世界各地を転戦するモータースポーツの最高峰F1。
いつかは、外国のグランプリを観戦したいと思ってましたが、ついにその願いがかない、2019年のシンガポールGPを観戦してきましたので、レポートします。
※本記事は、「事前準備編」です。「現地入り編」と「決勝レース編」はこちらをどうぞ。
私は、F1の大ファンなんですが、それを語りだすと止まらないのでひとまずおきます。
でもこのブログは「旅ブログ」なので、F1のシンガポールGPとは何たるかを要約すると、
- F1とは「フォーミュラ1」の略で、世界的規模で展開されるモータースポーツイベントの一つ。
- 1年間に全20戦前後が行われ、日本も常連の開催国の一つ。シンガポールは、アジアで5番目のF1GP開催国として、2008年より毎年9月に開催されている。
- シンガポール政府は、観光による経済効果を目的にF1を誘致。観客動員数は、26万人を超えており(2018年度)、これは鈴鹿サーキットで行われる日本GPの約倍である。
そして、F1ファンの目から見たシンガポールGPとは、
- 公道を閉鎖した市街地コース「マリーナベイ・ストリート・サーキット」で開催されるため、レースはかなりスリリング。
- F1GPでは唯一のナイトレース。大量のライトがコースサイドに設置され、ビル群の中を白く浮かびあがった公道をF1マシンが疾走する。
大都会のど真ん中の公道を閉鎖して、ライトで照らされたコースを、時速300キロを超えるスピードで駆け抜けるなんて、ほとんどTVゲームの世界ですよ。
(うーん。グランツーリスモの「スペシャルステージ・ルート5」のようなコースだ)
クルマに興味のない方でも、なんか関心湧きませんか?
そんな、シンガポールGPを2019年9月に観戦してきましたので、観戦前の準備や、観戦時の臨場感(伝わるかな?)、現地での行動などをまとめましたので、参考にしてみてください。
ちなみに、ふつうにシンガポールGPを観戦するのであれば、HISなどから観戦ツアーがいくらでも出ています。
そのほうがラクだし、何も考える必要もない。
しかし、高い・・・
なので、これは、1人の現役世代の人間が、弾丸旅行をするかのように、知恵を使いながら(失敗もあります)、何とか工夫して、風のように弾丸観戦をしてこようという計画です。
うまくやれば、会社を休まずに、かつ安く、プランニングできるかもしれませんよ(#^.^#)
F1シンガポールGP観戦の日程のたて方
通常F1は、その開催地にて、
- 金曜日にフリー走行
- 土曜日に予選
- 日曜日に決勝
というスケジュールをとります。
日曜日の決勝レースの翌日は日本は秋分の日
したがって、まずは、3日間とも観戦するのか、日曜日の決勝だけ観戦するのか、など、観戦日程を決める必要があります。
そして、これによってフライトスケジュールも決まってきます。
一般的なファンなら日曜日の決勝のみ、ガチなファンで3日連続みたいな感じでしょうか。
今回、私は決勝のみの観戦としましたが、当然、複数日観戦すれば、チケット代、宿泊費等がかさむので、ふところと有給休暇取得について要相談ですね。
実は、日本人とシンガポールGPは相性がいいんです。
というのも、ここ数年、シンガポールGPは9月中旬から下旬の週末に開催され、おそらくこの日程は変わらないのではないでしょうか。
すると、日曜日の決勝レースの翌日は日本は祝日なのです!(^^)!
これが、「会社を休まずに0泊3日!シンガポールGP弾丸観戦!」を可能にしているのです。(実際にやるかどうかは別として笑)
ポイントは帰国の便
シンガポールGPの日程をたてるにあたり、ポイントとなるのは、シンガポールから帰国するフライトです。
つまり、決勝レースが終わってそのまま空港に直行し帰国するのか、1泊してから帰国するのか、の選択です。
先に述べたとおり、決勝レースの翌日は祝日です。
なるべく早く帰ってきて、翌々日の仕事に備えたいじゃないですか。現役世代の方には、ここはそのまま帰国をおススメします(^.^)
通常F1の決勝は、開催国の日曜日の15時ごろにスタートし、約2時間でレースは終了します。
ところが、シンガポールはF1唯一のナイトレース。レース開始は2019年の場合、「20:10」そしてレース終了は「22:10」の予定でした。
このあと、ホテルでゆっくり眠ってから帰国するなら何の問題もありません。が、私は、ホテル代を節約して、空港に直行してそのまま帰国したい。
すると、おのずと、シンガポール発午前2時頃~午前6時頃の便をチョイスすることになり、私のような首都圏在住の人間が、直行便を利用しようとすると、以下の便が候補に挙がります。
航空会社 | シンガポール ⇒ 羽田or成田 (2019/9現在 抜粋) |
---|---|
ANA |
0:35 ⇒ 8:45 6:10 ⇒ 14:20 |
JAL |
1:50 ⇒ 9:50 |
シンガポール航空 |
23:55 ⇒ 8:00 8:00 ⇒ 15:55 |
※セントレアや関空行きには、もっとちょうどいい便があるかもしれません。
レース終了が22:10で、すぐに空港に向かったとして、空港に着けるのは頑張っても23:30くらいでしょうか。(私は23:10に着くことができました。レポートは後ほど。)
すると、もっとも効率がいいのはJALの1:50の便ということになりますね。
それより前の便だと、あまりにも際どいし、危険です。(レース終了を待たずに、早めにサーキットを退散するという選択肢もあります。それなら、ANAの0:35発はテーブルに乗るかな・・)
今回、私はANAの6:10のフライトを選びました。
これなら、レース終了後、気持ちに余裕を持って空港まで帰ってこれるし、チャンギ国際空港には、プライオリティパスで入れるラウンジがいくつもあるので、そこで寝ればいい、そう考えたのです。
それに私は、ANAのマイルを貯めてるし。
このように、シンガポールGPを弾丸観戦しようとすれば、帰国便によってフライトスケジュールが決まります。
シンガポールGP週末観戦 弾丸フライトスケジュール
航空会社 | 便名 | フライト | 日付 | |
---|---|---|---|---|
往き | ANA | NH843 | 羽田0:40 ⇒ シンガポール6:40 | 9/20(金) |
ロイヤルブルネイ航空 | BI422 | シンガポール12:10 ⇒ ブルネイ14:15 | 9/20(金) | |
帰り | ロイヤルブルネイ航空 | BI421 | ブルネイ9:15 ⇒ シンガポール11:20 | 9/22(日) |
ANA | NH802 | シンガポール6:10 ⇒ 成田14:20 | 9/23(月) |
実際に2019年9月に、敢行したスケジュールがこちらです。
なんだか、いきなり「ブルネイ」などという国名が登場していますが、これは私の弾丸旅行という余興ということで、気にしないでください(笑)
0泊3日も可能でしたが、私は会社から金曜日を1日休暇をもらって、F1観戦のついでに、まだ行ったことがない「ブルネイ」という国を観戦?してこようと思ったのです。
でも、見てください。決勝レースの日は、シンガポールに11:20に到着しています。
つまり、このくらいの余裕を持ってシンガポールに乗り込めば、十分にF1観戦が可能ですし、時間的には少し余るくらい。
上のスケジュール表から、「ブルネイ」を取り去れば、まさに2泊4日弾丸観戦スケジュールとなりますね。
そして、往きのANA便を金曜の深夜発にすれば、1泊3日弾丸観戦ツアーの完成です。
フライトの費用
このシンガポール往復のフライトは、私はANAマイルの特典航空券で確保しましたが、実際に購入すれば68,000円でした。
予約する時期にもよりますが、ANAとJALで6~8万円。シンガポール航空で5~6万円でしょうか。
これも、早めに予約して「変更不可」などのチケットをおさえることがポイントです。
高いシンガポールのホテル
シンガポールのホテルは高い。実際に旅すればわかりますが、中堅ホテルでも常時1万円以上はします。
それが、F1レース開催時期になったら、とんでもなく跳ね上がります。
「マリーナベイサンズ」「マンダリンオリエンタル」などは、高いというより、確保できるのか、という問題になります。
これが、私がシンガポールでの宿泊を避けた理由ですが、シンガポールも観光したいなどの理由で宿泊する場合は、メトロでダウンタウンのほうまで離れれば、リーズナブルなホテルが見つかると思います。
先ほど、レース終了後は、そのまま空港に直行して帰国をおススメしましたが、深夜までレース観戦していて、翌朝早く(あるいは未明に)にチェックアウト。これに数万円の宿泊費をかけるのはもったいない。
もちろん、翌日以降も会社を休めて、シンガポールの観光を楽しむという方は別ですが、それでも、決勝レースの日曜日までは、宿泊費も高騰しているでしょう。
シンガポールGP観戦チケットの買い方
会社の有給休暇、あるいは予算と相談しながら、観戦日程を立てたら、次はどのような「観戦チケット」を入手するかです。
観戦チケットの種類
観戦チケットは、大きく次の3点に分かれています。
選択項目 | ポイント |
---|---|
観戦する日 |
金・土・日の3日連続 金・土・日のいずれか1日 など |
ZONEの選択 |
ZONE1~4に分かれている入場可能エリアのどこに入れるか |
座席の有無 |
スタンド席などの席を確保する ⇒ 「Grand Stands」 座席はなく自由に観戦 ⇒ 「Walkabout」 |
私は、「9/22(日)のみ」&「ZONE1~4(すべてのZONE)」&「Walkabout」という、「Premier Walkabout」というチケットを購入しました。
手数料込みで日本円で48,400円でした。
さて、では選択するポイントですが、
観戦する日
これは、旅行日程に合わせればいいだけですね。
私は日曜日の1日としましたが、F1マシンをじっくり見るのが目的であれば、比較的安く、そしてすいている金曜日のフリー走行の1日のみという選択肢もあります。
ZONEの選択
ZONEは1から4と区切られていて、どこに入れるようにすればいいのか悩むところですが、まずは、マップをご覧ください。
右側から順に黄色いエリアが「ZONE1」。紫が「ZONE2」。オレンジが「ZONE3」。緑が「ZONE4」となっています。
ちなみに、グランドスタンドは、黄色い「ZONE1」にあります。
レース観戦が目的ならば、「ZONE1」や「ZONE2」は外せません。
グランドスタンド前のストレートを疾走するF1マシンを鑑賞できますし、「TURN1~3」の時速300kmから100km前後まで一気に速度を落として、巧みにコーナーをトレースしていくマシンの挙動もばっちり観察できます。
ちなみに、今回私は「TURN3」にずっと陣をとり観戦してましたが、写真撮影なら、マシンの速度がかなり落ちる「TURN20」~「TURN21」あたりも、絶好の観戦ポイントですね。
※下の写真が「TURN3」のフェンス最前部からのアングルです。
「ZONE4」にも観戦ポイントはいくつもあり、「シンガポールスリング」と名づけられた難所「TURN10」は残念ながら観戦エリアに入ってませんが、マリーナベイを通して光り輝くマリーナベイサンズとともに鑑賞できるメリットがあります。
「Grand Stands」か「Walkabout」か
うーん、これは甲乙つけがたい。
今回私は、はじめてのシンガポールGP観戦ということで、色々歩き回りたく、「Walkabout」を選びましたが、最後のほうでは足が痛くなってきたのも事実。
決勝レースは2時間ですが、その前のイベントなども含めると、計6時間ぐらい立ちっぱなしでしたから。
ちなみに、当たり前ですが「Grand Stands」の方が、チケット代は高くなります。
じっくり、F1観戦したいという方は「Grand Stands」。雰囲気を楽しみたいという方は「Walkabout」、とこんな感じでしょうか。
レース観戦目的か、イベント目的か
チケット購入のポイントは、結局のところ目的になります。
というのも、シンガポールGPでは、3日間に渡って各ZONEで、豪華アーティストなどのライブが開かれるのです。
そのプログラムを見ると、洋楽好きの人にとってはたまらないでしょう。
2019年は「Red Hot Chilli Peppers」などの世界各国の豪華アーティスト21組が、会場を湧かせていたようです。
このライブは、決勝レース中も行われているので、ひょっとしたら「Walkabout」というチケットは、ライブイベント目的の人のためにあるのかもしれません。
観戦チケットの購入方法
これは、ネットでググればいくらでも出てきますが、私は世界最大のオンライン・イベントチケット売買サイト「StubHub」で購入しました。
というのは、ローソンで買おうとしたら、すでに売り切れだったので(笑)
「StubHub」は、チケット引渡しの保証などがついていて安心は安心なのですが、出品者の発送予定時期がレース直前で、それは私の出国後なので、ブルネイのホテルに届くように手配したり、結局レースの1ヶ月前に自宅に届いたりと、少し振り回されました。
トータル費用はどのくらいかかるのか
ツアーで行く場合、たとえば2019年のHIS主催のツアーだと最低価格が2泊4日のプランで1人168,000円。
これに、1人部屋追加代金28,000円を加えると、196,000円でした。
これは文字通り最低価格で、これに観戦スタンドアレンジを加えるとプラス数万円。つまり、20万円を超えます。
それに対して、私のように個人でプランニングすると、
- 航空券が前述の通り、シンガポール航空で6万円、ANAやJALで7万円。(今回の私はANAマイル利用でしたが、実際は68,000円。)
- 観戦チケットが、全ZONE入れて席のない「Premier Walkabout」で48,000円。(正規料金は36,000円)
しめて、116,000円です。
たとえば、金曜の夜、会社を退けてから1泊3日の弾丸観戦を狙う場合、土曜日のシンガポール1泊に1万円。滞在2日間の食費や交通費などに2万円使うとして、合計3万円。
15万円あればお釣りのきそうな、1泊3日弾丸観戦ツアーの完成です。
正味2日間の滞在に2万円使えるわけですから、決してつましい旅行ではないです。
F1の観戦や雰囲気を味わえて、豪華アーティストのライブも見れて、2日間のシンガポールの観光も楽しめる。
ツアーで行くより、とってもコスパのいいプランになったと思いますが、いかがでしょうか。
その他の準備
さて、ここまで準備してしまえば、あとは出発の日がくるのを待つだけです。
2020年のチケットも、年明けには発売されるでしょうから、飛行機とホテルだけ押さえて、観戦チケットの購入に備えておきましょう。
カメラとレンズ
迫力あるF1マシンが失踪する姿。カメラにうまく収めたいですよね。
シンガポールGPの場合、ただでさえ速度が速く撮影が難しいのに加え、夜という悪条件が加わります。
私は愛機「CANON6D」に、安物の望遠ズーム90~300mm(f4.5~5.6)を持って行きました。
その結果は、後ほどレポートしますが、レースの雰囲気だけであれば、スマホのカメラで十分ですね。
レインコート
今回の観戦に備え、レインコートを仕入れました。
シンガポールは赤道直下の熱帯気候。
レースのある9月はいちおう乾季にあたりますが、それでも日中のスコールは、季節を問わずいきなりやってきます。
そんなときに便利なのがレインコート。
大きめで、まとった中にカメラも入れられると思って、アマゾンで購入しました。
ポンチョのようなレインコートで、シンガポールでは幸いスコールにはあわず使いませんでしたが、折りたたんでも嵩張らないので、これからの弾丸旅行のお供にしようと思ってます。
さて、長々とシンガポールGPの観戦準備について述べてきましたが、次回は、いよいよ現地観戦の様子をレポートします。