イスラム教の聖地メディナ&「預言者のモスク」で巡礼者の敬虔な姿に圧倒された話【サウジアラビア旅行記 #12】

砂漠の中を時速300kmで快調に飛ばしてきたハラマイン高速鉄道は、速度を落としメディナ駅の構内に進入しました。

ジェッダと同じように、素晴らしく立派なホーム。

さて、サウジアラビアのイスラム教第二の聖地メディナにやってきました。

はしゃぐな、というのが無理w

感動を禁じえません^ ^

メディナ駅のホームで余韻に浸る

列車を降りて、改札口へ向かう巡礼者。

私は最後尾のビジネスクラスで、ガラ空きだった。

でも実は、エコノミーには、けっこう客が乗っていたみたい。

精悍な顔の新幹線が並びます。

先頭車両、というか機関車のカラーリングにもいろいろあるみたいでした。

では、私も改札口へ。

なんか、特殊な設計が入ってそうな車止め。

とにかく、メディナに到着です。

メディナ駅でこれからの予定を整理する

繰り返すけど、そもそも近年まで観光ビザが発給されなかったサウジアラビア。

なかでもメッカ、メディナという2大聖地は、本来イスラム教徒しか入ることは許されていない。

ところが、時の流れにおいて、サウジアラビア政府は観光に事業注力。

そして、観光客受け入れとともに、聖地メディナに関しては制限つき(これが少々あいまいなのであるが)で非ムスリムの立ち入りを許可と発表した。

私は、この情報だけでメディナにやってきました。

「制限付き」というのが気になるが、ジェッダで出会ったお婆さんは「預言者のモスクは写真撮っても大丈夫なはずよ。中には入れないけど。」と言っていた。

YouTubeなどでも、「預言者のモスク」の映像が流れている。

「預言者のモスク」というのはメディナの象徴。

簡単に言えばイスラム教の創始者ムハンマドの墓がある非常に神聖なモスクであり、メディナを訪れるなら絶対に外せない場所。

だから、街に「入れない場所」はあるのかもしれないけど、「預言者のモスク」を眺めたり、写真撮ったりすることはできるんだろうな、という思いで新幹線に乗ってメディナにやってきたわけです。

この人たちは、間違いなく、「預言者のモスク」へ巡礼に向かわれる方々でしょう。

弾丸旅行者として49回目となる今回の旅。

でも、前述のように地球上においても相当に神聖な場所への訪れ。

当然、身体を包んでいる期待感や緊張感は、初めて味わう種類のもの。

そのメディナの町の郊外の新幹線駅に私はいる。

しばし、ベンチに座って、心を落ち着かせます。

たとえるなら・・・

大げさな表現でありながら、たとえるスケールが小さくて情けないが、攻略本なくロールプレイングゲームをプレイしていて、ひとつのマップをクリアして2つ目のマップの入り口に立った感じw

どこをどう通って、目的地に行けばいいんだろう・・・

どこに敵が隠れてるんだろう・・・

持ってるアイテムは、パスポートとお金とスマホのみ。

まとっている服は、そのクニに合わせ白装束。

これが吉と出るのか凶と出るのか、ゲームなら失敗してもリプレイすればよし。

しかし、これは私の生身の人生。

ほんとに大げさだけど、その時の心境はこんな感じでした(^ ^)

いちおう、スケジュールを再確認。

本日中にジェッダに帰る新幹線のチケットは予約済み。

21:30発と少々遅めなのは、「預言者のモスク」の夜の姿を見るため。

現在12時なので9時間ほど滞在時間があるが、どうも調べてみるとメディナ郊外の観光名所を循環するバスがあることが分かった。

このバスの発見は、私のような旅人の心理的障壁をかなり引き下げてくれる。

少なくとも観光客向けであることは明白であり、メディナがガチガチのムスリム共同体だけのエリアではない、ということが分かっただけでも安心だ。

だから、まずはメディナの町へ移動し、第一目的である「預言者のモスク」を見学し、その後「循環バス」に乗って郊外を観光。

夕方になって再度「預言者のモスク」を訪れ、夕暮れから夜のモスクを拝んだ後、ジェッダに戻る算段をたててました。

Uberでメディナの町へ向かう

さて、メディナの新幹線駅で、上記のような計算をして、駅前広場をのぞきます。

駅前広場を見る限り、神聖な町メディナの私設設察が待ち構えている雰囲気はなし。

振り返って、メディナ駅のできたばかりの駅舎を眺めます。

この素晴らしい駅舎の建設は、サウジアラビアの大手ゼネコン「ビン・ラディン」社が請け負ったらしいですが、この会社の創業者の息子の一人が、例の「ビン・ラディン」らしい・・・

ま、そんなことは、この際どうでもいいw

ていうか、警察はいるみたいだ・・・

それにしても暑い・・・気温は41度。

ところで、予想していた通り、駅前にはバスがありません。

そして、交渉が前提となるタクシーには乗りたくない。

ジェッダに続いて、Uberに頼ることにしました。

それにしても、Uberはほんとに便利だ。

あっという間に配車が完了します。

そしてクルマが来たと思ったら、客を駅へ乗せてきた車両。

「効率がよかった」と運転手も喜んでます(想像ですw)

新幹線駅から「預言者のモスク」までは約10km。

郊外の道をクルマは飛ばします。なんか、いろんなものを建設中。

聖地とはいっても、数十年前、いや二百年くらい前までは、たぶん一面の砂漠だったと思われます。

その砂漠を切り開くように開発された道路。

郊外にもモスクがあるんだ・・・循環バスが寄るかな。

そして「預言者のモスク」の前に到着です。

巡礼者の行進に圧倒される

クルマのドアを開ける瞬間、心臓の音が聞こえるほどの緊張感。

大丈夫か・・・いきなりラスボスの砦の前まで来ちゃったよw

しかも、大音響で祈りの声が響き渡っています。

そして、お祈りしている人々。

これ、絶対に、失礼があってはならないよ。

お祈りの時間だったんだ・・・だから、基本的に歩いている人間がいない。

とっさに隠れます。

いきなり、すごいところに来た。そんな感じです。

お祈りの時間が終わったのか、ムスリムの方々が立ち上がります。

前方に見えるのが「預言者のモスク」。ミナレットが際立ってる。

少しづつ勇気を出して、参道の真ん中へ。

すると、ざわめきとともに・・・

大勢の巡礼者が、モスクの中から出てきました。

身の置き場がない・・・あわてて、わきにどきます。

これはすごい・・・すごすぎる

たった今までお祈りをしていた、敬虔なイスラム教徒の皆さんの行列。

正直、圧倒されました。

自信に満ちた顔ばかり。

人生において、こんなに圧倒されたことはないかも。

この行列が延々と続きます。

メディナ到着早々に、ものすごい洗礼。ハンパではありません。

この聖地で、私はどのように行動しましょうか。

今回の5泊8日サウジアラビア&オマーン弾丸ひとり旅の全行程・旅費などのまとめはこちらです

動画はこちらです。