さて、無人島「大坵島」から帰って、時刻は11時。
日没まで、あと7時間。
こうなると、小さい島。7時間もあると時間を持て余す。
北竿がどのくらい小さいかというと、9.9㎢。
紀伊半島の南端の潮岬。そのすぐ東にある紀伊大島が9.47㎢だから、同じくらい。
北海道の天売島や焼尻島が、だいたい5㎢だから、7時間もあれば多すぎ、となるのもわかるでしょう(^ ^)
北竿郷で食べるチャーハン
しかも、バイクという足まであるので、とにかく気の向くままにツーリングをすることに。
まずは、港近くにあった神社でお参りしてから。
航海の安全なんだろうけど、ツーリングの安全もお願いします。
では、大坵島の玄関口だった橋仔村にさようなら。
では、ツーリング開始。
Eバイクでなく、ガソリンバイクだし、満タン返ししなくてよいと、女主人さんから言われてるので、すごく気がラク。
とりあえず、島の尾根を越えて、北竿郷という北竿の中心街まで来ました。
女主人さんが気にかけてくれた通り、島の道は急峻。
いろは坂なみの道路が、島の尾根を巻いていると言っても過言ではない。
バイクを止めた場所の目の前にあった寺院。馬祖では唯一の2階建寺院らしい。
その付近を散歩します。
南竿もそうだったけど、馬祖の産業は自然観光なんだよね。
したがって、日中の町は、ほんとに静まり返っています。
ちょうど、お昼近くなので、ランチでもと思ったけど、静まり返っているw
と思ったら、突然、扉が開いて「おいで、おいで」と呼んでくれたおばあさん。
台所に案内してくれて「なに食べる?」みたいに聞くので、思わず「チャーハン」。
美味しい卵チャーハンが出てきました。
中華圏はいいよな。
ご飯物が大好きな私としては、てきとうにチャーハンとか、魯肉飯とか、回鍋肉とかオーダーしておけば、熱々の美味しい料理が出てくるから。
馬祖最高峰の壁山から見下ろす北竿空港滑走路
では、腹ごしらえもすんだので、島の最高峰の展望台に行ってみますか。
バイクで登ること数分。
展望台に着いてバイクを止めると、なかなか興味をそそられる色彩のバスが通り抜けていきました。
さすがに、ここは人気の場所なのか、先客がいます。
標高298m。だから昨日の南竿の雲台山が248mだったから、そこより50m高い。
北竿郷の町が箱庭のよう。
それどころか、北竿空港の全景が手に入りました。
私も長く旅してる方だけど、地上から滑走路の全景を拝むのは初めてかも。
ここに、ブーン、とプロペラ機が着陸してきたら雰囲気満点なんだけど、1日数本しかないフライト。
待ってたからと言って、タイミングよく来るはずがないですね^ ^
滑走路の両サイドにビーチが広がっているのもユニーク。
そして、滑走路の向こうに島が見える。
島かと思ったら、陸続きなんだ。
どうやって行くのかな、と目で追ってみると、滑走路の下をトンネルで抜けるみたい。
ちょっと、行ってみようか。
なかなか楽しい絶景の壁山でした。
螺蚌山自然歩道は登山道
ほんとだ、滑走路の下がトンネルになってた。
そして、道路はビーチ沿いに。
11月の馬祖も、緯度は那覇とほぼ同じ。
だから、感覚的には泳げそう。誰もいないから、気持ちいいだろうな。
そして、ガンガン、バイクで登っていきます。
これは、道を間違えて、反対側の岬。
それでも、さっきの滑走路を反対側から見ることができました。
そう、さっき壁山の展望台から見たのはこれ。
日本語表記もあるということは、日本人も来ることあるのかな。
女主人さんは、「日本人はレア」と言ってたけど。
さて、バイクを止めて登ります。ほんとにこれはハイキングコースだ。
おおっと、検問? いや、誰もいなかった。
誰もいなかったから、入っていいんだろうと、短絡的に考えて踏み込んだけど、簡単に落下できる地形。
ほんとに気をつけないと、日本のハイキングコースのように考えてはいけない。
もし落ちたら、ずっと発見されないか、運が良ければ黒潮にのって日本に帰れるかもしれないけど。
そして、行く手に、なんとロッククライミングが現れました。
行く時は下り、だけど帰りは登らなくてはならない。
公共の遊歩道の途中に、ロッククライミングが含まれてるとは、笑える。
少し考えて自重しました。
山登りのプロじゃないし・・・そして、靴もビーサンだし。
周りに誰もいないし、なにかあったら、と考えてしまった会社員旅人の悲しい性。
でも、こんな地の果てのような景色に出会えただけでも貴重な体験。
11月の台湾海峡を吹き抜ける潮風を味わって、退散です。