羽田の搭乗から、シンガポールのラウンジで休憩を経て、ジョグジャまで、まったりとした時間が流れてましたが、いきなり静から動。
ジョグジャ空港から「ネオ マリオボロ」ホテルへ
空港の敷地内を出ると、とたんに、すごい喧騒とともに、クルマとバイクが無秩序に行き交う世界へ。
この空港は、ほんとに郊外にあるわけではないんですね。
市街に近づけば近づくほど、その数は増えます。今日は平日だもんね。
空港から15分ほどで、街の中心あたりまで来ました。
そして、これが2泊お世話になる「ネオ マリオボロ」ホテル。
文字通り、ジョグジャの繁華街「マリオボロ」に近接しています。
とりあえず、ホテルに荷物を預けます。
現在11時。今日の予定は、世界遺産プランバナンを見に行くこと。
実は、このプランバナン、空港に近い位置にあります。
なので、空港からホテルへ直行せず、プランバナンを見てからホテルへ、という手もあったんですが、背中の荷物を預ける場所がないだろうと案じて、いったんホテルまで来ました。
で、ホテルのスタッフに、「プランバナンに行きたい。トランスジョグジャで。」と言うと、親切そうなスタッフは、「よくわかった」とうなずいて、地図をくれました。
このネオ・マリオボロ ホテルは、鉄道駅のすぐ近く。そして、マリオボロ通りのすぐ近く。
左の丸がホテルで、トランスジョグジャの乗り場が右の丸、と丁寧に教えてくれました。
右の丸から、赤線を下の方に向かって伸ばしてますが、これが、ジョグジャきっての繁華街、マリオボロ通りです。
トランスジョグジャの乗り心地
ちなみに、トランスジョグジャとは、ジョグジャ市内を縦横に走り回るクーラー付きバスのこと。
これが、空港や、プランバナンといった遺跡にまで足を伸ばしているそうです。
ホテルを出て、地図の通りに歩きますが、ほんとにすぐ、「マリオボロ通り」」に出ました。
ちょうど、そこへ、トランスジョグジャが。次の便は、すぐ来るかな?
マリオボロ通りを、ほんの少し南へ下ると、トランスジョグジャのバス停がありました。
地元の人たちは、ICカードで決済するようですが、私は「プランバナン」と行先を告げて、お金を払い、バス停の中に入ります。
プランバナンまで3,500ルピア。
うまく聞き取れないうえに、まだこの国の物価が分かっていません。100,000ルピア紙幣や10,000ルピア紙幣を色々出しながら、ようやく支払えました。
ちなみに、この写真では角度的に見えない位置にいるお姉さんに、その慌てた仕草を大笑いされました(*^^)v
3,500ルピアは29円です。トランスジョグジャに乗るのに、デカい紙幣はいらないんですね。
プランバナン行きは「1A」に乗る必要があり、待つほどもなく来たバスに乗り込みます。
このところ、暑い国ばかり旅してますが、エアコンバスは初めてかな。
ベトナム、スリランカ、エジプトでは、出会わなかったですね。
ちなみに、緑色のアロハシャツのようなものを着ているお兄さんが車掌さんです。
バス停に停まるつど乗客が増えて、車内は満員に。
そして、それまで座っていた青年たちは、老人に席を譲るではありませんか。
私も見習って、立つことにします。
あれが、ICの装置ですね。
満員のバスの中で、一眼レフを提げていても、好奇の目で見る人はいません。
さすが、観光都市ジョグジャ。なにが、さすがなんだか(笑)
このトランスジョグジャ「1A」。
空港にも寄って、約1時間かけてプランバナンの入り口に到着。
「ベチャ」の乗り心地
さて、どちらの方角が遺跡の入り口でしょうか。
プランバナンの遺跡は大きいので、バスターミナルから見えるかなとも思ってましたが、見えません。
思案していると、「ベチャ」乗りに声をかけられます。
「ベチャ」とは、自転車に荷台が着いた自転車タクシーのことで、いわゆる観光用乗り物とかではなく、庶民の足になっているようです。
相場も知りたかったので「いくら?」と聞くと「20,000ルピア(160円)」
高いのか安いのかわからなかったけど、「15,000ルピア」では?」というと「OK」
乗ってみると、断然ラクです。
荷台は自転車の前についているので、こんな視界になります。
バスターミナルから遺跡の入り口まで、何気に距離あるなあ。
ベチャ利用してよかった。
ベチャは、ふつうにクルマと一緒の道を走ります。
公道を逆走する瞬間は、手に汗握ります
壮大なプランバナン寺院群
そして、遺跡の入り口(ていうか出口?)に到着。
入り口とおぼしき建物の方へ。
まだ、プランバナンの姿は見えません。
外国人用の窓口でチケットを購入。
ヒンズー教の聖地なので、地元の人もけっこう訪れるとのこと。
325,000ルピア(約2,700円)
いきなりの高い買い物です。でも、世界遺産だし、メンテナンスも大変だろうから。
入っていくと、おお、見えました。
すごいスケール。
ここジョグジャは南半球。太陽が北から射します。
とは言っても、感覚的には真上から照りつけるって感じ。
気温も30℃は超えてるんでしょうけど、爽やかだしそんなに暑くは感じません。
エジプトの異常な猛暑で慣れちゃったかな(笑)
中に入りましょう。
圧巻のロロ・ジョングラン
しかし、すごいね。よくこんなものを造ったものです。
プランバナン寺院群は、これも含めて、広い地域を指しますが、この寺院はロロ・ジョングランというそうです。
日陰で涼む人。
お昼を過ぎて、観光客が続々と押し寄せています。
欧米人もいるけど、ほとんどは中国人かな。
ヒンズー教最大ともいわれるプランバナン寺院群のロロ・ジョングラン。
なかでも、主堂シヴァ神殿は高さ47mもあって圧巻そのものです。
ロロ・ジョングランとは王女の名前?
建立は856年と推定されているとのこと。日本がまだ、遣唐使を派遣していたころですね。
建立された9世紀当時。このジャワ島において、北部は仏教のシャイレンドラ王朝、南部はヒンズー教のサンジャヤ王朝によって支配されていた。
この二つの国は、王族同士の婚姻ということもあったが、宗教の垣根を超えて、友好的に交流していたとのこと。
まさに、戦争がなく平和である「ジョグジャ」にふさわしいルーツですね。
建物の上にも登ってみます。
整然としたたたずまいを見せていますが、度重なる地震で、けっこう破壊されてしまったらしい。
神秘的というか、幾何学的というか・・・
ちょうど太陽が真上。影が短いです。
石を積み上げただけ? 地震がきたら厳しいよね。
2006年のジャワ島を襲った地震の際も、甚大な被害を受けた模様。
復旧には、日本も協力しているそうです。
内部にも、像がまつられています。
これは違うと思うんだけど、ロロ・ジョングランが石にかえられた像があるそう。
求婚を強引に迫った巨大な男がやったらしい。
レリーフも、しっかり残ってますね。
じっくり見ていくと、1時間や2時間じゃ、見きれないですね。
爆音が響いたかと思うと、上空に飛行機が。
プランバナン寺院は、さきほど降り立ったアディスチプト空港のすぐそばです。
古代の遺跡と文明の利器。
さて、そろそろ引き上げますか。
出口で振り返ります。ロロ・ジョングラン、すごかったです。
ロロ・ジョングランだけでなく、プランバナン寺院は広い。
レンタサイクルでプランバナン寺院を一回り
久しぶりに自転車でも借りてみますか。
寺院の北端には、セウ寺院があります。そこに行ってみましょう。
レンタサイクルは半年前のベトナム以来。
借りる人は少ないよう。中国人のグループも、そのまま帰っちゃったみたいだし。
30分で10,000ルピア(83円)。
こりゃ、あんまり遠くはいけないね。セウ寺院だけにしておきましょう。
ちゃんと、サイクリングコースがあります。
それと、復旧工事にいそしむ人々。
やっぱり、異国の地を風切って走るって、気持ちいいね。
セウ寺院が見えてきました。
周囲には瓦礫が。
これ、壊れちゃったってことでしょ・・・ 悲惨すぎる。
こりゃ、修復は並大抵のことじゃないですね。
ノドが渇いたのでポカリ。10,000ルピア(83円)でした。
さて、自転車も返しおわりました。
時刻は15時になろうかというところ。3時間もいちゃいました。
すごい寺院でした。見に来てよかった。
では、ロロ・ジョングラン、さようなら。