某日、あるイベントのせいで、その日は朝から憂鬱だった。
イベントとは、運転免許の更新。
以下、憂鬱な理由。
- これほど、本来自分とは無関係な様々な人種が一同に集まるイベントはない。
- 下手すると、前科者やヤクザがいる可能性も否定できない。
- インフルエンザにかかりながら、平気な顔して来てる奴もいるだろう。
- 誕生月が同じということだけで、同類項にされるのも気に食わない。
- しかも、手続きが超アナログ。毎度激混みで、半日はつぶれる。
はっきり言って、人生で最も嫌なイベントの一つ。
不覚! 視力検査に不合格・・・
さっさと終わらせて、とっとと帰ろう。
そう思いながら、行列に並び、視力検査の順番が回ってきた。
最初、右目から。
ん、見えない・・・ いつもと違う、なんか見えにくいな・・・
そして、左目。こちらも、何かおかしい。検査官の反応から、正答率は50%以下・・
最後に両目。検査官は、この時点で、私の申請書に、なにやら書き込みはじめている。
私一人で、健常者の4倍以上の時間をかけている・・・
そして検査結果は、不合格。
検査官は、乾いた口調で、「そこの再検査室に行ってください」。
視力検査のゲートを逆行する人間は私ぐらい。当然、注目の的、というより怨嗟の的。
(おめえ、なに時間かけてんだよ・・)という声が聞こえてきそう。
萎縮しながらも、大行列の前を横切って、「再検査室」に行くと、
「あなたは何ですか? 視力? ああ、じゃ呼ぶまでそこで待っててください。」
そことは、「再検査室」の外。
そこに突っ立って、目の前の免許更新に来た群衆を呆然と眺める羽目になりました。
時間が経って、自分の身に何が起きたのか、ようやく理解してくると、
(さっき、生意気なこと考えたから、バチがあたったのかもなぁ・・・)
と考えながら、
ついこの間受けた健康診断では、両目とも1.0かそれを少し切る程度だったのに、なぜ??
子供の頃から視力には絶対的な自信があったのにと、茫然自失・・・
さらに、冷静になってくると、
- 昨日の夜、あまりよく寝てなくて、目の調子おかしかったからな・・・
- これ、ひょっとして「眼鏡等」っていう条件がついちゃうのかな・・・
- ていうことは、今日クルマで来てるし、帰りはメガネが必要? じゃ、帰りどうすんだ?
- いまだかつて、メガネにもコンタクトにもお世話になったことがない。どうやって作るの?
- つくるのに何日かかるのか?
- 免許の失効期限は来週なので、間に合わない? すると、運転免許の失効??
なんていうワードが、アタマに浮かびます。
さらに、もう一段冷静になってくると、
- そもそもメガネなんてしたくない。
- 旅先ではどうすんだ・・・
- サングラスしながら、コンタクトすることになるのかな・・・
かえって、アタマの中グルグル状態に。
気合で乗り切った視力再検査
私の名前が呼ばれ、「再検査室」に入っていくと、そこは、実にいろいろな検査をする部屋。
受講者はお年寄りばかりで、アクセルとブレーキを踏むテストをしていたり、なかには、検査官が大声で問いかけても、耳が遠く聞こえないばあさまも。
(おいおい・・・それで、免許交付しちゃっていいのかい???)
そんな光景を見て、ますます自分自身が人生の落伍者になった感覚。
しかし、人のこと言ってられない。なんとしても、再検査クリアするぞ!
そして、双眼鏡のような装置に目を近づける・・・
「あら~、見えてませんね・・」
再検査も不合格?! こりゃ、ヤバいな・・
万事休すか、と思われたこのとき、女性の検査官が助け舟を出してくれた。
「目が疲れてると、この視力検査装置だと反射して見づらいのよね。ちょっと、こっちに来て下さい。」
と言われて、行った場所にあったのが、いわゆる顕微鏡のような装置ではない、小学生時代にスプーンで固目をふさいで検査する「視力検査表」。コレです↓
この、昭和時代のようなアナログボードで、さらに気合が入り、全身全霊を我が目に集中したところ、なんとかクリア!
やった、検査官さん! 見捨てずにチャレンジさせてくれてありがとう!
免許センターの事務をアナログだなんて言って、ほんとゴメンナサイm(__)m
普通自動車免許の視力検査基準
まさか、今回自分が引っかかるとは思わなかったので、後で視力検査の基準を調べてみると、
- 両眼で0.7以上、かつ片眼でそれぞれ0.3以上
- 片眼の視力が0.3未満、若しくは片眼が見えない場合は、他眼の視野が左右150度以上で視力が0.7以上。
大型免許などは、もう少し厳しくなるそうですが、ほんとに、2ヶ月前の健康診断の際は、両目とも1.0だったのに、信じられない気分でした。
女性検査官曰く、
- お酒を飲みすぎた翌朝早く。
- 過度な睡眠不足や疲れ目。
などのときは、装置で検査すると、光の反射の関係で、通常より著しく見にくくなるケースも多いのだとか。
私は、この2に該当したわけですね。
運転免許の有効期限には注意が必要
もし、このとき、不合格であったら、私はどうなっていたか?
さっきは、冷静じゃなかったので、帰るときにクルマの運転どうしよう? などと考えましたが、更新手続きをキャンセルして、そのまま帰ればいいだけのハナシ。
そして、目の状態を整えて、再チャレンジすればよい。
貼ってしまった証紙だって、また使えるし。
問題は、運転免許の有効期限。
運転免許の更新期間は、誕生日の前後1ヵ月の計2ヵ月間。
私の場合、来週には、有効期限が切れる状態で、それまでに再検査を受けるのは不可能な日程でした。
しかしながら、有効期限を過ぎてしまっても、その間クルマを運転しなければ、6ヵ月以内であれば追加の講習を受けることで更新可能らしい。
ただ、この場合、講習も無料ではなくなるし、手続きが面倒になるのは明白。
きちんと、期限を意識して、更新することですね。
人生の反省材料が生まれた日でした(#^.^#)
旅行先でのメガネやコンタクトの扱い・・・?
なんとか、視力検査をクリアして、やれやれだぜ。
こういうのを、火事場の馬鹿力というんだろうな。
ところで、次の5年後の更新の際は、私も齢50代なかばに差し掛かる。
この歳まで裸眼で生活していることが、ちょっとした自慢だったのですが、次回更新時には、さすがにキツイだろう・・・
でも、とりあえずはパスしたので、向こう5年は大丈夫。
毎年お世話になる国際運転免許証も、発行時に視力検査はしないので、心配いりません。
ところで、今回の件で、ふと思ったのが、旅先でのメガネの取扱い。
生来、メガネの類をしたことがないので、
- メガネとコンタクト、旅行に都合いいのはどっち?
- サングラスしたい場合は、どうするの?
- 安宿では気をつけたほうがいい? メガネは貴重品?
帰りのクルマを運転するうち、そんなことが気になってきました。
一番気になったのが、
世界一周とかしているバックパッカーの方は、メガネはどうしてるんだろう??
途中で壊れたらどうするんだろう??
私も、いずれはバックパッカーとして世界一周に旅立ちたい。
そのときは、メガネが必要な視力になっている、たぶん・・
そんなことを考えながら過ぎていった、徒然な1日でした。