上越線の旅 十数年ぶりの青春18きっぷの週末

みなさんは「青春18きっぷ」というきっぷを知ってますか?

旅好きの方なら、おそらく誰しも一度くらいは利用されているのではないかと思いますが、これはJRの全線、普通列車なら乗り放題の、いわば全国フリーきっぷ。

学生の夏・冬・春の休みに合わせて発売され、2020年だと12,050円で5日間乗り放題という、大変おとくなチケットなんです。

「青春18きっぷ」の歴史は古く、1982年の発売当初から私はなんどもお世話になっています。

それこそ、2枚組み合わせて10日間、日本全国を普通列車で歩き回ったこともあります。

そんな「青春18きっぷ」を、なんと十数年ぶりに手にしました。

本音を言えば、歩き回りたいのは異国の世界。

でも、海外の感染症混乱は、もうしばらく治まりそうにない。

であるならば、「外国に行けない」などといつまでも愚痴るのではなく、国内にだって行ったことがない場所はいくらでもあるし、日本の旅のよさの再発見に努めよう、そう考えた次第。

7月に行ってきた京都弾丸観光も、日本の街歩きの楽しさを思い出すきっかけになりました。

上越線に乗って谷川岳を見に行こう

こう思ったのは、私がはじめて「青春18きっぷ」を使って旅したときも、向かったのが上越線だったから。

当時の上越線は、上越新幹線が開業する直前で、「とき」とか「はくたか」などの特急がそれこそ30分に1本ぐらい通る、新潟方面への大動脈でした。

そして、首都圏から郊外に出る幹線において、上越線がもっとも景色の変化に富んでいます。(と、勝手に思っていますw)

まだ学生だった私は、「18きっぷ」を手にし、鈍行列車を乗り継いで、土合駅や湯檜曽、土樽といった清水トンネルの前後の駅の山の嵐気を楽しんだものでした。

その後、上越新幹線が開業し、上越線を通る列車は年々少なくなり、今では、水上~長岡間を走る列車は、一日数本にまで減ってしまいました。

 

今回は、そんな晩年期を迎えている上越線や、すごく久しぶりに土合駅の階段を登ってみようと決意。

そして、せっかく土合駅まで行くなら、ロープウェイで谷川岳の天神平まで登ってみよう。そうプランニングして、8月の土曜日の朝、家を出ました。

目移りする東京駅の駅弁屋さん

久しぶりに来た東京駅。

東京駅から旅する際、まず最初の楽しみは駅弁の物色です。

昔は、ご当地まで行かなければ手に入らなかった駅弁も、いまや東京駅であれば、なんでもそろいます。

ほんとにすごい。JR東日本管内の有名駅弁が勢ぞろいです。

そんな中、私はオーソドックスに「とんかつ弁当」。

やっぱりご当地駅弁は、ご当地で食べたいかな(笑)

考えてみれば、高崎方面に行くのに、東京駅に来るなんて不思議。

私は、そのくらい、国内の旅とごぶさたです。

「青春18きっぷ」も、グリーン券を買えばグリーン車に乗れます。

だって、グリーン車じゃないと、駅弁なんて食べられないじゃないですか。

シンプルな「とんかつ弁当」は、身体の眠気覚ましにぴったりでした。

上野駅なんて、もう何十年も利用してない。

学生時代、上野駅から駅弁抱えて急行列車に乗って、包みを開けたあたりで停車した駅が「赤羽」だったな、なんて思い出します。

高崎駅で水上行きへ乗り換え

高崎駅で、水上行きに乗り換えます。ここから上越線の旅。

しかし、全車ロングシートなんですね。

郊外の電車で、外国ではロングシートなんて、あまり見かけないんだけどな。

首をひねりながら、次々に現れる駅名を懐かしみます。

残念ながら、赤城山の稜線は見えません。

渋川あたりから、利根川に沿いだし、旅情も高まります。

懐かしい、上越線の景色。

本来なら、上越線の車窓を観賞しながら駅弁を食べたいところだけど。

でも、利根川の姿が当時と全然変わってなくて、ほっとします。

     

上越新幹線が、颯爽と追い抜いていきます。

上越新幹線って、国の一大事業ですよね。掘り出した土の量って、どのくらいだったんだろ?

ちょっと日が翳ってきました。谷川岳の山頂見えるかな。

列車の左窓に、奥利根諏訪峡が展開しはじめると、まもなく水上駅です。