日本一のモグラ駅「土合駅」 十数年ぶりに登る482段の階段

上越線の電車は、峠下の水上駅に到着です。

学生時代は、何度もこの駅を通りましたが、久しぶりの再会。

崖にへばりついた感じが昔のまま、懐かしい!

水上駅を出た電車は新清水トンネルへ

猛暑の2020年8月ですが、山峡の水上駅は涼しいです。

気になったのは、列車の乗客。

私を含めて、旅行者しかいないような気がする。

もはや、水上から先の上越線は、日常の足としては使われなくなってしまったのだろうか。

水上駅を出発した列車は、細くなった利根川に寄り添って走ります。

そして、トンネルに入る直前、右手に上り線のループ線が見えました。

長さ13.5kmの新清水トンネルの中には、駅が2つあります。

まず、トンネルに入ってすぐの湯檜曽。

そして、土合駅です。

日本一のモグラ駅 土合駅の482段の階段を上る

夏休みの土曜日です。多くの乗客が降りました。

みなさん、谷川岳へハイキングでしょうか。

この駅に降りるのは、これで4回目くらい。最後に降りてから十数年が経過していますが、ホームの幅は、もう少し広かったような気がする。

そして、トンネルの壁には、「当地下駅海抜583m」などと書いてあって、奇怪な感覚を醸したものでした。

どうやら、その看板は、もうないようですね。

おっと、その代わり、もっとご丁寧に案内がしてありました。

さて、土合駅名物、階段を上りましょう。

 

私が以前降りた十数年前も、エスカレータ用でしょうか、左側に溝が掘ってありましたが、それもまったく変わらず。

以前と違うのは、マスクをつけて上らなくてはならないこと。けっこうキツイ。

脇には、いちおう段数がふってあります。まだ半分も来てないってことね。

子供のすごいところは、1度登ったのに、また親のところに降りてきて、また駆け上がる。

親に勝てる、という優越感かな(笑)

踊り場で休憩できるベンチの姿は、変わったような気がする。

以前は、単なるベンチだったような。ログハウスの木材みたいなオシャレな設計です。

ようやく、登り切りました。

途中でダウンしちゃってる中高年の方とかいたけど大丈夫かな・・

486段は、なめてかかれないですね。

ああ、そうだった。モグラの階段は462段で、これから24段あったんだ。

はい、これで土合駅486段登頂完了です。

 

登り切った乗客は、さっそうと谷川岳のほうに消えていきます。

ぜひとも訪れたい「土合駅」地上ホーム

上越線は複線ですが、上下線で線路が分かれています。

私が乗ってきた下り線は、長い新清水トンネルの中にあって、階段を上って地上に脱出しましたが、上り線の土合駅は、実は地上にあります。

それは、もともと地上駅しかなかったところに、下り線専用の新清水トンネルが開通したので、「土合駅」の下り線ホームだけはトンネルの中に設けられた、という事情によるものですが、この「土合駅」の地上駅が、とても雰囲気がいいんです。

せっかく、ここまで来て、いきなり谷川岳に向かってしまうなんてもったいない。

かんたんに見れますので、地上駅の様子を見に行きましょう。

もっとも、帰りも上越線で帰る場合は、必然的に地上駅を使うことになるんですけどね。

 

それにしても、みてください。この運転本数の少なさを。

かつての幹線の面影はありません。

私と同じように、地上駅を観察する観光客。

このレールの上を走る列車は、1日6本。

がっしりした線路と架線からは、とてもそんな風には見えません。

40年前はこのレールの上を、それこそ30分間隔で、「とき」や「はくたか」などの特急や、「佐渡」などの急行がひしめいていました。

 

こんな駅にたたずんで、ノスタルジーにひたるのもいいですね。

なんだか、鉄道の栄枯盛衰を見る思いです。

こちらは、水上駅方面を向いています。もうしばらく走ると、列車はループ線にかかるという位置関係。

こちらは、新潟県方面。

川端康成「雪国」の「国境の長いトンネル」は、すぐそこです。

地上駅の観察を終えて、あらためて駅前に出ます。

三角屋根の駅舎が懐かしいなあ。

 

初めて降り立ったときに押したスタンプ。

今でもスタンプなんてあるのだろうか。

当時は駅員さんがいたと思ったけど、今は当たり前だけど無人駅。

こんなに列車本数が少ないのなら、上りと下り、どちらか廃止しても問題ないでしょ。

そのほうが、保線にかかる費用とか減らせる気もするけど。

もちろん、旅人としては、そんな合理化はしてもらいたくありませんが。

懐かしさ満点の「土合駅」でした。