京都・嵐山の北、そして洛北の西より。
京都で最も早く紅葉が訪れるとされる高雄エリアは、そんな場所にあります。
11月上旬から中旬にかけての見ごろな時期には、それこそとんでもない混雑で、そこへの道中は渋滞必至だそうです。
そして、本日は11月12日(土)です。
ガイドブックによれば、高雄エリアの紅葉狩りは、ずばり早朝で、8時半の開門と同時の行動がおすすめされています。
その時間に高雄に着くためには、京都駅前のバスターミナルを6:45に出る始発のバス利用がベスト。
そして、この時間に京都駅前にやってくるために夜行バスで東京からやってきたのでありました。
JRバス高雄・京北線で栂尾へ
京都から高雄へは、いわゆる「市バス」ではなくJRバス。
平日も休日も30分間隔で運行されてます。ということは帰りも30分おきですね。
気分が高まりますね。本日は、この3つのお寺を一気に片付けるのが目的。
ガイドブックに早朝の訪れが推奨されていたので、バスの混雑を危惧し、6時20分頃に乗り場に立ちましたが、そのときは誰もいない。
しかし、6時半を過ぎると続々と乗客が並びはじめました。
行列の先頭の私は、ちょっと得意顔(^^)
バスに乗ってしまえば、楽ちん。立っている人もいましたが、京都駅前から約1時間で栂ノ尾バス停に到着です。
三尾(さんび)と呼ばれる高雄・槙ノ尾・栂ノ尾
ところで、一口に「高雄」といっても、実は3つのエリアに分かれています。
神護寺(じんごじ)のある高雄、西明寺のある槇ノ尾(まきのお)、高山寺(こうさんじ)のある栂ノ尾(とがのお)の3エリアですが、ほどよい距離に離れてるので、ハイキングにも最適です。
すると、もっとも北にある高山寺から歩くか、一番手前の神護寺から歩くかの二択になるわけですが、高山寺の開門が8時半と早いので、高山寺から下ることにしました。
神護寺の開門は9時です。
世界遺産の境内を散策
開門の30分前に着いてしまいましたが、高山寺への近道の裏参道の門は閉まっています。
ところが、学生さんが数人現れて、門を開けて入っていきました???
さすがにそれはマズいだろ、と思い、表参道のあるところまで歩きます。
では、ここから登ります。
おお、さすがに紅葉の季節。すでに数人が開門を待っています。
うれしいことに、開門時刻の8時半を待たずに入れていただけました。
そして、スタッフは、さっきの裏参道から入っていった学生さん。
そっか、裏門から我が物顔で入っていったので、なんだろう?と思ってたら、このお寺で修行してるんですね。
高山寺といえば「石水院」が有名ですが、まずは広い境内を散策です。
紅葉が色づいてます。11月12日の訪問は正解だったかな。
境内のもっとも高い場所にある金堂。
背景の樹木がすべて色づいていたら絵になったことでしょう。
少し下ると、明恵上人のお墓があります。
そもそも、高山寺は774年に創建され、その時は神護寺の別院でしたが、1206年に明恵上人(みょうえしょうにん)が後鳥羽上皇より譲りうけ、高山寺として再興されたもの。
明恵上人は後鳥羽上皇に頼りにされていた僧だそうですが、その生涯がすごい。
ていうかコワい(^^)
明恵上人の生涯について興味のある方は、こちらのサイトをどうぞ。
では、また少し下り「開山堂」へ。
日も昇ってきて暖かくなってきました。
世界遺産とは思えないような落ち着き払った開山堂。
早朝に来て大正解。太陽光線を浴びて光る紅葉と、山の冷たい空気を独り占めです。
石水院の額縁庭園を独り占め
では、いよいよ高山寺の真打ち「石水院」を体験しましょう。
さっきの学生さんがほうきを使い、きれいに清められた庭を進みます。
はいるとすぐに、高山寺が世界遺産に推薦された理由のひとつである紙本墨画の絵巻物「鳥獣人物戯画」が備えられていますが、撮影は禁止。
動物が擬人化された躍動感ある絵に見えました。
そして、その奥が「石水院」。
明恵上人の唯一の遺構とされる「石水院」。
「石水院 廂(ひさし)の間」に入ると、善財童子像(ぜんざいどうじぞう)が出迎えてくれます。
季節ごとに姿を変える庭園を、ずっと眺め続ける善財童子像。幻想的です。
そして、石水院の南側には紅葉が広がります。
これは見事です(^^)
鎌倉時代の寝殿造りの面影を残す造り。
額縁庭園とはよく言ったものです。
高山寺には雪が積もることもあります。雪景色も素敵そうですね。
それにしても、これから拝観客がいっぱい来るのでしょうけど、こんなに静かな状態の世界遺産というのもめずらしい。
これで、古都京都を構成する17つの世界遺産をすべて訪れたことになります。
ちょっとした達成感。
では、人が混まないうちに、次の目的地「西明寺」へ向かいましょう。
栂ノ尾・高山寺の美しい庭園でした。