去年、香港に家族で来たときに、タクシーで登ったビクトリア・ピーク。
「~歩き方」でいろいろ調べると、ビクトリア・ピークには、歩いて登る方法があるらしい。
これは、面白そうだ、というわけで、今回の旅は、実はこれをメインイベントとして、香港にやってきました。
早起きして香港島へ
あまり暑くないはずの早朝に敢行しようと、スマホの目覚ましを5時半にかけて起床です。
登頂に要する時間を1時間半として、ホテルのチェックアウト時刻11時までには帰ってこれるだろうという計算です。
さて、午前6時のチョンキンマンション。当たり前ですが、みんな眠っています。
尖沙咀駅の入り口付近も、昨夜の雑踏がウソのようです。
ビクトリア・ピークは、香港島。なので香港島に渡ります。
そして、ビクトリア・ピークへの登山道入り口まではバスで行く予定。
中環行きの地下鉄は、なぜか満員。
乗客はほとんど、中環の手前の駅、金鐘で降りていきました。
今日は日曜日の朝。何かあるのかな。あるいはアイランドラインに乗換えとか。
中環駅は、大掃除でもしたかのように人がいません。
中環駅 13番バスでビクトリアピーク登山道入り口へ
中環駅のJ3出口から地上に出ると、この風景。和平記念碑が目の前にあります。
目指すバス停は、右に見える建物、香港大會堂の横にあります。
間には、千諾道が走っているので、渡るのにはちょっと注意を要します。
目指すバスは13番バス。
よかった、すぐに見つかりました。
これに乗って、終点まで行けば、ピークへの登山道入り口があるようです。
週末でも15分間隔ですか。6:30のが行ってしまったため、6:46に乗りましょう。
香港島には、マンダリンオリエンタルとか、私には全く無縁なホテルや企業がいっぱい。
彼らには、風景の一部として、私の目を楽しませてくれれば、それでいいです。
定刻より早くバスは発車。
バスは金融街を回った後、一気に坂を登りはじめます。
克頓道(ハットンロード)から登りはじめます
そして、曲がりくねった坂道を走ること約20分。克頓道という終点に到着。
ここが、ビクトリア・ピークへのトレールコースの起点にあたります。
さて、この後、どうすればよいのか・・・
あれは乗ってきたバス。折り返しの準備中。
地図を見ても、よくわからない・・
でも、克頓道(ハットンロード)と書いてあるから、こっちでいいんでしょう。
登山道というよりふつうの道を登りはじめると、いきなり看板が。
ここから、2,800mということですね。
すぐに休憩所がありました。
いくらなんでも早過ぎない? まだ、歩きはじめて5分もたっていません。
あ、でも、トイレがあるし、これから登る人の体調準備かな。
最初は見かけませんでしたが、登る人けっこういます。どこまで行くのかはわからないけど。
だんだん登山道のような雰囲気になってきました。
ちなみに私は、どんどん抜かれています。
さっきの休憩所。
小鳥のさえずりがすごいです。
こうやって、自然と触れ合うのも久しぶりだな~。
けっこう急な坂です。
それでも走ってる人もいます。
時折、木々のすきまから姿を見せるビル群。
風も吹いてきて気持ちいい(^^)v
降りる人とすれ違い。
毎日の日課なんだろうか。走ってる人は、現地の香港人に加え、欧米系、マレー系と多種多様です。
だいぶ登ってきましたが、ビクトリア・ピークの標高は522m。まだまだです。
おや、犬が一生懸命登ってますよ。
犬にしても重労働なんでしょうか。息をあえぎながら、がんばってます。
ようやく、3分の1。
けっこうきつい坂です。さすがに疲れてきました。
朝、ちゃんと食べてくればよかった。
でも、早朝を選んだのは正解だね。
そんなに暑くもなく、心地よい風が吹き抜けて、汗を乾かしてくれます。
たまに道が分かれて緊張しますが、まあ真っ直ぐでしょう。
でも、右から降りてくる人もいるんだよね。ちょっと迷います。
ようやく半分。
地元の人たちの交流の場にもなってるみたいです。
さて、また分岐点に来ましたよ。まあ、これも左でしょう。
朝の気持ちいい風がそよぐ慮吉道(ルガードロード)
そして、すぐにまた分岐が。Y差路です。
これは、迷います。だって、どちらの方向にも山頂の文字が。
ここで、「~歩き方」の地図を確認。
おそらく、距離が短い最短距離は看板の左方向。
「~歩き方」が推奨してるのは、看板右方向のビル群を見下ろしながら歩く遊歩道。
これは、距離は長くなりますが、右でしょう。
(登ってきた方角から見ると、Y差路を左上から来て、引き返す形で、右上に向うことになります。)
同じ方角に向う人たち。
この若干遠回りの道の名は、慮吉道。(ルガードロード)
中腹を過ぎたのか、坂はそんなに急ではなくなりました。
相変わらず、小鳥の鳴き声がいいハーモニーを奏でます。
しばらくは、ウオークマンの音楽もおあずけ。
インドのゴムの木ですか。
絶景の慮吉道
展望台がありました。
香港の人たちは、こういう眺めを毎日見てるんですね。
(もちろん、登ってる人だけですが)
展望台を過ぎると、左手の視界が開けるようになりました。
木々の間から眺めるビクトリア・ハーバー。
こりゃ、いい眺めです(^^)v
風も吹いて、ほんとに気持ちいい。
ほんとに、こんな狭いところに、よくこれだけの建築物を建てたものです。
絶景ですね。
よくぶつからないな~。
香港という町の由来は、香り立つ木材を運び出していた港、という説もあるそうです。
こうしてみると、九龍半島の方は、まだ開発余地がありそう。
ここは、ほんとに素晴らしいハイキングコースです。
苦労して登ってきた甲斐がありましたね。
ここまで約1時間。時刻はちょうど8時。早起きは三文の徳だね。
人類の能力って凄まじい。たった200年でこれですから。
ここに、700万人もの人々が暮らしています。
この香港の発展に貢献した香港上海銀行の設立は1,865年。
当時とは、形を変えてるでしょうが(当たり前)、あのはしごみたいな建物がそうかな?
終点は、まだまだのようです。
イギリスが欲しがった当時の香港島を見てみたい。
休憩を兼ねて、ミスチルを鑑賞。
しかし、欧米列強が、はじめてこの地に目をつけたのはポルトガル。
当時の香港の人たちは、驚いたことでしょう。
この香港島を皮切りに、欧米列強に領土を食い荒らされはじめた清。
列強国の恐ろしさを日本が学べたのも、この香港あってのことかもしれません。
日本も、生意気に、1941年にこの香港を占領。そして、たった4年で撤退。
悔しいですが、外交、資本政策、ともに、日本は欧米の足元にも及びません。
そんなことを考えながら、慮吉道をのんびり歩きます。
慮吉道に入ってからは、道はほとんど平坦です。
木の葉が、差しはじめた太陽を防いでくれるため、ほんとに心地よいハイキング。
鳥もいっぱいいます。
トータル1時間半 ピークトラム山頂駅に到着
ようやく、ピークトラムの山頂駅が見えました。
トータル1時間半。歩きでのあるコースでした。
去年も来たピーク・ギャレリア。
あれ、補修中になっちゃったのかな。
せっかくここまで来たんだから、展望台に行って、ビクトリア・ハーバーを見下ろしますか。
おお、懐かしい・・
去年はタクシーで来ましたが、今回は徒歩。
なんか1つの達成感です!
こうして、ビクトリア・ハーバーを眺めていて、ふと思います。
日本から見ると、香港はうらやましいほどに、様々な分野で活気があるように思えます。
その活気の原動力はなんなのか。
イギリスから返還を受けたのが1,997年。今年はそれから21年目にあたります。
中国が、香港を一国二制度として社会主義政策を持ち込まないと約束したのは、2,047年まで。
あと29年です。
そのとき、香港は、今以上に発展した国際大都市になっているのでしょうか。
日本はその頃、世界を代表する老人大国になっていることは想像に難くないですが・・・