さて、「湯どうふ」でお腹が満たされたところで、時刻は16時。
嵐山の寺院は、だいたい17時前後に閉館となります。急ぎましょう。
美しい苔に覆われた草庵「祇王寺」
嵯峨野でも、美しい苔に覆われた庭で知られる「祇王寺」。
門の屋根も草で覆われています。
平家物語の舞台でもあるようです。
平家物語に登場する悲劇のヒロイン祇王ゆかり。
平清盛より京を追い出され、その祇王が母と妹とともに余生を過ごした尼寺が、この祇王寺です。
境内に入るなり、広がるまばゆいほどの苔。
夕暮れで、陽の光も淡くなっているのですが、それを跳ね返す苔の照射力。
しかし、そもそも苔は陽の光に弱いと聞きます。直射日光は当たらないほうがいいようですね。
掛け値なしに、これほど素晴らしい苔の広がりをみたのは初めてです。
ところどころ茶色く変色しているのは、枯れてしまったあとだとか。
境内の背後には、竹林が迫ります。
何種類もの苔が生息しているようです。植物研究者なら、目を輝かせるかも。
こんなところで過ごしたら、輪廻転生について考えはじめるんだろうか。
そうやって、宗教はうまれたんですもんね。
長くは「祇王寺」にとどまっていられません。
次の目的地「二尊院」へ。
新緑も美しい紅葉の馬場「二尊院」
さて、つづいて、秋には「紅葉の馬場」と呼ばれる名所になる「二尊院」。
「祇王寺」からは、自転車ですぐ。徒歩でも10分くらいでしょうか。
さきほどの「祇王寺」より長く、広く、そして、閉館が16時半と少し早い。
料金を払いながら、巫女さんが「帰られるときに門が閉まってたら、こちらからどうぞ」と案内してくれます。
ここが参道の入り口。
おお、これはたしかに「紅葉の馬場」になりそうです。秋に来たら、ほんとにすごいことに。
でも、新緑の緑のトンネルも負けてませんね。
参道の両サイドには「祇王寺」に勝るとも劣らない苔と石垣が。
二尊院は、百人一首を編んだ藤原定家の小倉山荘があった場所の1つ。
したがって、境内には多くの歌碑が供えられています。
本堂にあがります。靴を脱ぐと、細かい砂利がこぼれてきました。
そうだ、靴に大穴が開いていたんだ(笑)
枯山水庭園。縁側に座ってのんびりと鑑賞したいところですが、閉館時刻も迫ってます。
本日訪れた「仁和寺」や「龍安寺」の庭園も素晴らしいですが、こじんまりとした庭も、民家の軒先のようで落ち着きます。
気温的には蒸し暑さを感じても不思議でないのに、なぜか爽やかさを感じる本堂の廊下。
さて、16時半、閉館時刻です。
自転車を返す前に、もう一箇所くらい回りたいな。