軟臥&下段のチケット確保&上海火車駅で成都行き長距離列車を待つひととき

日本から夜行列車がほぼ姿を消してから、どのくらいたつだろうか。

ここでいう夜行列車とは、寝台車や座席車が階層ごとに連なった、いわゆる日常的な生活用の列車のことである。

私の感性では、上野駅から東北や北陸方面に毎夜旅立っていた特急や急行列車、あるいは東京から西への九州特急などがイメージに近い。

日本では、夜行列車の運行コストの非効率性や、飛行機や夜行バスなど、値段や利便性において選択肢に多様性が生まれたことが夜行列車が削減された要因とされている。

しかし、夜行列車の醸し出す旅情はなにごとにも代えがたく、私に限らずそう思っている旅人は少なくはないのではないだろうか。

でも悲観することはない。

お隣の国、中国では、現代でもなお、24時間以上かけて走る夜行列車が、広い国土を縦横無尽に走っている。

残念ながら紙版が廃止され、電子版のみとなってしまった中国鉄道時刻表(監修:中国鉄道時刻研究会)によると、国内路線だけでも、最長距離の列車は広州白雲⇔拉薩の4,791km、最長運転時間は佳木斯⇒成都西の58時間43分。

日本ではありえないような走行距離に運転時間であるが、主要都市間においても、当たり前のように24時間以上かけて走る列車が、ゴロゴロしている。

そんな中から、今回の旅で私が選んだのは上海⇒成都西2,259kmを30時間37分かけて走るK1156列車。

大陸中国の旅の玄関口上海から西へ向かうのもいいし、そもそも成都は2025年4月に訪れようとして、急に仕事が舞い込んでキャンセルを余儀なくされた経緯がある。

K1156列車の発車時刻は10:57。

2025年11月21日金曜日。

前の晩に羽田を発った私は、午前8時半に、上海火車駅の前に立っています。

感熱紙になってしまった軟臥&下段の列車チケット

中国の列車旅はコロナを挟んで6年ぶりになる。

trip.comでチケットを簡単に予約はできたけど、チケットの受け取りや、列車の乗り方など、なにか変わったことはあるだろうか。

以前の中国の駅では、チケット購入客で長蛇の列となり、とくにターミナル駅には、最低でも発車1時間前には来たほうがいい、という不文律があったけど、上海火車駅でこの閑散ぶり・・・

スマホを使ったEチケットにでも移行したのだろうか。

そんなことを考えながら、予約したスマホ画面を窓口に見せると、チケットが発券されました。

かつては、チケットらしい少し硬めの券面に印刷されてましたが、なんの変哲もない感熱紙に化けてました^ ^

感熱紙って、時間が経つと文字が消えちゃうんだよね。

写真に撮って記録に残すしかあるまい・・・

ところで、このチケットのお値段は17,306円。

軟臥というのは、4人用のコンパートメントで、日本で言えば、かつてのB寝台カルテットのようなスタイル。

予約画面は16,897円なのに、確定画面では17,306円となっているのは、下段を指定したから。

寝る分には、上段でも下段でもどっちでもいいんだけど、景色を眺める分にはやはり下段が動きやすい。

それにしても、2,259kmも走るのに17,306円。硬座という普通座席車なら5,980円というのは破格の安さ。

中国ほどの経済をほこっても、鉄道料金がこのレベルにおさまっているというのは不思議。

中国人だったらもっと安いのだろうか。

かつて上野⇒札幌の北斗星をB寝台で乗ると3万円くらい払ったと思うが、中国の鉄道が羨ましい。

 

そして駅構内へ。

駅入り口で厳重な手荷物検査が行われるのは、まったく変わってませんでした。

列車ごとの待合室「候车室」でのひととき

どことなく野暮ったい雰囲気の上海火車駅。

かつての上野駅のような郷愁を感じます。

さて、ぶらぶら雰囲気を楽しみながらも、待合室を探しましょう。

待合室は、列車ごとに決まっていて、チケットにも印刷されています。

私の場合は「候车室6」です。

駅全体は人でごった返していても、待合室によっては、がらんとしてたりするのが面白いところ。

コロナ明け後、そしてノービザ解禁後、2度ほど中国を旅して、今回が3度目だけど長距離列車に乗ることで、気持ちが浮ついてる。

まるで子供みたいだけど、精神年齢が低いのは自覚しています(^ ^)

でも、誰だって、たとえば「サンライズ」とかに乗るために駅に行けばワクワクするでしょ?

対象は違えども、それと同じ心境です。

「候车室6」はここみたいです。

ありました、成都西行き。

30時間以上かかる旅なのに、サラッと書いてるさりげなさがカッコいい。

前の列車も含め、「候车室6」は盛況のようです。

さっするところ、銀川行きの出発を待ってる人たちかな。

こういうときでもひとり旅はラク。ひとつだけ空いてる椅子を探せばいいだけ。

ちなみに見渡せば、そこら中に充電スポットがありました。

そして、シートのわきにあるモニタはなんだろう?

なにかの情報端末?

待合室にいた人たちが、いっせいに立ち上がりました。

銀川ではなく黄山北行きみたいですね。いってらしゃい。

先行列車の出発により、人口密度が半分ほどに落ち着いた候车室6。

食堂車はついてるし、車内販売もあるのは知ってますが、長距離列車乗車前の買い出し。

これがけっこう楽しかったりする。

ふかふかして柔らかいミルクパンに、水やお茶を買い込みました。

これに、あと、日本から持ってきたワインがキャリーの中に入ってます。

これで出発前準備は万全。

そして、出発時刻が近づきました。

候车室6に居た人たちがいっせいに改札口に向かいます。

はて、この人たちは、どのあたりまで行くのでしょうか。

こちらは30時間半の道のりですが、飛行機なら3時間半くらい。

終点の成都西まで行く人はどのくらいいるんだろう???