「地球の丸く見える丘展望館」をあとにして、「屏風ケ浦遊歩道」へ向かいます。
距離にして約3km。
本日のサンセットは17時50分ごろ。その時間にはホテルにいたいし、この散策が、本日最後の行動になるかな。
日の入りにホテルにいたいというのは、今夜泊まる「ぎょうけい館」という老舗旅館は、客室がすべて海に面しているから。
ホテルの窓から、海に沈む夕日なんて、久しく見ていません。
「地球の丸く見える丘展望館」から「屏風ケ浦遊歩道」へ
ルートは上のグーグルマップの通り。
しかし気をつけなくてはならないのは、私有地を通過するルートを選択するケースがあること。
このケースでは、「千葉科学大学」の校庭は通過できないので、少し回り道になります。
それでも、丘の上にまで吹いてくる爽やかな潮風に身をゆだねながら、楽しい散歩。
知らない町を歩くのって、本当に楽しいんです!(^^)!
あと、0.9km。
海岸に近づくにつれ、しだいに大きくなる潮騒の音を聞きながら、テクテクと歩きます。
海岸部に建っている「千葉科学大学」。立派な建物ですね。
看護などの領域に強いそうです。
その「千葉科学大学」のキャンパスをぐるりと回って、屏風ケ浦遊歩道の入り口にあるパーキングが見えてきました。
それにしても、銚子電鉄は閑散としていたのに、駐車場を占めるクルマの数に驚き。
バスの本数も少なく、銚子電鉄の外川駅からも距離があり、クルマでの移動が便利なのはわかります。
でも、私は、公共交通機関と自分の足だけで歩く旅を好みます。
そうすることで、旅の記憶は、まったく劣化しません。
ドライブもキライじゃないけど、ドライブは旅ではなく、ドライブというレクレーションだと私は思ってます。
寂寥感いっぱいの銚子マリーナ
さて、「地球の丸く見える丘展望館」から3kmほど歩いてきて、少々汗ばんだ身体を潮風で乾かすとしましょう。
あれが、屏風ケ浦で、その下に遊歩道があります。
それよりも、見てください。
この寂寥感いっぱいの銚子マリーナの光景を。
海水浴シーズンは、人で賑わうんでしょうけど、人気のないマリーナは、寂寞感そのもの。
草むらの上に腰を下ろし、荒涼とした海辺の風景に浸ります。
孤独感がわきあがり、なんか、今回の旅で、ようやく旅心地がわいてきました。
千葉県に、地の果てのような、こんな寂しさあふれる景観があったんだ・・・
ちょうど1年前(2019年)の夏は、私は北欧を旅してました。
そのときの、ノールカップへ向かう途中の北緯70度付近の風景が下の画像。
銚子マリーナ。寂しさで勝ってるじゃないですか。御見それしました。
多分、シーズン中も、コロナで閉鎖されていたのでしょう。
人口が減少、そしてコロナで観光客も枯渇。
そんな銚子の現状を、無言で語りかけてくれているような気もします。
潮風で揺れる草むらの向こうに霞む、東洋のドーバー。
実際のドーバーなんてみたことないけど、比喩として使っても失礼じゃないくらい、こちらのドーバーもすごいということなのかな・・
まあ、私は、寂しい海岸線を目にしたことで満足です。
こういう荒涼とした景色、大好きなんだよね。
伊能忠敬もこの地を訪問。
考えてみれば当たり前か。歩いて日本地図作ったんだから。
屏風ケ浦遊歩道から見上げる「東洋のドーバー」
さて、屏風ケ浦の遊歩道を歩いて、「ドーバー」と呼ばれる崖を観賞してみましょう。
この隆起した岩盤は、1億年前の地層だそうです。
赤く見える部分は、関東ローム層の赤土。
富士山の噴火によって堆積した火山灰の鉄分が参加した色らしい。
それにしても、そんなことがよくわかるものです。
ところで、あれほどまでに駐車していたクルマのドライバーたちはどこに行ったのかな?
遊歩道も閑散としています。
海底から隆起した崖なので、貝殻や魚類の化石も発見できるみたいです。
地学研究家の方々には、とてつもなく貴重な標本なのかな。
でも、旅人の私は、湾をへだててそびえたつクリフのほうに、魅力を感じますね。
2016年3月に国の名勝及び天然記念物に指定されています。
そして、あの崖の上は私有地なので、勝手には入れないらしい。
さて、そろそろホテルへ行きますか。
今夜のホテルは、銚子電鉄「犬吠」駅近くの老舗旅館「ぎょうけい館」。
「戸川」駅まで歩けば一駅。16:30の電車に乗るつもりで、歩みを早めます。
では、赤茶けた屏風ケ浦にさよなら。