ジョードプル旧市街ブルーシティ 路地から路地へひたすら彷徨ってみる

ホテルにチェックインし、テラスから見上げるメヘラーンガル城塞。

断崖の上に築かれたその姿は、街全体を静かに見下ろしているような威圧感。

そして、誘われるように視線を落とすと、無数の青い家々が折り重なるように広がっている。

これから、あの迷路のような路地を心ゆくまでさまようつもり。

こういうところでは、Googleマップを見ながら歩きたくない。

だから、なんとなく位置関係と構造をアタマの中に入れて、ホテルの外に出ました。

ブルーシティをただあてもなくさまよってみる

予約しておいたホテル「シンビハベリ」は、門を一歩出た瞬間から、青に包まれる。

この街が「ブルーシティ」と呼ばれる理由は諸説あるが、もともとはバラモン階級の家が青く塗られていたのが始まりらしい。

バラモンとは、カーストにおける最高位。

だから、ホテルを含め、これらの家々は良家の邸宅ということだろうか。

ただし、時とともに、その意味合いは、暑さを和らげるため、あるいは虫除けとなり、

やがて、街全体に広がっていったのだという。

たしかに、青という色は、照りつける太陽を相殺してくれる心理的効果はありそうだ。

2026年3月7日のジョードプルは36度。

夏は50度にも達するというラジャスターンからすれば、36度など暑さのうちに入らないだろう。

しかし、まだ真冬だった東京から来た身にはこたえる。

ハアハア言いながら、アップダウンのある路地を北に歩くと、城塞にぶつかって行き止まり。

上から見おろしても、下から見上げても、立体的な街ジョードプル。

来た道を引き返す。

Googleマップなど、迷路のような路地に失礼なので見てられない。

ひたすら、描かれた肖像画の視線を追うように、角にぶつかれば曲がってみる。

曲がる・・・また曲がる。

行き止まりに突き当たる・・・引き返す。

それだけのことを、延々と繰り返す。

その単調な行為は、何かに取り憑かれていたかのようだ。

それにしても、青い壁に描かれた絵は鮮やかだ。

クリシュナ神や、ラージャスターンの女性たち、孔雀や牛。

これらの多くは単なる装飾ではなく、信仰や日常の祈りが込められたものだろう。

青い家の守り神といったところだろうか。

祈りとともに、この乾いた街に彩りを与えて絵たち。

その前を、私はただ通り過ぎていくだけだけど、奇妙な安心感がある。

よく見れば、絵画の中に扉があることも。

この絵も。

この絵あたりは、人気のない深夜に遭遇したら、ちょっと怖いかもしれない^ ^

絵画に吸い込まれるように歩き続けていると、今度は繁華街方面への路地に出たらしい。

つまり、ブルーシティの面積は小さいのだ。

これなら、方向音痴の私でも、迷子になることはないだろう。

引き返すと、なんとなく旧市街のメインロードのようなストリートに。

ジョードプルの駅からトゥクトゥクで来た時に通った道かな。

そのトゥクトゥクのエンジン音が背後から迫り、あわててよける。

旧市街といっても観光地なので、ATMもある。

これがラジャスターン州第二の都市ジョードプルの旧市街。

私のインド観では、バラナシやコルカタと比較するしかないが、バラナシよりは大人しく、安定を感じる。

インドを代表する観光地であるにもかかわらず、観光ズレをあまり感じない普段着のような感覚も好ましい。

民族衣装の女性の美しい姿。

ここが旧市街の中心地、そしてこじんまりした繁華街らしい。

兼トゥクトゥクターミナルといったところか。

この一帯だけ若干道幅が広がり、いくつかの雑貨屋が軒を連ねてました。

青々とした野菜類を売る八百屋さん。一番右はサボテンの葉っぱ? かな?

それにしても暑い、そして歩き疲れた。そういえばランチ食べてない。

雑貨屋さんで買ったアイスクリーム。

こんなのが昼食の代わりなんてわびしいけど、暑くて、とてもじゃないがカレーライスなんて食べられない。

軟弱な旅人だけど、それは自覚している。

行き止まりだらけの旧市街

ふたたび歩き出す。

不思議なことに、歩いている間、何を考えていたのか、まったく思い出せない。

思想も、感想も、言葉も、どこにも残っていない。

まるで、その時間だけが、きれいに切り取られて消えてしまったかのように。

でも、帰国して、撮った写真を見返すと、ぱあっと情景がよみがえる。

それだけ、歩き続けることにのめりこむことができる旧市街だった。

青という色は、不思議だ。

冷たいはずなのに、ここでは温度を帯びている。

視覚的にはクールなのに、体感温度は40度近く。

このギャップが、記憶を狂わせるのかもしれない。

また、行き止まりにぶつかった。

方向を変えても、また行き止まり。

旧市街とは、そもそもそういう構造をしているということを肌で感じる。

外敵の侵入を防ぐため、意図的に複雑に作られた街路。

それが現代では、クルマの侵入を許さないという、旅人にとっての効果を生む。

バイクこそかっ飛んでくるけど、クルマがいないというのは、歩いていて本当に楽しい。

日陰で涼むハトたち。

日光が当たらないところでの青い色彩は、涼しさを運んでくるものだ。

私も、いったん涼しさを求めて、ホテルに帰還。

ちょっと休憩したら、繁華街である新市街の方に、足を伸ばしてみよう。