泉涌寺を出て、時計を見ます。
現在10時半。12時半ごろの新幹線には乗りたいので、回れてもあと2箇所ぐらいでしょう。
泉涌寺の別院である雲龍院に急ぎます。
真言宗 泉涌寺派 別格本山の「雲龍院」
御寺泉涌寺の別格本山である「雲龍院」は、後光厳天皇によって、1372年に創建された寺。
皇室ゆかりの泉涌寺の別院であるがゆえに、皇室とも縁深く、霊明殿には歴代の御尊牌が奉安されています。
小銭がなくなってしまい、1万円札を差し出しての拝観でしたが、社の方は、こころよく招きいれてくれました。
蓮華の間・雪見障子からのぞむ「しきしの景色」
さて、書院にあがると、いきなり登場するのが「蓮華の間」。
真っ白な「雪見障子」には、四つの窓が設えられ、四枚の異なる絵を楽しむことができます。
なるほど・・
各窓からは、椿、灯篭、紅葉、松を眺められるようですが、この窓は「松」かな。
これは「灯篭」ですね。雪の時期にも来てみたい、そう思いました。
霊明殿と石灯篭
回廊を進むと、歴代の御尊牌が奉安されている「霊明殿」。
内部は撮影禁止ですが、霊明殿の前庭に石灯篭が凛々しく立っています。
この石灯篭は、徳川慶喜が寄進したもの。
元々、孝明天皇の陵にあったものを、幕末の混乱期に薩摩藩が放り投げられたといういわくつきの石灯篭のようです。
大輪の間・悟りの間から眺める庭園
霊明殿から本堂の回廊をぐるりと回って、こちらが「大輪の間」。
「雲龍院」の見どころは、さきほどの「蓮華の間」の「雪見障子」もそうですが、各書院から眺める庭園でしょう。
紅葉は、ほぼ終了していますが、落ち着いたたたずまいを味わうことができます。
そして、こちらが「悟りの間」。
たしかに、悟りを開くにふさわしい静けさです。
「悟りの間」には、心を清められる2つの窓があります。
こちらが「迷いの窓」。
この四角い「迷いの窓」は、人生における「生老病死四苦八苦」を象徴しています。
丸い窓は「悟りの窓」。
この真円は、禅における悟りの境地を表しています。四季により、見える景色が変わるというのも悟りの世界でしょうか。
いろいろな観点で悟りを見つけられる「悟りの間」。
京都サスペンスの女王「山村美紗」さんのお墓も、このあたりにあるそうです。
京都駅から、歩いても来られる距離なのに、悟りにふさわしい静けさの「雲龍院」です。
途中からは、時計を見ながらの駆け足拝観でしたが、皇室ゆかりの「雲龍院」の格式を感じることができました。
では、次は、この京都旅最後の訪問地とする「今熊野観音寺」へ向かいましょう。