【奈良一人旅 #2】世界遺産「薬師寺」 創建1,300年の「凍れる音楽」東塔

さて、緊急事態宣言の解けた(2021年3月)首都圏を飛び出して、一路奈良の「西ノ京」にやってきました。

「西ノ京」にきたのは、薬師寺と唐招提寺という、奈良県の世界遺産を見学するため。

薬師寺が西ノ京駅から徒歩すぐならば、唐招提寺は薬師寺から徒歩数分という立地です。

「西ノ京」なんて、いかにも古都らしいひびき。

さて、その世界遺産「薬師寺」を歩いてみますか。

病気平癒の世界遺産「薬師寺」とは

「薬師寺」は、「薬」の文字からもわかるように、病気平癒、健康祈願の寺として、奈良時代中期、白鳳時代に創建された古い歴史を持ちます。

世界遺産にも登録されている「薬師寺」は、奈良時代には「南都七大寺」の一つでした。

すなわち、東大寺や法隆寺などと並び、朝廷の保護を受けていた大寺院です。

680年(天武9年)、天武天皇が病にみまわれた皇后の鵜野讃良(うののさらら、後の持統天皇)の平癒を祈願し、病から回復した持統天皇が「薬師寺」を完成させました。

創建時は藤原京(現在の橿原市)にありましたが、平城遷都(710年)にともない、現在の西ノ京に移転しています。

本尊に鎮座する薬師三尊像は、病気平癒の仏さま。

身体や心の健康を祈願する参拝客が、全国各地から訪れているようです。

 

「與楽門(よらくもん)」から入り食堂に対峙

「西ノ京」駅から歩くと、すぐに「薬師寺」の「與楽門(よらくもん)」に出ます。

薬師寺は、大きく「白鳳伽藍」と「玄奘三蔵院伽藍」の2つの区域にわかれてますが、右側が「白鳳伽藍」、左側が「玄奘三蔵院伽藍」です。

「薬師寺」のあと訪れる予定の「唐招提寺」は左手側なので、まずは「白鳳伽藍」から見学です。

ところで、「與楽門」は正門ではありません。

正門は、「西ノ京」駅からぐるりと回った「南門」。

「南門」側には駐車場もあり、クルマや観光バスで来る方は、正門の「南門」から入るのでしょうが、わざわざ遠回りするのも難なので、そのまま「與楽門」をくぐります。

門をくぐってすぐに現れるのが「食堂」。「じきどう」と読みます。

僧侶が食事をした建物です。

雨にぬれる参道が滑ってコワい・・

白鳳伽藍へ至る拝観通路上に、「金堂本尊」の台座の模型がありました。

創建当時より唯一残る「東塔」&地上で見る「水煙」

白鳳伽藍の中に入ると、真っ先に目に飛び込むのが「東塔」。

これは、「薬師寺」において、創建当時から残る唯一の建物。

五重の塔ならぬ六重の塔のように見えますが、これは三重の塔だそうです。

 

これが、有名な「凍れる音楽」ですか。

凡人の私には、そんな詩的な発想は浮かびません。

 

運よく、初層(1階のことかな?)の特別公開中だったので、塔の表に回ってみます。

1,300年前の建物、と聞いてもピンときませんが、さすが奈良。

京都より歴史が古い。(当たり前だ・・)

ところで、「凍れる音楽」とは、律動的な美しさを意味しているようです。

内部は、当然撮影禁止。

しかし、平成21年より大掛かりな修理に着手され、それが2021年3月に完了。

その際、東塔の最上部に君臨していた水煙が、地上へと降ろされました。

その「水煙」が、「西僧坊」で特別公開中で、写真撮影も可とのことなので、特別拝観料を払って寄ってみます。

こちらが、「西僧坊」内部の奥の部屋。この部屋だけが撮影可になっています。

これが、1300年ものあいだ、東塔のてっぺんで塔を護り続けていた「水煙」。

よくはわかりませんが、水煙は4枚からなり、24躰の飛天が透かし彫りされているとのこと。

それよりも、1300年もの間、雨ざらしになっていたにもかかわらず、原形をとどめているのがすごい。

東塔を支えていた柱の一部でしょうか。

雨中の白鳳伽藍の散策

雨の白鳳伽藍を歩きます。

本日は日曜日。

しかし、自粛と雨があいまって、拝観客はちらほらと見えるだけ。

金堂も大講堂も寂しそうに見えます。

1528年に焼失し、東塔の調査に基づいて再建された西塔。

薬師寺の白鳳伽藍において、桜の木はここだけでした。

金堂の裏手、というより表に回ると、お経の読み上げがはじまりました。

少なかった拝観客が集まります。

日本最古の禅堂「東院堂」

国宝にも指定されている「東院堂」。日本最古の禅堂とのこと。

吉備内親王が元明天皇の冥福を祈り発願されたもの。

973年に焼失し、1285年に再建されているため、鎌倉時代の建築様式が採用され、内部は土間ではなく板床である。

雨が激しくなってきましたが、お寺に雨は似合う。

土砂降りになってもいいと思う。

高昌国を偲ぶ玄奘三蔵院伽藍

では、いったん白鳳伽藍を出て、玄奘三蔵院伽藍へ向かいましょう。

白鳳伽藍からすぐですが、少し公道を歩きます。

元祖三蔵の中国を思わせる参道。

玄奘三蔵の遺徳顕彰のために建立された玄奘三蔵院伽藍。

中国から遠く日本にまで影響を与えるなんて、やはり玄奘三蔵は偉大な人です。

回廊から白鳳伽藍の東塔が見えました。

建立は、実は1991年と浅いもの。

しかし、玄奘三蔵の頂骨が祀られています。

そして、大唐西域壁画殿には、撮影は禁止でしたが、私も2年前に訪れた高昌故城の写真が飾ってありました。

高昌故城とは、三蔵がインドへの旅の際、仏教の説法を行った町。

それだけではなく、この高唱故城には、涙をそそるような、玄奘三蔵のエピソードがあります。

雨が降りそそぎ、とても静かな世界遺産「薬師寺」。

お寺歩きは、ギラギラの晴天ではなく、雨の日に限ると私は思いますが、いかがでしょうか。

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