【晩秋の京都一人旅#26】「泉涌寺」 楊貴妃にも会える皇室ゆかりの御寺

燃えるような「東福寺」の紅葉を堪能し、本日の行動の目的の大半を消化した気分ですが、本日は京都一人旅の最終日。

すでに2日も会社を休んでいる(もちろん無断ではないです)ので、今日は昼頃の新幹線で帰京し、明日の仕事の準備をする必要があります。

まったくもって社蓄のような行動ですが「東福寺」を出たところで、現在9時半。

あと、数箇所の寺院を回れそうですね。

まずは、皇室ゆかりの御寺として名高い「泉涌寺」へ参りましょう。

 

話はそれますが、昨今、フリーランスのような働き方が注目され、私のようなサラリーマン家業は時代遅れとする風潮があるように感じますが、私はまったくそうは思いません。

サラリーマンとして会社に労務契約してもらうことで、どれほどの安心と安定が手に入っていることか。

コミュニケーション能力があれば、会社勤めでもいくらでも自分を成長させられるし、自由な時間も手に入ります。

その限られた自由な時間を、効率よく上手に使おうとするから、「弾丸一人旅」のような発想が生まれ、旅の楽しみ方のひとつになり得ると思うのですが、いかがでしょうか。

 

「泉涌寺」総門からの長い参道

「東福寺」から歩くこと約15分。

「泉涌寺」の総門にたどり着きます。

ここから「泉涌寺」の境内となるわけですが、はっきり言って「泉涌寺」の境内は異常なほど広いです。

その広い境内を大門に通ずる参道を歩きます。

あとで寄ろうと思っている「今熊野神社」。これも「泉涌寺」の塔頭なんですね。

 

登り坂をけっこう歩いて、ようやく重要文化財に指定されている大門につきました。

入り口における大門は、京都御所にあった門を移築したものです。

「御寺・泉涌寺」。

皇室との関係が深いことから「泉涌寺」は、「御寺(みてら)」とも呼ばれ、日本で唯一、皇室の菩提寺に与えられた名前となっています。

鎌倉時代の四条天皇から江戸時代の孝明天皇まで、歴代の御陵が39もあるとのこと。

そんな由緒正しい「泉涌寺」に入ってみましょう。

美人祈願の女性参拝者に人気「楊貴妃観音堂」

大門をくぐると、本堂が下の方に少し姿を現します。

この、下り坂の参道を「下り参道」と呼ぶそうですが、それよりも、さっそく左手に見逃せないポイントがあります。

楊貴妃観音堂です。

けっして、あの楊貴妃が来日したわけではなく、中国にわたった湛海律師が南宋から持ってきた木像らしいです。

その木像の面容はとても美しく、玄宗皇帝が亡き楊貴妃の面影を写させたと伝わり、江戸時代初め頃から「楊貴妃観音像」と呼ばれ信仰されているとのこと。

その木像は残念ながら撮影禁止でしたが、とても穏やかな表情。

美人祈願の観音様として、そのご利益に訪れる女性も多いらしいですが、うなずけます。

こちらは、誰が描いたものかわかりませんが、やはり楊貴妃でしょう。

それにしても、京都で楊貴妃に出会うとは思わなかったな・・

いかん、中国の西安、また行きたくなってきてしまった(笑)

 

需要文化財 仏殿・舎利殿

では「下り参道」を下って、仏殿と対面です。どこか威圧感を感じるたたずまいです。

 

この仏殿は重要文化財。

応仁の乱で焼失したのち、四代将軍徳川家綱によって1668年に再建された本堂です。

本格的な唐様建築(禅宗様式)の特徴を完備した国の代表作とのこと。

「泉涌寺」の境内は広いので、確認しながら進みます。

仏殿の奥にあるのは舎利殿のようです。

こちらが舎利殿ですね。

天井いっぱいに、狩野山雪の描いた「雲龍図」が掲げられているようですが、残念ながら非公開。

龍の目を見ながら手をたたくと、不思議な音が響く「鳴き龍」という仕組みが施され、辰年のときだけ特別公開されるとのこと。

おお、12年に1回ですか・・

 

仏殿の威圧感に圧倒され、先へ進んでしまいそうですが、その仏殿のわきに、ひっそりと佇んでいるのが「泉涌水屋形」。

こちらはまさに、「泉涌寺」の名前の由来となった名泉です。

境内の一角から涌き出た清水は、今も尽きることなく境内を潤しています。

大伽藍が造営されていた1218年には泉が涌いていたとのことですから、かれこれ800年以上も涌き続けているということですか。

皇族専用の勅使門をくぐると「御座所庭園」のある本坊です。

皇室しかくぐってはいけないはずなのに、私が通ってよいのだろうか。

皇室の休憩所「御座所庭園」

本坊も威厳のある造り。

威圧感を感じるのは、やはり、皇室ゆかりの寺院と思い込んで拝観しているからだろうか。

 

せっかく「泉涌寺」まで来たんです。

特別拝観料300円を払って、庭園を見学します。

両陛下をはじめ、皇族方の御陵御参詣の際の休憩所として現在も使われている御座所。

ここでお茶でも楽しんだりされるのかな。

そして、こちらが「御座所庭園」。

京都では、最も早く紅葉が色づく場所らしい。

なので、12月の本日は、散り紅葉を楽しむにとどまります。

見れば見るほど、皇室にふさわしい庭園に見えてくるから不思議です。

石の置き方や、さつきの刈りかたなど、それぞれに格式が込められているのでしょう。

 

それにしても、「東福寺」の賑わいが信じられないくらいに、皇室ゆかりの「泉涌寺」を独占でした。

さて、次は、「泉涌寺」の別院「雲龍院」をたずねてみましょう。

今回の「晩秋の京都5日間一人旅」の全行程はこちらです。