チュニジア1人旅、3日目の朝。1月2日です。
今日の予定は、ここシディ・ブ・サイドから、暗いうちにスースまで移動し、スース旧市街の中を歩き回ること。
スースは、地中海沿岸のチュニジア第三の都市。旧市街が世界遺産登録された、チュニジアきっての観光都市です。
そんなスースに、たった1日本日しかいられない、悲しい弾丸旅行の身。
であるならば、未明にシディ・ブ・サイドを出発し、遅くとも午前10時くらいまでにはスースに到着し、めいっぱい旧市街の中を見学する目算です。
今日は、1月2日。
日本ならば、まだまだ交通機関も含めて休日モードですが、チュニジアは、1月2日からは平常日に戻ると聞いているので、チュニスからのバス便が間引かれていたり、旧市街のお店がクローズなんてことにはならないでしょう。
そこまで計算しておいて、本日は5時半起床。
ホテルをチェックアウトし、暗い夜道に飛び出しました。
夜明け前のTGMでチュニス・マリン駅へ
日本でもそうだけど、暗い夜道の一人歩きが危険なのは、言うまでもありません。
おっかなびっくり、駅への道を歩きます。
無事にたどりついたTGMシディ・ブ・サイド駅。
なんとなく予感はしてましたが、駅員はいません。
昨日時刻表をみて、午前3時台から15分間隔程度で走っていることは確認できていましたが、そんな時間に駅員いるかな、と思っていたら、案の定いませんでした(笑)
このまま乗ったら、無賃乗車ってことになるのかな。
それよりも、人気が全くないのが怖い。誰か、電車に乗る人、1人でいいから来てくれないかな・・・
「地球の歩き方」にも、夕方以降のTGMの利用は避けるよう、忠告がなされています。
スリなんかは、いくらでも防御策はあるんだけど、強盗やひったくりみたいに、力業で居直られると、失うものがある身とない身で、ハナから勝ち目はありません。
それに、けっこう寒い・・
電車が入ってくる直前に、乗客も現れました。
地元の人は、そりゃタイムテーブルを熟知してるよね。
乗り込みます。TGM乗車は、昨日に続いて4度目。
さすがに、まだ6時前。乗客もまばらです。
今日は、ドア閉まってるな、と思ったら、今度は窓が開けっぱなし。しかも閉まらない。
地中海の海風が、ぴゅうぴゅう吹き込みます。
チュニジアの人たちって、寒くないのかな。
でも、次第に増えてきた乗客も、この席には座りませんでした。そりゃそうだ、ほんとに寒いですよ。
シディ・ブ・サイドから、TGMの起点チュニス・マリンまでは、約30分。
前の扉から人が出てきたな、と思ったら、車掌さんでした。
駅員がいないこの時間、切符は車内で売るようです。
スマホで撮ったため、チケットがボケてしまった。
チュニジアの人たちが、1月2日から始動するのは本当みたく、駅ごとに乗客が増え、最後は立つ人まで。
チュニス・マリン駅でメトロ1号線に乗り換え
そして、まだ暗い、チュニス・マリン駅に到着。
ここチュニス・マリン駅は、チュニジアの首都チュニス中心部の東の端にあたります。
ここで、メトロ1号線(LINE1)に乗り換えて、3つ目の駅「バブ・アリウア」駅が、スース方面へのバスターミナル最寄り駅になっています。
メトロは、どうも左方向らしい。
案ずることなく、TGMのホームの端が、メトロにつながってました。
チケット売り場にいた駅員に「バブ・アリウア」といっても、私の発音が悪く通じない。
そこで、mapsmeで、アラビア文字の駅名を示すと、笑ってチケットを発券してくれました。
そして、親切にも、3本指を立てて「3つ目の駅だぞ。」と。ありがとうございます。
TGMはオンボロだったけど、メトロは最新鋭の車両です。
売ってくれた切符。大昔の日本の電車の切符を思い出します。
発車したときは、ガラガラでしたが、2つめのバルセロナ駅で、大勢の人が乗ってきました。
バルセロナ駅は、チュニス新市街の中心に位置する駅。
ここから、スースまで鉄道でも行けるんですが、時刻表がわからなかったので、往きはバスにします。
明後日には、スースからチュニスに戻ってくるので、そのときは鉄道も利用したい。
そして、バブ・アリウア駅到着。
バスターミナルの方向がどちらなのかわかりませんが、とりあえず大勢の人波についていきます。
暗くても、これだけ人がいれば心強い。
ひったくられないようにスマホを出して、バスターミナルの方角を確認します。
これは、ただのバスストップ。
mapsmeによると、あの広場の向こう側。
また、人気がなくなります。用心、用心。
あれかな。
ここが、南バスステーションのようです。なんとか、たどり着きました。
南バスステーションの風景
シディ・ブ・サイドを出てから、ずっと暗闇の中を移動してきたので、明るい光に安堵を感じます。
チケット売り場もすぐ見つかりました。
「スース」というと、すぐに売ってくれました。8.71ディナール(≒331円)でした。
現在6時50分。バスは7時発だと言ってたけど、どこに7時って書いてあるのかな。
8.71ディナールはわかるけど。
まだバスが入ってないので、ターミナルの中を散歩。気温11度だそうです。
バスターミナルはいいよね。その国の生活風景が観察できる。
7時になってもバスが来ないので、いちおう周りの人に確認。ここで待ってろとのこと。
バスが入ってきました。
バス旅 チュニス ⇒ スース
スースとはどこにも書いてありませんでしたが、運転手に確認したら、間違いなくスース。
荷物を預けて、中に入ります。
考えてみれば、チュニジアに来て、バスに乗るのは初めてです。
しかし、照明もなければ、暖房もありません。
常春の国に、暖房は不要ってことですね。けっこう寒いんですけど。
出発です。スースまではおそらく2時間半くらいのバス旅。
チュニスとスースの位置関係は、こんな感じです。
まだ、外は薄暗いですが、ちょうど日が昇り切ったころにスースに着くことでしょう。
しばらくは、チュニスの街並みを。
そして、郊外に向かう高速道路に乗りました。
高速道路の料金所、というか検問所。武装した警官が何人も配備されています。
ようやく、外が明るくなってきました。時刻は7時半です。
チュニジアの平原を、バスは快調に飛ばします。
ときおり見える郊外の町。
スースまで、ダイレクトに高速道路で突っ走るのかと思いきや、途中のランプで降り、町中も走ります。そういうバスなのね。
動物に注意せよ! ではなくて、動物園かな。
動物園でした。チュニジアにも動物園があるんですね。
スースはこの先。
けっこう寄り道して、小さい町の中を通ります。
アラビア文字、全く読めません。
しかし、バスの旅は、異国を旅している感、満載です!(^^)!
線路も渡ります。スースからチュニスに戻るときは、鉄道にしてみよう。この時思いました。
お肉屋さん?
道端で商いする屋台。
そういえば、チュニジアのジャスミン革命のきっかけは、屋台のお兄さんの自殺からでしたね。悲しいことです。
チュニスから乗ったときは、乗客は当然スースに行くものと思ってましたが、ほとんど途中の町で降りちゃいました。
今乗ってるのは、私以外では、このおばさんと子供だけ。
バスが止まりました。バスストップだろうと、思っていたら、なかなか発車しない。
トイレ休憩でした(笑)
スースの町が近づいたようです。
スースのバスターミナルに到着
そして、バスはスースのバスターミナルに到着しました。
時刻は午前9時40分。チュニスから2時間40分のバス旅でした。
ここで計算外がひとつ。
スースは、城壁に囲まれたメディナ(旧市街)があって、地図を見ればその入り口にバスストップがある。
今晩の宿もその近くを予約してあるし、バスがスースに着けば、ホテルに荷物を置いて、すぐに観光に行けるものと思ってた。
ところが、メディナ入り口のバスストップは市内バスのみ。
私が乗ってきた長距離バスは、旧市街から3キロ離れたバスターミナルに到着するのでした。
これは、スースのバスターミナルの様子。
さて、旧市街まで、歩いていこうとも考えましたが、やっぱり時間を節約したい。
旧市街に向かうバスをつかまえようにも、何が何だかわからない・・・
でも、親切な人がいるものです。
私が右往左往していると、なんと、タクシーをとめて乗せてくれました。
メータータクシーだから安心です。
チュニジア人、親切じゃないですか。ありがとう!