【北京の世界遺産】鼓楼・鐘楼&什刹海のアンティークなホテル「荣府老宅酒店」

早朝から歩き続けた南鑼鼓巷に什刹海。

そして、什刹海の細い胡同(フートン)の入り組んだ路地を抜けると、突如として赤褐色の巨大な建造物が視界に飛び込んでくる。

それが、鼓楼である。

元代フビライによって建てられた時報「鼓楼&鐘楼」

元の首都、当時は「大都」と呼ばれたこの地。

鼓楼は、都市建設の一環として創建され、時報を鳴らす、政庁の一部であったらしい。

そう言われれば、時計台のようにも見えてくる。

その後、明代に現在の場所へ移され、清代には改修されて現在の姿となりました。

そして、今や、「北京の旧市街における伝統的居住区と建築群」として、ユネスコの世界文化遺産に追加登録された一部。

古代の北京では、ここから午前・午後の時間を告げる太鼓と鐘の音が街中に響きわたり、市民の生活を律していた。

それが「鼓楼」の由来である。

800年の時を経て、その役割は変わったけど、いまもその姿は凛としていて、かつての都の中心であり、北京市民に愛されていることを物語っています。

鼓楼の北100mほどに位置するのが鐘楼。

こちらも元代に建てられた時間のランドマーク。

正確には、朝、鐘を鳴らしていたのが「鐘楼」で、夕方に太鼓を鳴らしていたのが「鼓楼」。

それにしても、PM2.5など、微塵も感じさせない2月の北京の空。

吸い込まれそうだ。

鼓楼の高さは46.7メートル、鐘楼は47.9メートル。

当時の木造建築としては非常に規模が大きく、北京の北部を象徴する存在。

そして、二つの楼は都市の「中軸線」の最北端に置かれ、故宮や天安門などと南北に一直線に並ぶことで、都市構造全体の「背骨」の役割も果たしていました。

この中軸線は、北京が「風水」に基づいて設計された都市であることも物語っています。

古代中国の均衡や整合性を重視する思想の中で、鼓楼・鐘楼は単なる建物ではなく、宇宙的秩序の象徴でもあった証。

北京中軸線の一部として、世界遺産登録されたのも頷ける話である。

北京中軸線上で食べる羊肉と肉餅のランチ

さて、鼓楼と鐘楼に別れを告げて、南へ歩きます。

ちょうど北京中軸線上の散歩。

そして、土曜日の午後なので、すごい北京市民の人の数です。

ちなみに、北京市民の数は2,185万人!

これより大きい街は日本にありません。

大通りには、さまざまな食堂や出店が軒をつらねてます。

そういえば、ランチを食べてない。

美味しそうな羊肉の香りにつられて1本。

辛味のきいた羊肉は、たしかに中国の味。これだけでも幸せ。

まだ、食べ足りない。

肉餅でもいってみるか。

熱々の肉餅。肉餅だけで2つくらいいけそうなほど、美味しい。

寒いからなおさらです。

肉餅をほおばりながら、南へ進むと地下鉄の什刹海駅。

ここが、ホテルの最寄駅かな。

食べ歩きしてても、公安に注意されない。ていうか、みんな歩きながら食べてる。

このあたりは、食べ歩きが禁止されているわけではないみたい。

そして、什刹海の前海と后海を分ける大運河の橋を渡ると、ホテルに到着。

ではチェックインしましょう。

アンティークなホテル「荣府老宅酒店」

今朝来た時は、オートロックが閉まってて、入ることができなかったホテル。

地安門外大通りという、南に行けば故宮に天安門、北に行けば鼓楼・鐘楼という、北京の「ザ世界遺産」ともいうべき立地に位置しています。

今度はスタッフ、というか経営のご家族がいて、にこやかに迎え入れてくれた「荣府老宅酒店」。

チャイナドレスなども貸し付けているらしい。中国文化は素敵だ。

その若旦那さんと軽く会話。

そして、ウイチャットペイの使い方の指南を受けました。

ウイチャットは、ペイだけでなく、その名の通り、チャットができるんです。

しかも、リアルタイムで翻訳してくれるから中国語がまったくダメな私でも、まるで中国人になったみたい。

その若旦那さんに案内された部屋。

おお・・・

なんだか、ホテルの部屋に入って感動したの久しぶり。

チャイナドレスをまとった中国女性がたたずんでいたら、とても絵になるような光景。

しかし、これはホテルの部屋です。

私の部屋のベッドも、こんなふうに改造したい^ ^

立地がすごくいいので、中国のホテルにしては値がはりましたが、それでも1泊1万円。

気がつくと、バルコニーもある。

出てみると、ハンモックが。

2月の今はさすがに寒いけど、夏なら気持ちよさそう。

バルコニーの柵があまりにも低いので、注意しながら身を乗り出してみました。

ここは、まぎれもなく北京中軸線の中心です。

右手に行けば天安門。数時間後には訪れる予定。

寒くなって、窓を閉めます。

ベッドの隣はバスルーム。

トイレと共同だけど、清潔で問題なし。

中国の皇帝にでもなった気分で、中国式ベッドにあおむけになってみました。

とてつもなく偉くなった気分・・・もちろん、気のせい

気分がいいと眠くなる。暖房も効いてるし。

そういえば、昨夜は海南航空の中で、ほぼ眠ってなかった。

1時間ほど昼寝です・・・天安門広場の見学に間に合うように目覚ましをかけて^ ^