【博多 ⇒ 比田勝】対馬フェリー「うみてらし」乗船記 神々の島対馬へ

博多ふ頭ターミナルでの時間調整も兼ねての「みなと温泉 波葉の湯」は、いい湯でした。

3月の福岡散策で冷え切った身体も温まりました。

では、いよいよ今回の旅のメインテーマである対馬に渡ります。

対馬へのアプローチ 船か? 飛行機か?

対馬への旅となると、どんな交通手段で渡るかが第一の選択となってくるわけですが、これははじめから船と決めてました。

航空便もANAをはじめに何本もあり、福岡空港から35分程度で着いてしまうので、ふつうの旅行者はこっちでしょう。

しかし、私は「旅=移動」という固定観念のもとに行動しているので、初めて訪れる島にはフェリーでのアプローチを掟としています(^^)

飛行機が嫌いなわけでは決してなく、いやむしろ好きですが、時を刻みながら海上を揺れ動く船旅は、かつての旅人が味わった旅愁という感覚を彷彿させてくれると私は思います。

船での対馬アプローチ 厳原か? 比田勝か?

では、船で行くとして、対馬のどこへ着岸すればよいでしょうか。

対馬は大きな島。北端から南端まで、直線距離でも70㎞はあります。

そして、九州本土との港が、対馬第一の町「厳原(いずはら)」と、対馬第二の町「比田勝(ひたかつ)」の二か所にあります。

九州郵船や壱岐・対馬フェリーの時刻表を確認すると、途中の壱岐に立ち寄る便も含め、対馬への渡航は、人口も多いこともあって基本的に厳原中心のようです。

こうなると、へそ曲がりな私は、比田勝行きの船で、対馬へアプローチしたくなります。

もちろんそれだけが理由なのではなく、グーグルマップでわかるように、対馬は南北に長く、行ったり来たりするのは、2日しか滞在できない私のような弾丸旅行者には得策ではない。

そこで、比田勝に早朝に到着する便があるようなので、この深夜便でまず比田勝に渡り、そこからバスで南下してくれば、見どころの多そうな厳原見学に時間を十分にあてられる。

壱岐にも寄るつもりなので、帰りは、本数の多い厳原から壱岐によればいい。

そう計算し、博多港から比田勝へ向かうことに決めました。

狙いは、博多港を22:30に出て、比田勝港に明朝3:25に到着する深夜便です。

「博多ふ頭第二ターミナル」でのひととき

定員のある乗り物はコワイ。

予約ができればまだしも、先着順の場合、乗りあぶれる恐れがある。

そう思って出航5時間前にやって来たのですが、あまりにも早すぎたので「みなと温泉 波葉の湯」で一浴。

日も暮れた19時過ぎになって、再び「博多ふ頭第二ターミナル」へ乗り込みます。

混んでたらどうしよう、と若干緊張気味にコンコースに入ると、心配は杞憂でした。

チケット売り場のお姉さんに声をかけると、比田勝行きのチケットは出航1時間前の21時半ごろから売りはじめるとのこと。

夏の多客期や釣りのシーズン(っていつだ?)は、混んで乗船客を積み残すこともあったけど、最近はそんなことはまったくない、と言ってました。

 

待合室のシートに座って、時を過ごします。

この旅立ち前のプレリュード。最高に好きな瞬間。

売店もあります。

レストランもあります。

19時半になって、20:35出航の壱岐・郷ノ浦行きのチケットが販売開始。

チケットを買った人は、乗船口に並びます。

壱岐行きは、けっこう乗船客がいる印象。

壱岐への船が出航していくシーン。とたんにコンコースはがら空きになります。

びっくりしたのは、出航数分前に現れて、チケット買って乗り込んでいく人がいたこと。

バスに飛び乗る感覚。生活路線なんですね。

船の中にはアルコールがないとのこと。と聞くと、飲みたくなります。

売店のおばちゃんに「何時まで営業してるんですか?」とたずねると、「最後の船が出るまでやってますよ。」

最後の船とは、0:05出航の厳原行き。午前0時過ぎまでの勤務お疲れ様です。

 

チケットの販売が開始されそうなので乗船申込書に記入します。

そしてチケット購入。2片に分かれてるのは、乗船時と下船時に回収するためでしょう。

博多⇒比田勝は2等船室しかありません。料金は5,430円。クレジットカードで買えました。

「うみてらし」乗船開始

いっこうに乗船客が集まらないまま、なんとなく乗船がはじまりました。

たぶん、乗船客数は、20人くらい。

船に乗るのも久しぶりだけど、こんな閑散とした船ははじめてです。

出発に備え、岸壁に横たえる「うみてらし」。

「うみてらし」船内の様子

乗船客が少ないのはわかっていても、席の陣取りにあせってしまう貧乏旅行者w

しかし、ごらんの通り、8畳くらいのスペースに数人。

これは寝心地よさそうです。

椅子席もガラガラ。

出航までのしばし、船内を見学します。

見学とはいっても、この船、すごく小さい。

あっという間に一回りできる、かわいらしい船です。

アルコールはないけど、自販機はあります。

そして、毛布を50円で貸し出してました。

博多港を出航 比田勝へ4時間55分の船旅

いよいよ出航。博多ポートタワーが離れていきます。

飛行機なら、たった35分のところを、4時間55分かけて揺られていく。

これぞ旅です(^^)

奇しくも、船の深夜便は関釜フェリーで朝鮮海峡を渡った時以来。

それから4年半をへだてて、ふたたび朝鮮海峡を目指しています。

 

玄界灘の風は冷たい。

ずっと甲板に出ていると、せっかく「みなと温泉」で温めた身体が冷めてしまうので、キャビンに戻ります。

電源はあるので安心。

雑魚寝で揺られる船旅って、旅立ち気分満点と思うのは、私だけだろうか。

16人くらいのスペースにたった4人というのも哀愁を感じる。

乗り物がすいてるのはありがたい。

しかし、このようなローカル航路。こんなにすいてて大丈夫かな?

足をのばし、ウオークマンで音楽を聴きながら、いろんなことを考えます。

3月というシーズンオフ(なのかどうかわからないけど)に、コロナ禍も加わってるのがこの現状なんだろうけど、数えてみれば乗船客は20人たらず。

対馬という島は、けっこう面積があり、淡路島よりも大きく日本で4番目の広さ。

しかしながら、人口は減り続け、2022年の統計では27,000人そこそこ。

私のようないっかいの旅人が言うのは生意気ですが、整理されてしまう前に体験しておきたい。

いま向かっている対馬北辺の比田勝地区も、人口が1,500人程度。

韓国に近いこともあって、島の不動産が韓国資本に次々に買収されているという、そんな懸念もあります。

 

ところで、出航時の船長のあいさつでは、今夜の玄界灘はかなり荒れていて、船は大きく揺れる、との注意がありました。

たしかに、出航して30分もすると、すごいピッチング(前後の揺れ)。

船が持ち上げられたかな、と思うと、次の瞬間、ガガガーン!という音とともに、海面にたたきつけられています。

すごい、ほんと、船が壊れるんじゃないかという衝撃。

でも、私の乗り物耐性はMAXなのと、横揺れがあまりないので気にならない。

それどころか、今朝は3時半起床だったのと、福岡の神社をくまなく歩きまわった疲労から、あっという間に寝落ちしました。

比田勝港到着 午前7時まで船内で寝てていいサービス

まわりが少しざわついて目を覚まします。

嬉しいのは、この船、比田勝港に着くのは3:25という未明なんだけど、下船せずに午前7時まで船内で寝てていいらしい。

地元の人は、港にクルマで迎えが来るだろうけど、私のような旅人は、午前3時に港にほっぽりだされても途方に暮れるだけ。

港の待合室で2度寝しようと思っていたので、この放送を聞いたときは嬉しかった。

到着時にチケットの半券を回収し、そこで下船しない場合は、午前7時までは降りることができなくなるので注意せよ、とのことです。

ちなみに、私以外の乗客は、ほぼすべて下船し、船内で2度寝したのは、私を含め計4人でした(^^)

2度寝してすっきりしたアタマで甲板に出ます。

船は比田勝港に着いてました。第一印象は寒いw

まだ6時半なので、しばし甲板を散歩します。

西の夜明けは遅く、午前6時半では、今まさに太陽が昇ろうかというタイミング。

深夜の不気味な雰囲気の航海を終え、朝起きて陸地を見た時の旅愁はなんともいえません。

日が昇ってきました。よかった、天気は良さそうです。

これが国境の島、対馬。

そして、別名を天之狭手依比売(あまのさでよりひめ)とする、イザナキとイザナミの国生みによって、6番目に生まれた子ども。

午前7時になったので下船します。

対馬の大地をしっかりと踏みしめ、ここまで運んでくれた「うみてらし」を眺めます。

あとで調べてみると、この「うみてらし」は、2021年6月に投入された新造船。

ということは、本日の旅客が極端に少なかっただけで、これからも博多と比田勝の間を、地元の人や釣り人や旅人を乗せて毎日就航し続けるのでしょう。

「うみてらし」という名前の由来は、いつまでも海を明るく照らしてほしいという願いから、公募で決めたそうです。

そして、ここ比田勝周辺に自生する市木「ヒトツバタゴ」の別名でもあります。

では、比田勝の町に参りましょうか。

今回の3泊4日対馬&壱岐一人旅の全行程はこちらです。

タイトルとURLをコピーしました