ルセ⇒ブカレスト 深夜の国境越えバス ブルガリアからルーマニアへ【ブルガリア旅行記 #17】

スマホのアラームが鳴る前に目がさめる。

現在1時半、未明というよりまだ深夜だ。

2時には起きなくてはいけない状況で、流石にもう二度寝はできない。

ベッドから起き上がって、チェックアウトの準備です。

真夜中のルセ・バスターミナル

深夜のホテルというのは不気味だ。

殺人現場から逃げ出す犯人のように、そろそろとフロントへ降りると、昨夜とは違う女性が椅子にもたれて眠ってる。

机の上にそっとキーを置いて、ホテルのドアを開けた。

ボリソバ大通りに立って、人っこ一人いない深夜のルセの街に敬礼。

そして、キャリーをゴロゴロ転がしてバスターミナルという安全地帯にかけ込みます。

さすがに怖い・・・日本だって、こんな時間に街をうろつくのは躊躇します。

ルセのバスターミナルは、24時間稼働らしい。

中に入ると、先客は3人ほど。

誰もいなかったら、かなりコワイ状況。物音ひとつしません。

時刻は、午前2時23分。

そもそも、なんでこんな時間にバスが出発するのだろう。

調べたところ、ルセからルーマニアのブカレストへ向かうバスが1日数本、そのうち朝ブカレストに着くバスが午前3時15分発だった。

これならば6時前後にブカレストに着き、ブカレストノルド駅を7時ごろ出る列車でブラショフに向かうことができる。そういう計算です。

目は完全に冴えて、眠気は感じない。

 

所在なげに座ってると、パーキングの方でエンジン音がしてバスが到着した模様。

数人がターミナルの中に入ってきて、そのうちの一人が

「失礼ですが、ブカレストに行かれますか?」と丁寧に聞いてきた。

そして、出発するから乗れという。

まだ2時半、予定時刻より45分も早い

チケットの販売数量はわかってるから早発でも問題ないということなのだろうか。

では、3時15分発をあてにして、これから来る乗客はどうなるんだろう。

やっぱり昨日のうちに買っておいてよかった・・

車内は、人種が入り乱れ、なんとなく異様な雰囲気・・

そこへ東洋人の私が入り込んだものだから、カオス度が増しました(^ ^)

このバスは、ルセが始発なのではなく、どこか遠い街から走ってきたようでした。

そして、バスは本当に発車しちゃいました。

チケットに書かれている時刻よりも40分も早いです。

念のため、運転席に出向き、このバスがブカレストに行くことをもう一度確認します。

バスで国境越え ブルガリアからルーマニアへ

バスが発車した後も、いちおうグーグルマップで行き先を確認するも、ちゃんとドナウ橋に向かってるので安心しました。

ほどなくバスは、橋の手前にある検問所のような場所を通過。

陸路での国境越えは7回目かな、何度経験してもときめくシーン。

陸路国境越えが、旅人にとってのアクセントであることは間違いないです。

ブルガリアを出国したバスは、ドナウ橋を駆け上ります。

さすがにドナウ川の川面は拝めませんでしたw

橋を渡り終えて、また検問。

今度はしばらく停車します。

ブルガリアもルーマニアも、ヨーロッパのいわゆるシェンゲン協定に加盟していません。

したがって、国境越えでしかるべきチェックが行われるはずです。

さて、乗り込んできた審査官は美しい女性でした。この時間の勤務、さすがに眠そうな顔をしています。

ところが、乗客ひとりひとりをチェックし、東洋人である私の姿を認めると、大きく目を見開いて、何度もパスポートの写真と顔を照合。

確かに、おとといから旅していて、東洋人の姿は皆無。

ルーマニアはウクライナと国境を接している国であるし、緊張が高まるのも無理ないのかも。

 

乗客全員のパスポートが回収され、返却されるときは車掌さんから。

しかし、なんちゅうスタンプの押し方だw

ルセからの出国はいいとして、これでルーマニア入国の証になるんだろうか。

 

とにかく、無事にルーマニアに入国できました。

ブルガリアの42ヵ国めについで、ルーマニアが43ヵ国めの渡航国となりました。

ま、周囲は真っ暗なので、ルーマニアに渡ったという実感は、今のところありません。

未明のブカレスト  アウトガラ・ミリタリに到着

暗闇の中をひたすら走り、バスはルーマニアの首都ブカレストのミリタリというアウトガラ(バスターミナル)に到着しました。

時刻は、ちょうど午前5時。これなら、ブカレストのノルド駅に6時くらいに行けるかな・・

ルーマニアにいるという実感はないですが、ルーマニアという国は、けっして治安はよろしくない。

早く、メトロの駅に逃げ込んだほうがよさそうです。

アウトガラというのはバスターミナルという意味らしいですが、そういえば、トルコでは「オトガル」とと呼んでいたことを思い出し、懐かしみます。

ミリタリとは、この辺りに軍の施設でもあるのでしょうか。

未明ではあるものの、人通りがまったくないわけではないのが救い。

慎重にグーグルマップをみながら、メトロの駅へ向かいます。

いちおう予習済みで、「地球の歩き方」にも、アウトガラ・ミリタリからメトロの「パチー駅」はすぐだ、とあります。

おや? パン屋さん。

なかなか美味しそうではありますが、まだルーマニアのお金を持っていませんw

このパン屋さんのすぐ隣にメトロの駅がありました。よかった、無事にたどり着けてホッとします。

クレジットカードで乗れるメトロ

これから、メトロを乗り継いで、ブカレストのターミナル駅ともいえる「ブカレスト・ノルド」駅に向かいます。

「ブカレスト・ノルド」は「ブカレスト北」駅とでも訳すのでしょう。

鉄道網の発達しているルーマニアにおいて、ブカレストの中心駅になります。

さて、ルーマニアについたばかりで、まだルーマニアのお金「レイ」を持っていません。

どうやって、地下鉄に乗りましょうか。

これも予習してきました。ルーマニアの地下鉄は、クレカをピッとやるだけで乗れてしまうんです。

メトロ3号線と1号線で「ブカレスト・ノルド」駅へ

「パチー」駅があるのはメトロの3号線。

これで「エロイロル」という駅まで行き、そこで1号線に乗り換えれば「ブカレスト・ノルド」駅に行けます。

エロイロルという駅は、パチーから4つ目。

こんな朝早くでも、10分間隔で運転しているブカレストのメトロ。

そして、ルーマニア人の姿もちらほら。

轟音をたてて、メトロがやってきました。

車内がきれいなブカレストの地下鉄。

そして、エロイロル駅で乗り換えです。

異国の地下鉄を乗り継いでいるという充実感。

1号線も未明からこの運転間隔。

乗客もけっこう乗ってます。

気をつけなくてはならないのは、列車が完全に止まる前にドアが開くこと。

そして、ドアが完全に閉まりきる前に発車すること。

ブルガリアもそうでした。

ガラ・デ・ノルド駅。

さて、鉄道駅はこっちかな。

時刻は午前6時前。ルセのホテルを出たのが午前2時。

4時間かけて、ブルガリアのルセから、ルーマニアの首都ブカレストに到着。

百戦錬磨の旅人からしたら当たり前のことかもしれませんが、私からしたら本日のミッション無事完了、そんな気分です(^ ^)

ルーマニアの旅がはじまりました。

今回のブルガリア&ルーマニア4泊7日ひとり旅の全行程・費用などはこちらです。