前夜に目的地に乗り込むのは、慌ただしいようで、それなりに時間を買った気にもなる。
昨夜、香港に到着したから、重慶大厦の妖しさも、深夜のネイザンロードの徘徊も、今朝の点心も楽しめたわけだし、そしてまだ午前10時。
今朝、日本を出国すれば、いまごろ香港に着く時間だし、昨夜深夜便の場合は、実は寝不足で丸一日感性が鈍ったまま。
つまり、半日でも休暇が取れる場合は、旅先に早めに乗り込むのも弾丸旅をうまく処理する秘訣なんです。
重慶大厦をチェックアウトした私は、香港島にわたるべく、激しくバスの行き交うネイザンロードを尖沙咀駅へ。
香港島 湾仔(ワンチャイ)へ
さて、昨夜は数時間の滞在だったので宿泊費を抑えるべく重慶大厦に投宿しましたが、実は今回の週末旅はちょっと奮発。
ルネッサンス・ハーバービュー(萬麗海景酒店)に泊まるのが最大のイベント。
私の、それなりに長い旅歴において、最大の宿泊費を投じるホテルです。
ホテルがあるのは、湾仔(ワンチャイ)。
行き方はいろいろありますが、荃湾線で尖沙咀から中環に出て、東鉄線に乗り換えるのが一番簡単。
こうやって、地下鉄を乗り継いでいるうちに、東京のメトロよりも詳しくなった気になって、堂々と歩けるのが気持ちよかったりもする^ ^
会展という、非常にわかりやすい駅でおりて、地上に出ます。
首都圏在住の私にとって、エスカレータの左側あけにはまだ慣れないw
会展駅で地上に出れば、そこはもう湾仔のど真ん中。
その会展駅からのペデストリアンデッキで繋がっていた「萬麗海景酒店」。
ひとまず、キャリーを預けて、散策を続けます。
ホテルには夕方くらいに戻れば、文字通りハーバービューを楽しめるでしょう。
ホテルを出て振り返れば、飛んでる鳥がぶつかりそうなほど輝いてるビル。
あのビルの11Fバルコニーハーバービューをリザーブしています。
湾仔フェリー埠頭へ
ところで、本日の予定、特に定まっているわけでもないんですが、こんなに天気が良くて風も穏やかなのならば、「スターフェリー」に乗りたくなります。
スターフェリーは、もう1世紀以上も香港市民の足となって九龍半島と香港島をいったりきたりしている船。
だったら、尖沙咀からこっちに来る時に乗ればよかったじゃん、となるんですが、こっちに来てから乗りたくなってしまったんだからしょうがない。
こうやって、時間を無駄に使っても、誰にも咎められないから、ひとり旅は最高(^ ^)
ていうか、旅は「ひとり」以外考えられないよね^ ^
なんだか、平衡感覚が狂いそうな紫色のトンネルをくぐってスターフェリーの埠頭へ。
スターフェリー「尖沙咀〜湾仔」から眺める香港島
香港のスターフェリーは、「尖沙咀〜中環」と「尖沙咀〜湾仔」を結んでいます。
最盛期には、もっとルートが多かったのかな。
そして、湾仔から乗るのは初めて。
そんなくだらないことでもワクワクする旅人。
料金は、ふつうに買うと5HKD(約95円)。
実は3.2HKDから値上げされたばかり。
利用者の減少がとまらず、赤字経営となっていることが値上げの理由のひとつらしい・・・
オクトパス所有者は、そのまま行っていいみたい。
そして、今まさに出航しようとしていたフェリーをつかまえます。
私が乗り込むとほぼ同時に岸壁を離れたフェリー。
2023年11月3日(金)。
日本は祝日だけど、香港は平日。船内はガラガラです。
赤字なのも無理もないか・・・
ゆっくりと遠ざかっていく、今夜泊まるルネッサンスハーバービュー。
こちらは反対側の銅鑼湾(コーズウェイベイ)側。
大商業地。本日の午後か、明日にでも歩いてみたい。
本日の香港は旅人日より。
秋の香港がこんなに爽やかだと知らなかった^ ^
このスターフェリーの存在は、もちろん沢木耕太郎さんの「深夜特急」で知ったもの。
当時は、この海底に道路も地下鉄もなく、フェリーだけが生活の足。
正確には海底トンネルは稼働し、バスの往来はあったみたいだけど。
沢木さんは、その生活の足スターフェリーでの航海を「60セントの豪華な航海」と呼んでいた。
ビクトリアピークが見えるね。久しぶりに、徒歩で登頂してみようか。
世界で9番目に高いとされる、高さ415mの国際金融センタービル。
ビクトリアピークの展望台に匹敵する高さ。
まあ、資本主義の仕組みがなかったら、こんなすごい金融&商業街は作られなかったでしょう。
国安法の施行が、香港経済にどんな影響を与えるのか、まだ誰にもわかりません。
九龍半島が近づいてきました。
1世紀以上も運行されてきたスターフェリー。
でも、こんな赤字続きでは、その存続も危ないのかな。
旅人の楽しみは、存命中に多くを体験すること。
昨日食べた回鍋肉や、今朝食べた点心の値段が信じられないほど安い、5HKD(約95円)の船旅が終わりました。
まったく風のない、凪状態のハーバービューだった。
ひょっとしたら、こんな日は珍しいのかも。
着いた場所は「尖沙咀渡輪」。
実はここは、九龍をはりめぐらすバスターミナルでもあります。
では、適当にバスに乗って、どこか適当な場所に降りてみましょうか^ ^
ひとり旅は、本当に楽しいわ(^ ^)