宗谷バスによる礼文島観光ツアーも澄海岬やスコトン岬を見学し折り返しです。
礼文島は、それほど大きくない島なので、北辺と南部の香深を往復するような観光コースですが、見学時間も含めて4時間弱。
香深港に着くフェリーの時間に合わせて8:40に香深を出て、12:30にふたたび香深に戻るという行程です。
なので、香深に戻った後、そのままフェリーで礼文島を離れてしまう観光客も多いようですが、これは仕方がない。
礼文島には宿泊施設が限られているので、私が予約したときも、島全域にわたってほぼ満室で、北のスコトン岬に近い船泊(ふなどまり)という町の民宿をようやく確保できました。
すると、観光バスツアーで香深に戻った後、ふたたび船泊まで北上する必要があり、パッと見では無駄に思えます。
しかし、距離が20㎞ぐらいなので、路線バスで1時間弱。
それに、やはり離島の旅は路線バスで楽しみたいという気持ちもあって、観光ツアーが終わって香深に戻ったら、路線バスで礼文島の海岸をのんびり北上する予定です。
霧で何も見えなかった「桃台猫台」
霧に包まれたスコトン岬を後にします。
7月はじめという、本来なら梅雨のない北海道で、晴天に恵まれた眺望を期待していたツアー客の顔には、若干の欲求不満の色が見えます。
私も同じ。
しかし、そこはガイドさんもプロで、
「霧というのは、わずか数分で晴れることもあるんです。」
「パンフレットの写真のような天気に恵まれるのは、6月や7月でも月に4、5日しかないんです。」
などと、本日のツアー客、つまり皆さんだけが不運を被ったわけではない旨を、一生懸命説明しています。
別にガイドさんの責任じゃないのに、ツアー客の元気を取り戻そうと必死な、好感の持てる、40代(と思われる)女性ガイドさんでした。
とはいうものの、霧はますます深くなるばかり。
折り返しの道のりは、私の席が山側になったこともあって、ほんとに何も見えず。
今朝は午前3時に目を覚ましてしまったこともあって、しばらくまどろみました。
バスの中で眠るのって気持ちいい・・
右に右折したGの感覚で目を覚ますと、バスは、礼文島の背骨にあたる山地を貫く「新桃岩トンネル」に入るところでした。
そして、トンネルを抜けると、そこは礼文島の西海岸。ここに、「桃台猫台」の展望台があります。
しかし、あたりは100m先は何も見えないほどの白乳の世界。
展望台に向かう、ツアー客の足取りも少し重い。
登っても、案の定、何も見えませんでした(^^)
晴れていれば、こんな景色が見えたそうです。
天候が相手の観光ツアー。こればかりは仕方ありません。
「北のカナリアたち」のロケ地「北のカナリアパーク」
意気消沈するツアー客を乗せたバスは、香深港を過ぎ、さらに南下して「北のカナリアパーク」へ。
「北のカナリアパーク」とは、「北のカナリアたち」という映画のロケ地で、この映画のために建築された小学校校舎を中心とした記念公園だそうです。
晴れてれば、こんな風に見えるそうです。
映画のロケ地としてでなく、ふつうに使われていた校舎としてなら、すごく趣のある小学校。
まさにへき地の分校といった感じです。
残念ながら、恐ろしいほどのエンタメ音痴な私は、当映画のストーリーも、主演者についても、なにも知識がありません(^^)
このなかで知ってるのは「ハゲタカ」の柴田恭兵くらいw
だから、ほんとうに使われていた分校と言い聞かせて、校舎の中を楽しみます。
でも映画用といいながら、かなり精巧に作ってます。
現実的な言い方をしてしまうと、毎日これだけの潮風にさらされたら、いろんなモノがあっという間に錆びてしまいそう。
エンタメ音痴な私ですが、礼文島が舞台となったドラマでは、水谷豊主演の「熱中時代教師編」で、一度先生を辞めた水谷豊がこの島で生活していたシーンが思い出されます。
船で、香深港から離れていく校長先生に、
「とうーきょうーへー、行きまーす!!!」
と、水谷豊が絶叫するワンシーンは今でも覚えています(^^)
さて、観光バスツアーも、そのメニューをすべてこなしました。
香深港に戻ったら、私も一人旅に戻ります。