さて、本日最後のイベント、アルタのロックアートの鑑賞が終わりました。
この遊歩道は、1.2kmコース。このまままっすぐ行くと、3kmコースになるそうですが、もうお腹いっぱいです。
他の観光客も、ほとんどが1.2kmコースで、折り返していました。
レンタカーの返却に失敗する
それにしても、トレッキングコースとしても楽しいアルタ博物館の遊歩道でした。
さて、予定より1時間ほど早く行動していますが、アルタの町を空港まで戻ります。
途中のガソリンスタンドで、給油して、ガソリンを満タンに。
ちょうど12時間ぶりに戻ってきた、町外れの空港。
ノールカップ、ホニングスヴォーグ、アルタ博物館の散策以外は、ずっとクルマを運転していたので、さすがに疲れを覚えますが、とにかく無事に帰ってきました。
レンタカーのパーキングにクルマを止めます。
トータル走行距離は490kmでした。
オドメーターの距離を紙袋に書き、中にキーを入れて、サインをします。
そして、空港の中の「キー返却BOX」に投函しようとしたところ、なんと空港が閉まっている!?
返却予定時刻の1時間も前に来たのに、そりゃないだろ・・・
アルタの空港って、何時に閉まるの?
今朝のスタッフも、そんなこと何も言ってなかったし、そもそもRentalcars.comは、返却不可能な時間で受け付けるのかい?
愚痴っても仕方ないので、ジャンパーの像を見つめながら、これからのことを考えます。
まず、この手元にあるレンタカーのキーだけど、どうやって返すか?
- 今、返せないのは仕方がない。
- では、明日返すか。明日のフライトは7:35と早いけど、空港は6時台には開くだろう。
- すると、今朝だって、レンタカーのカウンターは開いたのが7時半過ぎだったから、何食わぬ顔をして、返却BOXにキーを投げ込むことができる。
それでいいか。
ホテルまでの足で途方に暮れる・・
レンタカーのキーの問題は、そう考えたけど、もう一つ問題が浮上。
ホテルまでの足がまったくありません。
まだ19時過ぎだけど、空港が閉まっているので、バスもタクシーもない。
さて、どうしようか?
ここにいても仕方ないので、メインロードE6まで出ました。
メインロードのE6まで出ても、バス、タクシーともにまったく見かけません。
キャリーを転がして、ホテルの方角と思しき方向へ、とぼとぼと歩きます。
たまにクルマは通りかかりますが、ヒッチハイクはさすがに危ないだろ・・
でも、ノルウェイなら大丈夫かな・・
いろんなことを考えながら、ホテルまで約7キロと思われる道のりを、すべて歩く覚悟です。
7キロなら、2時間もあれば着くかな・・
たまに、トナカイが顔を出します。さすがにクマは出てこないから大丈夫だろ・・
1キロも歩いたところで、力尽き挫折(笑)
というか、バスストップがあったので、ひょっとしたらバスが来るかな、としばらく待ってみます。
しかし、思惑通りにバスは一向に姿を現しません。もう20時。たぶん運行が終了しているんでしょう。
さあ、どうしようか。ホテルまでは、あと6キロもあります。
いろいろ考えた挙句、空港に引き返し、パーキングに止めたレンタカーを持ち出そうと思いました。
そもそも、キーは返せてないわけだし、明日の朝返すつもりなら、それまでクルマも拝借していても同じでしょ、という論法。
あとで何か言われたら、追加料金を払えばいいだろうと計算しました。
Rentalcars.comに、たっぷり文句を言った後でね(笑)
最初からこうすればよかったよなと、自分のマヌケさを嘆きながら、もう一度空港までゴロゴロとキャリーを転がしながら引き返し、クルマを持ち出します。
クルマを運転して、あらためて思った。運転中は気づかなかったけど、けっこうアップダウンがあって、7キロを歩くのはきつかったと思います。
そして、21時頃になって、ようやく予約しておいた「Nordlys Hotell Alta」(ノルディーズ ホテル アルタ)に到着です。
アルタは、この付近では、唯一町らしい町ですが、エクスペディアなどの予約サイトでオンライン予約できるホテルが意外と少なく苦労しました。
このホテルも1泊1万円します。明日の朝は早いし、ただ寝るだけで1万円はもったいないな・・
ホテルのチェックインで途方に暮れる・・
目指すホテルについて、さっそくチェックインしようとして、一難去ってまた一難。
今度は、ホテルのドアが開きません(T_T)
ドアはロックされ、大声で「ハロー! ハロー!」と言ってもダメ。
現在21時。チェックインが遅れる場合は、連絡しなくてはいけないシステムだったのかな・・
ホテルのドアは、キーではなく、暗証番号ロックの仕組みになっているんですが、その暗証番号がわからないので、どうしようもない。
今度こそ、本当に途方に暮れました。
今夜は、クルマの中で一夜を過ごすことになりそうかな・・
ホテルの前に腰を下ろして、呆然と眼前の光景を眺めます。
22時ごろだったでしょうか。
ガチャリと音がして、ホテルの中から、宿泊客が1人出てきました。
私は、その宿泊客に、「予約しているのだが、フロントにスタッフがおらず、チェックインできない。」旨を、ブロークンな英語で、とうとうと話しました。
その客は、英語を理解しませんでしたが、「スマホを持っているか? メールを確認してみろ。」みたいなことを、身振り手まねで言います。
運よく宿泊客と出会えたことで、ホテルのロビーに入ることができ、wifiにつなげることができます。
メールBOXに受信メールがパラパラと入ってきましたが、その中の一つに、このホテルからのメールがあり、
- あなたの部屋は356。
- パスワードは○○○○○○の6桁。
- このパスワードは、ホテルの入り口と部屋のドア、ともに共通。
という主旨の文字がならんでいました。送信時刻は、本日の12時でした。
事情が理解できました。
このホテルは、スタッフのいない完全セルフのホテルだったんです。
あとで、エクスペディアの予約画面をみてみれば、しっかりと書いてある。
そうとは知らずに、ホテル前で座り込んでいた私は、ほんとにマヌケな日本人でした。
宿泊客に、最大限のお礼を言って、部屋に向かいます。
あの宿泊客が、奇跡的に出てこなかったら、ロビーに入ることができず、すなわちwifiにつなげられず、メールを確認できなかったわけですから、それこそ奇跡の人。
たぶん、ノルウェイ人だったと思いますが、ありがとう!
6桁のパスワードを入力すると、部屋のドアが開きました。
ほっとして、全身の力が抜けたのを覚えています(笑)
ともかく、一件落着です。もう、さすがに本日は一難はないでしょう。
こぎれいな部屋に荷物を運び込み、旅装を解きます。よかった、よかった。
ほっとした気持ちで、窓からの景色を眺めます。
時刻は22時を回っているのに、夕方のような明るさ。
もう、何も心配は要らないので、白夜の景色を眺めながら、感傷に浸ります。
10時間前には、ノールカップにいたんだよな、といったことなども思い出します。
安心したら、空腹を覚えました。
今日は、2度の道の駅で、ホットドッグとコーヒーしか、口にしていません。
さっき、ガソリンスタンドで給油したときに、併設しているスーパーが24時間営業だったな、と思い出し、部屋を出て、クルマを走らせます。
ホテルに入るときに、またパスワードが要りますので、スマホを握りしめて。
そして、コーヒーとサンドイッチを仕入れてきました。
シャワーも浴びて、人心地がつきます。
考えてみれば、スタッフなしのホテルとなると、明日の朝、タクシーを呼ぶなんて無理。
ということは、空港から徒歩で来たら、また途方に暮れていたんだ、とレンタカーを持ち出す選択をとったことに安堵。
アルタの緯度は、もう少しで北緯70度に届こうか、という位置。
8月初旬のこの時期、太陽は4時間ほど沈むようです。
でも23時を過ぎてもこの明るさ。白夜というのは、ほんとに不思議なもんです。
正確には、日は沈んでいるので、白夜ということにはならないんでしょう。
でも、夜中でも明るければ、十分白夜です。
部屋の明かりを消してもこんな感じ。深夜の23時に窓からさしこむ日の光。
石器時代の人たちは、夜がないことをなんて思っていたのかな。
幻想的な白夜の光景に目を奪われ、眠い感じがしません。
明日は、早朝の飛行機でトロムソに戻りますが、そのあとは丸1日トロムソの散策ですから、久しぶりの緩めのスケジュール。
寝不足になっても大丈夫でしょう。
刻々と変わっていく雲の流れを見つめながら、明日からの旅程に思いを馳せます。