駆け足でしたが、見るべきとこは見て、それなりに満足して、たどり着いた駅。
運転手と握手して別れます。チップを要求されましたが、色々無理を聞いてくれて、ありがとう。
もちろんお渡しします。
運転手の目には、私の行動ってどう映るのかな・・・
エコノミックアニマルもどきの高度経済成長時代ならいざ知らず、成熟しきった低成長日本において、時間のゆとりを楽しむことのない、この馬車馬のような行動・・
私に言わせれば、航空券の価格下落と円高がもたらした、特殊な環境の副産物。
誰も、好き好んで、こんな美しい国に3日しかいられない日程を組みません。
逆に、高度経済成長時代なら、その、たった3日の余暇が取得できなかったり、得られたとしても、対価として払う旅費がとんでもないことになっていただろう。
複雑で、野蛮で、理不尽な時代かもしれませんが、私は、現代の方がいい。
永遠の菩提樹や、輪廻を描いた遺跡を巡り、哲学っぽくなってしまった(笑)
アヌラーダプラ駅の風景
今回の旅は、この駅からコロンボまで列車で行って終わり。
旅の終わりを、しっかりと目に焼き付けましょう。
そう思って、2等車のチケットを奮発しました。
といっても、290ルピー(約203円)、3等が160ルピー(約112円)、これしか差がない。
これで、コロンボまでの200キロ以上の距離を乗れるんです。
時間も6時間くらいかかっちゃうんだけどね(笑)
欧米の旅行者も2等のチケットをゲットしている模様。
ホームが低くなく、日本の駅のようです。
ミネラルウオーターを買って、ホームで待ちます。
当然エアコンなんかないだろうな・・
定刻の10:50ころ、列車が入ってきました。
ここアヌラーダプラは始発駅ではなく、もっと北の方から来たようです。
がっしりとした機関車と、細く頼りないレールが不釣り合い(笑)
なんて、入線してくるスリランカの列車に気を取られていたら、席にありつけそうにないです。
うわー、コロンボまでの6時間、立ちんぼって勘弁してよ。
3等車に便乗? コロンボへ向けて出発
2等車は、欧米の旅行者と地元民で満席。
そりゃそうだ、あれしか料金に差がなかったら。でも、設備も、そんなに大差ないような気がする。
なので、私は、隣の3等車に入っていきました。3等車は、なぜかガラガラ。
列車に乗るのは、景色を見るのが目的で、2等車に乗ることが目的ではありません。
3等車から、ゆっくり景色を眺められるんだったら、それでよし。
3等車には、私と、ばあさんと、あと数人しか乗っていません。
エアコンも扇風機もなし。当然窓を開けられます。
それにしても貧弱なレール。ちゃんと、保守点検とかしてるんかいな。
ところで、列車がなかなか出発しません。あっというまに30分遅れ。
この列車のコロンボ着は、定刻なら16:30。3時間ぐらいは遅れても大丈夫なように目論んでますが、早くもその貯金を取り崩しはじめています。
しばらくすると、対向車が現れました。そして出発。約45分遅れ。
列車待ち合わせだったんですね。列車待ち合わせで、45分も待つかな・・・ と、日本の感覚で物事を考えてはいけないよね。
アヌラーダプラの駅名標。
昨夕、歩いて渡った踏切。
いよいよ列車の旅のはじまり、と思ったら、すぐに停車。
アヌラーダプラ ニュータウン。つまり新市街。ここにも駅があったんですね。
ここから、3等にも乗客がいっぱい乗ってきました。
乗客だけじゃなく、物売りも・・ 買え買え、と勧められますが、遠慮しておきます。
ほぼ満席の状態となった列車は、いよいよ本格的にコロンボに向かいます。
窓外の景色は、今のところ特に特徴なし。
駅ごとに停まっていきます。これは各駅停車なんだな。
駅では物売りが乗ってきます。
日本流にいえば車内販売なんでしょうが、途中の駅から乗ってきて、途中で降りています。
まあ、行商のようなものなんでしょう。
退屈そうな乗客たち。彼らにとっては、見慣れた風景。
私にとっては、彼らの営みも含めて、新鮮な光景です。
窓外に水田が現れます。
ベトナムの列車の車窓もこんな感じだったかな。
ところで、列車は、かなり揺れます。速度は、かなり遅いのに・・
横揺れがすごいんです。やっぱり、レールのメンテナンスしてないんじゃない?
でも、スピードが遅いので、窓から入ってくる風も適度。
のんびり、景色を楽しめます。
駅ごとに人も乗ってきます。みんな、どこへ行くのかな。今日は日曜日です。
実は私、ちょっぴり、ビクビクしながら乗っています(笑)
「~歩き方」によれば、3等のチケットで2等に乗るためには、差額を払えばいいようですが、2等のチケットで3等車には乗れないとのこと。
私が持ってるチケットは2等。
車掌さんが検札に来たら、追い出されるかな。黙認してくれるかな。
それとも、ルール違反として、罰金を要求されるかな(+_+)
でも、景色が見やすい、最上の席。
コロンボまでここにいたい。乗り心地は、恐ろしく悪いけど。
私に、好奇の目を向ける人たちもいません。
お昼頃の時間になって、乗客がランチを食べはじめました。
自分で持ち込んでる人もいれば、「車内販売」から買う人も。
私の前の席のこのご夫婦は、持ち込んだお弁当を食べ始めています。
右手だけで、ほんとに器用に食べられるもんですね。
インドなんかもそうらしいですが、基本的に食事は右手で。左手は不浄とされています。
カレーの香辛料の匂いが漂ってきます。3等車の旅は、あじがあります。
けっこう、いい匂いです(*^^)v
私は、ミネラルウオーターを飲みながら、カメラを片手に、窓外を見やります。
相変わらず、各駅に停まっていきます。
駅を出ると、列車の通過を待つ踏切。
風景は、ずっとこんな感じ。
乗り心地は、相変わらず最悪。お尻がちょっと痛くなってきました。
おっ、動物の姿も。
牛を飼ってるんですね。
景色が急に乾いたと思うと、
焼いてるんですね。煙も車内に入ります。これは、日本の田舎でも同じ。
また、途中駅。
また、動物。
菩提樹のような樹。
街が近づいた雰囲気。
マホ・ジャンクション駅。
文字通り、セイロン島の東海岸方面へ向かうためのジャンクション。
いろんな駅に停まります。79と1/2って、コロンボまでの距離かな。
シーギリアロックのような岩。
スリランカ列車の旅は、まだまだ続きます。