昼間のブハラは、刺すような日差しと廃墟のような静寂。
そして、太陽が沈みかけ、空が淡いオレンジから群青に染まっていくころ、街はゆっくりと呼吸を取り戻す。
これは、暑い街ではどこもそうだと思うが、ブハラの場合、そこに観光客が混じるので、いっそう際立つ。
まるで別の街のような夕暮れのブハラ
8月のブハラの日没は20時過ぎ。
19時を過ぎる頃になると、マドラサの外壁が赤く染まっていきます。
16時から2時間ほどホテルで休憩した私は、薄暮に包まれたブハラの街に再び繰り出しました。
日中は、閑散としていたラビハウズ周辺も、この時間はこの通り。
さらに奥に進みます。
砂の中から発見されたというマゴキ・アツタリ・モスク。
ほんとに地中に埋もれているように見えます。
ただいま、観光しやすいように改修中のようでした。
タキを抜けてマドラサが集まってるエリアへ向かいましょう。
観光客だけでなく、暑さをしのげる夕涼みに地元民も出歩きはじめたようです。
昼間見た無人だったときは意識しなかったけど、人が下に立つと、タキの大きさが際立ちます。
まだ気温は35度ほどあります。
でも、気温の感じ方も比較相対なのかな。
ギラギラと照りつける痛いような日差しがないだけで、吹いてくる風がとても涼しく感じます。
どこからでも目に入る高さ46mのカラーン・ミナレット。
迷子になりやすい私も迷子になりません。
スーベニアショップにも活気がでてきました。
カフェにも灯りがともります。
サマルカンドもそうだったけど、ここブハラもお酒を飲めるのが嬉しいところ。
夜をいろいろ楽しみましょうね。
ローラーシューズで颯爽と駆け抜ける少女。
3時間ぶりにカラーン・ミナレットのふもとにやってきました。
日がかげったおかげで、光の配分が均等になり撮影もしやすい。
逆光のモスクもこの通り。
そして、いよいよ空は赤みを増してきました。
でも、夕暮れという時間を意識するのって旅をしているときだけだよね。
そもそも日常において夕暮れとは、日々の営みにおいて忙殺と安寧が交差する通過点。
でもその通過点を、距離をおいて人々の行動を傍観できるのが旅人。
傍観という言葉はネガティブに捉えられがちだけど、旅人に傍観は似合ってる。
だって、傍観せざるを得ないじゃない。
だから、旅先で迎える夕暮れはなにをおいても格別なんです。
タキの天井にも柔らかな灯りが灯りました。
ほんとに、素晴らしく美しい民族衣装だと思う。
太陽が、完全に沈み切りました。
どこかゆったりとした歩調で、ブハラの夜が始まります。
石畳に反射する灯りが映えはじめました。
観光客も、地元の家族も、母親に手を引かれる子どもも、
手押し車に乗せられる幼児も、どこかゆったりなブハラの夜です。
ドームの上に満月が昇りました。
ブハラで飲む生ビール
さて、アルコールの時間です。
ビールが15,000スム(180円)とは、なんて嬉しい価格設定。
こうしたビヤガーデンで、群衆の中の孤独を味わうのも、これまたひとり旅の楽しみ。
まずは、本日の無事に乾杯。
つまみは、チーズスティック。
今朝はサマルカンドのホテルで目を覚ました。
そして、高速列車でブハラに来た。
そして2万歩ほど歩いて、ただいまラビハウズのビヤガーデン。
旅とは、自分の行動を振り返れるから楽しいのだと思う。
しかし、おつまみも含めて安いね。旧市街の中心にいるとは思えない。
西の空には、まだ赤みが残ってました。
夜がふけてますます賑わうブハラの夜
完全に夜のとばりがおりたラビハウズ前。
気温は30以下へ。そして、人並みはますます賑やかになりました。
ライトアップもされました。
この街は22時以降が、真の顔なのかも。
ずっと探してたんですが、やっとワインが飲めるバーが見つかりました。
なんと、宿の隣(^ ^)
昼間はカフェ、そして夜はバーに変身ってとこですね。
この旅に出て、初めてのワイン。
どこのワインだかわからないけど、たぶんウズベキスタンワイン。甘いけど美味しいです^ ^
夜風が吹き込むバーで、道ゆく人々を何の気なしに眺めてると、このうえない幸せを感じる。
それこそ、時間とお金を自由に使っているということだから。
ブハラの滞在は明日の夜まで。
「これで、この旅も終わりか」そう思うと同時に、「でも、また来ればいい」とも思えるのが、旅の不思議な力。
明日も歩き回りましょう。