木々の隙間から、アルタの町が見えました。
町中に入ると、速度自動取締り機が。
カーナビが勝手に「近くにオービスがあります。」としゃべったのにも驚きましたが、スピードを出しやすい郊外より、スピードを出すと危ない町中に設置するのは合理的。
日本の警察も見習ったほうがいいです。
北極圏の世界遺産 アルタのロックアート
アルタの町は、海に沿って東西に伸びています。
その最も東にあるのが空港。そして、世界遺産でもあるロックアートのあるミュージアムは、最も西にあります。
したがって、アルタの町を東から西に走りきって、アルタ博物館に到着です。
レンタカーを返すのは空港。また、町のはじっこまで行かなくてはならないのは、ちょっと効率が悪いですが、仕方ありません。
まず、博物館の中に入ると、18時でも観光客がそれなりにいました。
ベランダに出てみます。
博物館の下に降りてみると、当時の生活の様子が模してありました。
これはこれで興味深いですが、肝心の「ロックアート」はいったいどこにあるんでしょう?
博物館の中のおみやげ屋さんをのぞくと、「ここでチケットを買うのよ。」とお姉さんに言われる。
そして、何も言わないのに「日本語ガイド」をくれました。
旅してると、だいたい中国人に間違えられるのに、ズバリ日本人と見抜いてくれて、ちょっと嬉しい。
そして、チケット代(110クローネ)を払った証として、シールをシャツに貼られます。
「ロックアート」は、博物館を出て、歩道沿いに歩いた岩場にあるそうです。
ちょうど、ガイドさんを伴ったグループが歩いているので、後ろをついていきます。
この「ロックアート」は、2000年から7000年前にもなる石器時代に描かれたもの。
1960年から70年にかけて発見され、1985年に世界遺産に登録。
さて、この北極圏の世界遺産とは、どんな「岩絵」でしょうか。
ん? たしかに、それらしい模様が見えますが、赤くなかったっけ・・・?
おお、ありました、ありました。
わかりやすく彩色がなされた遺跡は限られているようです。
でも、色を塗ってくれれば、それはすごい。トナカイの群れです。
これはクマだろうな。
この岩絵は、完全に自然にさらされています。
こんな大事な遺跡、よく風化してしまわないものです。
彩色が施されてない遺跡は、さすがに見つけるのに苦労します。
でも、じっと凝視していると、当時の生活の様子が浮かび上がってきます。
発見された数は、およそ6000点。
描かれている場所ごとに、テーマがあるようです。
このあたりは熊狩り。専門家が見ると、複数の熊狩りの様子が描かれているようですが、当然私にはわかりません。
これは、ヘラジカが交尾している様子。
海洋生物かと思ったら、いまだ謎のアクセサリーとのこと。
トナカイ、ヘラジカ、熊の群れ。人間もみられます。
白夜と極夜がくりかえされるこの北極圏で、人類は6,000年以上も前から、狩をして生活していたんですね。なんか、ふつうに考えたらすごいこと。
このあたりは、狩りの様子がはっきりわかりますね。
ここで、遊歩道は折り返し地点。少し寒くなってきました。
海に近い側の遺跡になって、海に関係ありそうな岩絵が登場。
陸の上だけでなく、海上でも狩猟生活を送っていたんですね。