クルマ、バス、トゥクトゥク、バイクが入り乱れるトリポリア・バザー・ロードとヨハリ・バザー・ロードの交差点。
信号機も警官もいないので、渡るのにひと苦労だが、これにはコツがある。
現地の人と一緒に渡ればいい。
左右を見るのではなく、見るのは背中。高所で下を見ないほうがいいのと、どこか似ている。

そして渡り終わると、アンベール城行きのバスが待っている。
明日の朝訪れる予定だけど、さて、どうやっていこうか。

ピンクシティの象徴「ハワー・マハル」

この交差点を北へ渡ると、ピンクシティの中でもひときわ鮮やかなピンクが視界に飛び込んでくる。
背が高すぎて、通りの舗道からは全容がつかめない。
もう一度、流れに身を任せて道路を横断し、反対側へ出る。
そこでようやく、その全貌が視界に入った。

細かく手の込んだ幾重にも重なる小窓。
規則的でありながら、どこか有機的なリズムを感じさせるファサード。
「風の宮殿」――ハワー・マハルである。

1799年、ジャイプールを治めたサワーイー・プラタープ・シングによって建てられたこの建物は、宮廷の女性たちのための“観覧席”だったという。
外からは見えず、内からは見える。
953もの小窓は、街の営みをひそやかに見下ろすための装置であり、同時に、灼熱のラジャスターンにおいて風を通すための知恵でもあったらしい。
通りに立っていると、太陽が容赦なく照りつけてくるので、私も風に吹かれようと建物の中に入ってみる。

はて、ここでいいのか入り口は・・・

大通りに面した優美な姿と、あまりにも違いすぎる・・

大通りから入るこのルートは、どうやら正門ではなかったらしい。

でも、きちんと案内のサイン・・・
ていうか、誰か親切な人が書いてくれた、みたいな案内書き。

そしてチケット売り場を見つけて購入。
なぜか602ルピーという半端な料金でした。

大通りから見たピンクの宮殿のアタマが見えている。早くあそこに行きたい。

門をくぐってみると、そこは宮殿の中庭。

噴き上がる噴水が、気分だけ涼しさを与えてくれる。

さて、階段をひとつ上がった2階。
現地の方が、ラジャスタンの民族音楽のような楽曲を演奏してました。

あれ? てっきり小窓は開いてるようにみえたけど、ステンドグラスで彩られてます。

この奥に、さらに上階に続く階段があるんですね。

上に上がれば上がるほど増えていく観覧客。

外壁はピンクでも、内壁はベージュ色といった落ち着いた雰囲気。

ところで、階段を見つけると、上に上がらずにはいられないのが旅人の性。
やがて階段は、人ひとりがすれ違うのがやっとの幅になる。
下りてくる人がいれば、壁に体を寄せてやり過ごすしかない。

そして、意外と奥行き深いハワー・マハルの踊り場。
ジャイプールの街を歩きはじめた時も感じた「なんとなく、インドらしくない・・・」という感覚を、再び感じる。
ていうか、こんなインドもあるんだね。
私のインド経験が浅すぎるだけです。

さらに上へ。そして、一気に視界が開けました。

ジャイプールは計画都市。

でも、同時に外敵から守るための城塞都市でもあったのだということを理解できる光景です。

インドにおいて、「プル」という言葉が城壁を意味することを思い出すね。

ということは、広大なインド大陸には、まだ幾つものこんな城塞都市があるということ。

インドらしくない、なんて感想を持ったのも、私がまだインドが2度目。
ジャイプールが訪れた4都市目である新参者だったからだと、大いに反省する。

だから、まだ見たことないインドが実はたくさんあるんだ、という当たり前のことに気づいて嬉しくなります。

「風の宮殿」から見下ろすジャイプールの雑踏

宮殿の中庭とは反対側。
すなわち入ってきた大通り側には、ジャイプールの街並みが広がってました。

でも、遠くには丘が霞んで見える。
やっぱり、崖で覆われた天然要塞でした。

そして、ピンクシティを構成する外壁の景観が美しい。

よくみると、各建物にはテラスがある。

気温が下がる夜などは、ビヤガーデンとかになるんだろうか。

小窓づたいに移動。
こちらはバザールの方角。

さっき渡ってきた信号のない交差点。
眺めてると、よくあんなところを渡ってきたなと思う^ ^

下界を見下ろしていると、せわしなくうごめく人々の営みに、まったくあきることがない。

小窓からのぞくと、人々の生活が、切り取られたように小さなフレームの中にきれいに収まる。
そして、その小窓から吹きあげるそよ風が実に気持ちいい。

誰にも気づかれずに、外の世界をのぞき見る。
当時の彼女たちにも、そんな背徳感を楽しみながら、観察してたのだろうか。

本日のジャイプールは36度まで気温が上昇しているらしい。
灼熱の街にあって、この建物だけが、やわらかく呼吸しているように感じられた。
「ハワー」――風という名の意味を、身体で理解する。

あらためて、中庭の景色。

観光客が、思い思いにポーズをとる、さすが世界遺産の街ジャイプール。

そして、日本人の人気もまた素晴らしい。
撮ってくれ、撮ってくれとせがまれ、何回もモデルになりました(^ ^)

そんな楽しいハワー・マハルの見学。

下におります。

全部の部屋入ったかな・・・そのくらい奥行きのある宮殿でした。

出口にあった売店。

暑さに耐えかねて、清涼飲料水に飛びつきます。
150ルピー(255円)と観光地価格。

水なら40ルピー(68円)でした。じゃ、街中なら、もっと安いかな。
ジャイプール街歩きは、まだはじまったばかりです。
