイドが迎えに来て、陽関などを回るんです。
寝不足は大敵です。
部屋に戻ると、相客のおっさんはスマホいぢりに余念なく、私が入っていっても、顔も向けません(笑)
持ってきたwifiにつなげると、今はこのあたり。
さて、ベッドに寝っ転がって、ワインで飲み直し。
このワインは、何の変哲もない、日本から持ってきたボルドーです。
明日の予定を確かめて、就寝です。
おっさんは、まだ起きてるのかな。電気ぐらい消してくれてもいいのに・・・ まいっか。