「深夜特急」といえば旅人のバイブル。
説明の必要がないほどの、沢木耕太郎さんのユーラシア大陸紀行ですが、まだ読んでおられない方のために簡単に説明すると、
- 26歳の沢木さんが、酔狂な旅がしたくなり、デリーからロンドンまで乗合バスで目指す旅を思いつく。
- デリーまでの格安航空券をブッキングすると、それは香港とバンコクでストップオーバーできるチケットだった。
- 机の中の1円硬貨までをかき集め約1,900ドルを作り、まずは香港に向かって旅立つ。
こんな感じで、香港からタイ、マレーシア、シンガポールと渡った後インドに飛び、デリーからはバスでロンドンを目指す。
まだ海外旅行が一般的でない時代に、バックパッカーとしてアジアからヨーロッパを目指すスタイルは、多くの旅人を惹きつけたノンフィクションでした。
私もその一人で、もし学生時代にこの本に出会っていたら、とんでもないことになっていたと思う。
間違いなく、人生狂っていたと思います。もちろん悪いほうにね(笑)
ところで、昨今の旅行に出かけられないご時勢。
退屈しのぎに、自分のブログを見返していて気がついたことが一つ。
私は、知らず知らずのうちに、「深夜特急」を追い求めて旅をしていたということ。
今まで訪問した海外の町114ヶ所のうち、「深夜特急」で沢木耕太郎さんが訪れた町は26ヶ所。
およそ、4件に1件が「深夜特急」聖地巡礼だったことに、自分でも驚きました。
そこで、大変恐縮なのですが、「深夜特急」を追いかける写真の旅、というのを思いついてしまいました。
すなわち読書感想文ではなく、「深夜特急」の名シーンと、旅から40年経過した写真で、当時を忍んでみたいなと思ったのです。
(2ページに分かれています)
新潮文庫の粋な企画「#私の深夜特急」
そう思っていたところ、新潮文庫さんが、なかなか粋な企画をされましたよ。
名付けて「#私の深夜特急」。
ツイッターで、#私の深夜特急というタグをつけて、『深夜特急』への想いを投稿すると、抽選で50名に、沢木耕太郎さんのサイン入り「深夜特急オリジナル・トートバッグ」があたるというもの。
抽選に当たるかどうかは別として、「深夜特急」の旅を振り返るには絶好の企画じゃないですか!
うれしくなって、ツイートしてみると、なんとリツイートされてしまった(゜o゜)
#私の深夜特急 キャンペーン、すでにたくさんの方がツイートして下さっています!みなさんの旅の思い出を読むのが楽しくて、今日も何度も検索してしまいました。ツイートは何回でもOKです。『深夜特急』を140字で語れるはずがありませんので!キャンペーン詳細はこちらから→https://t.co/TDtiPQXI0G https://t.co/mHYUhJZwsn
— 新潮文庫 (@shinchobunko) June 23, 2020
新潮文庫さん、ありがとうございます!
では、さっそくいってみましょう。「深夜特急」を読んでからというもの、行きたくてたまらなかった香港から。
重慶大厦(チョンキンマンション)
啓徳空港はもうなくなってたけど、重慶大厦はまだ健在。
沢木さんが、右も左もわからない香港に降り立ち、最初に泊まったゲストハウス。
この人種のるつぼとも言える「重慶大厦(チョンキンマンション)」には、ぜひとも泊まってみたかった。
狭い部屋に身体を運びいれ、窓枠から外れそうな窓をこじあけたとき、隣接するビルの圧迫感に胸が躍ったのを、いまでも覚えてます。
ネイザンロード
沢木さんが、香港の街をはじめて歩きだした香港・九龍のメインストリート。
香港でもっとも活気があるストリートの一つで、往来する無数の2階建てバスの動きを観察しているだけでも旅心地がわいてくる。
当時のネイザンロードはどんな感じだったのだろうか。