中央アジアにおいては、どちらかというとマイナーな国に属するであろうタジキスタン。
正直、会社員が1週間夏休みをとって、中央アジアを旅するならウズベキスタン一択だと思う。
世界遺産を構えた名だたる街が並び、治安もいいし、交通の便もいい。
それを、わざわざウズベキスタンの日程を半分にしてまでタジキスタンを訪れたのは、シルクロードの旅は移動してこそ、と勝手に信じ込んでいたから。
6年前に新疆ウイグルを旅し、カシュガルを訪れた。
クルマをチャーターして、カラコルムハイウエイを走りカラクリ湖まで行ってきた。
ドウシャンベは、そのカラクリ湖から直線距離でわずか500キロ。
ようするに、その続きをしたくてタジキスタンに入り、ドウシャンベから、ウズベキスタンへ陸路国境を越えていくルートを選んだのである。
自分のしたいように旅をする。
こんなバカげたルートを歩もうとしても、誰にも文句を言われない。
旅とは、なんと人間の本能的欲求を満たしてくれる道具であろうか。
下の写真は、6年前カラコルムハイウエイをチャーターしたクルマでドライブした時のもの。
おそらく、こんな風景がひろがってることと思う。
120ドル&ガソリン代でペンジケントまで専用車をチャーター
ルートはウズベキスタンのシルクロードの街として名高いサマルカンドへ向けて、標高3,372mのアンザーブ峠を越えるルート。
目指すはウズベキスタンまで20キロたらずの地点にある、ペンジケントという国境の町。
本日は、そのペンジケントまで約240キロをドライブする日程になります。
7年前の「地球の歩き方」によると、タジキスタン国内の中長距離移動は、バスではなくシェアタクシーが一般的らしい。
料金もそれなりにリーズナブル。
ところが、このシェアタクシーというのは、文字通り複数名でタクシーをシェアして乗るわけだから、同じ行先の移動者が定員分集まって、ようやく発車という、先を急ぐ旅人には心もとないところがある。
生成AIに相談すると、ドウシャンベからペンジケントへの足は専用車のチャーター一択。
ホテルで前日のうちにアレンジしてもらうのが得策で、相場は120~150ドルくらいだろうとのこと。
ざっと、WEBで調べても情報が薄く、バス便なども見つからないので、私はこの情報(というかAIによる指南)に従い、ドウシャンベに到着した昨日の朝、ホテルのフロントに顔を出した。
以下、フロントの姉さんとの会話。
ちなみに、このフロントの姉さんは、前にも書いた通り、ほぼ裸同然のかっこうで、私のチェックインを処理した中国人女性である。
(すべて翻訳アプリで)
私:明日の朝7時にペンジケントまでクルマを1台手配してもらいたい。いくらかかるか。
女:(スマホで誰かと会話して)彼は、そんな遠くまでは行けないと言っている。
私:誰か、ほかの人を紹介してもらえないか。
女:(ふたたび何人かに電話して)ペンジケントのほかにはどこ?
私:いや、観光ではなく、ただペンジケントに行ってほしい。
女:(脈のあった彼と話して)あなたを置いたら帰ってきていいのか?
私:そうだ。私はそのままペンジケントのホテルに泊まるつもり。
女:120ドルとガソリン代でどうか。
私:それでいい。ありがとう。
こんなやり取りがあって、なんとか、チャーターをまとめることができた。
と書くと簡単にみえるが、実際は、翻訳アプリが弱いwifiのため動かなかったり、ペンジケントがうまく中国語に翻訳されなかったり、説明するのはけっこうたいへん。
小1時間くらいの交渉劇だった。
でも、第一声の120ドルで決着してしまったのはどうかと思うけど、生成AIが示した価格だったので、思わず決めてしまった。
タシケントからドウシャンべまでの飛行機が100ドルだったことも、納得材料だった。
チェックインする際に6階まで階段を上らなくてはならないホテルだったが、いろいろお世話になって、記憶に残った宿泊だった。
(追記)帰国後、あらためてよく調べたら、ドウシャンべからペンジケントまで、バス便があったようです。
ドウシャンべ市街の西の外れにある「アジアン エクスプレス ターミナル」というバスターミナルから。
ただ、時刻なんかが出てないから、お昼までにペンジケントに入って、ペンジケントの半日観光を狙っていた私には無理な行程だったと思う。
うわさによれば、バス代は70〜80ソモニ程度で1,200円くらい。
つまり私は、バスの15倍の運賃を支払って、専用車をチャーターしたわけです。
ま・・・いいでしょ・・・時間を買ったと思えば(^ ^)
ランクルの助手席でスタート
そして、翌日の朝。
ホテル前で待ってたら少し遅れて、フロント嬢の彼(たぶん)がやってきた。
クルマはランドクルーザー。
正直、こんな高級車で来るとは思ってなかった、びっくり。
お互いの共通言語がないので、その彼は黙ってスタートさせます。
タジキスタンのpopがなかなかいい響き。
まず、ガソリンスタンドに寄ります。
あれが1リットルあたりのガソリンだとすると、1ソモニ16円で160円前後。
日本とそんなに変わらないかな。
クルマには、ガソリンがまだけっこう入ってた。
だから、私の負担は少なく、少しだけこの彼に感謝。
郊外に向けて走るランクル。迫り来る原発・・・かな。
バイクのヘルメット着用義務はないらしい。
ドウシャンべの街は小さい。
少し走っただけで、すぐに郊外へ。
料金所を通って、これから山越えのハイウエイのようです。
いきなり迫ってくる、ごつごつした岩山。
うわー、シルクロードの旅に向かってる気分満点^ ^
なんの関所か、けっこうな頻度で現れる料金所のゲート。
道路の保守も大変なんだろうね。落石なんかもありそうだし。
ていうか、ここで落石なんか起きたら、もうアウト。
まだ、付近に民家などあるみたいです。
兄さん、安全運転でいいのに。
こんなブランドコーナーで、追い抜きをかけないでほしい。
ちゃんと、ガソリンスタンドも点在してました。
この道は、ドウシャンべからペンジケントへ向かうだけでなく、そのまま北上すればタシケントやキルギスに至る主要な道。
だから、交通量は多いです。
しかし、すごいところだよね。
道路を作るだけでも大変だったでしょう。
存在の意味がわからないトンネル。
峠の方から下りてきたカウボウイ。
道の両側はますます険しくなります。
いま、標高どのくらいだろう?
でも、まもなく標高3,000m以上のアンザーブ峠です。