さて、タイトル通りなんですが、当然、目が覚めたときは、そんなこと思いもよらず。
いつも通り、旅先での快適な目覚めで、レストランに足を運びます。
キューバから舞い戻り、5日ぶりに見るメキシコの風景。
すっごく、眺めのいいレストランじゃないですか!
早朝のソカロ散策
テラス越しに、ソカロが見えます。
ほんとに、街の中心セントロのホテルだったんだね。
昨夜の大雨がウソのように、晴れ上がってます。
しかし、寒い・・・ 朝起きて、寒いなんて、この旅ではじめて。
なんだこりゃ、この旅は、猛暑と戯れる旅だったはず。
それもそのはず。
メキシコ・シティは、標高2,200mを超す高原都市。
今も、気温は13度しかありません。Tシャツ1枚じゃ寒いわけだ。
あわてて部屋に帰って、バッグの奥底で眠ってた、エアコン効き過ぎ用のジャケットを羽織って、再度レストランに。
またまた、オムレツをオーダー。
どこを旅しても、ブレックファストには、オムレツが一番です。
食べ終えて、ベランダから眺める景色。
これ、テオティワカンのほうを見てるのかな。
旅の最後の1日。
ここソカロ近辺を歩いた後、ラテンアメリカ最大の遺跡、テオティワカンに行ってみようという気になります。
さっそくホテルを出て、恒例の早朝散歩。
早朝とはいっても、現在8時半。夜明けが7時過ぎのメキシコ・シティでは、早朝のほうになるのかな。
まずは、ソカロのほうへ。
ここでもオープントップバス。
スペイン語圏では定番のようですね。
威圧感たっぷりのカテドラル
メトロポリタン・カテドラルですね。この時間は、完全に逆光だ・・
メキシコのカトリック教会の総本山。中に入ってみました。
こちらは国立宮殿かな?
このあたりは学校も多く、朝早いですが、学生らしき人もいっぱい。
カテドラルを裏側から見ます。
これなら順光だ。
それにしても、すごい威圧感だよね。
コロニアルというより、コンキスタドール(征服者)そのもの。
あれ、ケバブなんて売ってる。
このカテドラル周辺で、寝そべってる人たちは、いったい何なんだろう?
国立宮殿は閉館中?それとも朝早いから?
少し離れて見ると、カテドラルは、さらに威圧感を増します。
この建物は何だろう?カテドラルの向いの建物。
ソカロでは、何か催しがはじまる気配。
なんか、今朝から警官が付近にいっぱいいて、よそよそしい雰囲気だったんですが、イベントのせいかな。
ひょっとして、ワールドカップにメキシコが出るとか。
サッカー音痴なので、全くわかりません。
ソカロから、東に歩きます。
どこか、ブエノスアイレスに似てるような気がする。
ゴミを運ぶ少年と、ゴミ運搬車。
彼らが頑張ってるから、路上には、ゴミひとつ落ちていません。
ホントにきれいなとおりです。
今回の旅で、はじめて、熱気に包まれることのない、涼しい朝・・
賄賂警官現る 一瞬にして奪われた3000ペソ
歩いていたら、こんなお店を見つけました。
私は、思わず、「Is there a Walkman connector?」
英語では当然通じず、メモ帳にコネクターの絵を描きます。
すると、店員は、メリダのときと同じく、一瞬で理解してくれ、ゴソゴソさがしはじめましたが、なし・・・
でも、その店員は、親切にも、向こう側のビルに、いっぱい店があるよ、と教えてくれました。
さっそく行ってみます。
完全にあきらめていた、コネクターが手に入れば、「音なし」の旅から「音を伴った」旅に進化できます。
言われた場所は、ちょうど、メトロの「San Juan de Letran」駅のすぐ目の前。
それこそ、秋葉原のように、マニアックな電器屋が立ち並ぶ電気街のようになっていました。
その1件目で、さっき描いたコネクターを見せると、すぐに、「これかい?」と棚から取り出しました。
手に入りました! ウォークマンのコネクター!
さすが、メキシコ・シティ!
その店員に、何度も感謝して200ペソ(1,100円)を払いました。
いや~、よかったあ~・・・
これで、メキシコから帰国する飛行機の中でも音楽が聴ける。
いや、これから向う、テオティワカンへのバスの中でも聴ける。
正直、涙が出るほど嬉しくなり、天使のように見えたこのお店を、記念に写真に撮りました。
次の瞬間です・・・
警官が、ふっと現れ、私の腕をつかみ、なにやら言います。「ちょっと、来い。」と言ってるのでしょうか?
若干拒んでると、あと2人警官が現れ、3人の警官に、建物のすみに連れて行かれました。
そして、私のカメラを指差し、「Show me!」
上の電器店の画像を確認した警官は、大きく手を開き、スペイン語でなにやら言います。
わたしがスペイン語を全然理解しないとわかると、警官のスマホの翻訳アプリになにやら入力し、日本語に変換して、私に見せました。
そこには、
「あなたのやったことは犯罪です。」と表示されており、
私が「Why?」と聞くと、またアプリで、
「メキシコでは、ビジネスを撮影してはいけない法律になっています。」と、表示された画面を見せられました。
私があわてて、「ぺルドン!」といい、画像を消そうとすると、「まあ、あわてるな」みたいに私の腕をつかみます。
そして、
「あなたには、2つの選択肢があります。刑務所に行くか、公務員に税金を払うか。」
3人の警官は、表向きは平静な表情をしていますが、角に押し込まれた私の退路を完全に断っています。
おまけに、これ見よがしに手錠まで見せつけてくる・・
と、ここまでは、あっという間の出来事でした。正直、何も考える間もなかったです。
時間がたってきて、ようやく私も頭を回転させはじめましたが、建物の中で写真を撮ったことを咎めていて、消したところでどうにもなるものでない、といった感覚は伝わってきます。
落ち着いていられたのは、警官の方も、暴力を振るうつもりはなさそうだったこと。
なので私は、警官のアプリを借りて、
「私は、この国の法律を知りませんでした。どうしたらよいですか?」と、聞くと、
「刑務所に行きたくないなら、3,000ペソの税金を払いなさい。」と、見せてきました。
「近くに、ATMはありますか?」と、私が聞くと、警官3人は、」ようやく柔和な顔になって、建物の2階に私を連れて行き、ATMの前へ。
そこで、私はATMを操作し、1回の引出し金額が2,000ペソまでだったので、2回に分けて3,000ペソを警官に渡しました。これです↓
3人の警官から解放されたあと、私は、しばし呆然・・
自分の身に起きたことが信じられませんでした。
しばらく経ってから、事態を理解し、自分は、警官賄賂攻撃にあったのだと、悟りました。
大使館に連れて行ってくれ、とか、抵抗する方法もあったんでしょうが、わたしには、情けないことにそんな余裕はなし。3人に囲まれて、手錠をジャラジャラさせてるんですから・・
3,000ペソという、支払い可能レベルの賄賂の提示も、計算してのことでしょう。
とりあえず、ホテルに戻ります。
だんだん気持ちが落ち着いてきて、逆に腹が立ってきましたが、ここは冷静に
浮かれてスキを見せてはいけないよな、と考えることにしました。
今日も、イベントやらなにかで、メキシコ・シティの街は、警官でごったがえしています。
ビジネスを撮影してはいけないという法律がほんとにあるかどうかは知りませんが、建物の内部で、しかも一眼レフで撮影したことで、警官に対して、つけいる口実を与えてしまったということなんでしょう。
私は、写真の撮影には十分気をつけていたつもりですが、ウォークマンのコネクターが見つかったことで小躍りし、油断があったことは否めません。
いい反省材料ができました。
ホテルに着くころには、
(公務員への税金? つまり賄賂ってことでしょ。もう少しうまく変換しろよ)とか、
(3,000ペソって、1人1,000ペソってこと? そんなに生活厳しいのかい)
などと、考える余裕も生まれてきました。
そもそも、撮影した画像を消させてないところが、公務ではなく賄賂要求であることを物語っています。
こういう事を平然とやる、人間以下の警官のことなど忘れてしまいましょう。
せいぜい、これからも恐喝を続けて、自分の人生を犯罪で染め上げてください。
悪徳警官にはやられましたが、あのショップには、助かりました。
さっそく、コンセントに繋いで充電。よかった、よかった。
旅は、あと半日しかありません。
気を取り直して、テオティワカンの遺跡を見てくることにします。