ホテル併設のレストランでランチを終え、時刻は14時。
これからブラショフ旧市街を、本日の午後、それに夜、そして明日の朝と楽しむつもり。
タイムリミットは、明日の朝10時くらいかな。
そのくらいの列車に乗って、ブカレストに戻る予定になっています。
今日は、2023年2月24日(金)。
スケジュールの上でも、折り返しを過ぎました。
明後日の日曜の帰国フライトまで、存分にルーマニアを堪能するつもりです。
金曜日の午後 賑わう「スファトゥルイ広場」
どんよりと低い雲が垂れ込めるブラショフ旧市街の中心「スファトゥルイ広場」。
旧市街には、青空より、陰翳のほうが似合うと私は思ってます。
金曜日の午後のひとときを楽しむ市民。
ブラショフが、ルーマニアで最も美しい街とされている理由がわかるような気がします。
広場からは、いくつかの通りが出ています。
こちらは「アポルロニア・ヒルスケル通り」という、なんとも発音しにくい名前。
でも、この通りの向こうに見える山が「トゥンパ山」。
ロープウェイで登れるみたいなので、あとで行くつもりです。
そして、スタバと本屋さんのすきまから見える黒っぽい建物が「黒の教会」。
あのてっぺんの塔が、街に向かって歩いている時、ずっと見えていたシンボルです。
トランシルバニア最大「黒の教会」
しかし、こんな威圧感たっぷりな教会は、なかなかないだろう。
裏へ回ってみると、
こちらも、見るものを圧倒させます。
高さ65mで、トランシルバニア最大の教会です。
畏怖するものがあるのは、外見が黒いからでしょう。
これは、ハプスブルク軍の攻撃によるもの、町の大火事によるもの、大気汚染によるもの、と諸説あるそう。
個人的には、この清楚な街で大気汚染?と聞いてもピンときません(^ ^)
さて、入場料がいるみたいですね。
20レウ(580円)でした。
黒の教会も、近くで見ると、そんなに黒くないんです。
一歩入ると、高い天井が出迎えてくれます。
そして、壁にかかっているのはペルシャ絨毯。
ルーマニアで最大の絨毯コレクションとのこと。
ブラショフは、ドイツとイスタンブールを結ぶ中継点にあり、当時の名士やギルドなどが、中東から持ち帰った絨毯を寄進しているうちに、美術館のようになっていきました。
飾られた絨毯の数はいくつになるのでしょうか。
「スフォリー通り」ヨーロッパで3番目に狭い通り
「黒の教会」を出て、すぐのところにある「スフォリー通り」。
入り口は狭く、そして特に着飾ってないので、意識してないと、通り過ぎてしまうでしょう。
入り口が狭いのは当然で、ここはヨーロッパで3番目に狭い通り。
どのような定義なのかわかりませんが、このルールによると、1位はドイツ・ロイトリンゲンの「シュプロイアーホフ通り」で幅は31cm。
2位はイギリスのエクセターにある「パーラメント・ストリート」で60cm。
で、ここが3番目に狭いらしいです。幅は111cm。
この南京錠は、なんのおまじないだろ?
至るところにありました。
落書きは公認のようですね。日本語を一生懸命探しましたが、ありませんでした。
夜は夜で怖そうな雰囲気です。実際、こんなとこで襲われたら逃げ場がないw
落書きは楽しいよね。
通りを出たところで、いきなり出くわすこの像にびっくり。
スフォリー通りはロープ通りとも呼び、この女性が身体にロープを巻いて「ロープ通りはここだよ」と案内してくれているのでした。
3番目に狭い通りを通ったならば、2番目や1番目も通りたくなるね(^^)
トゥンパ山登山のロープウェイ
さて、日没まではまだ時間はありますが、「トゥンパ山」に登ってしまいましょう。
「トゥンパ山」とは、ブラショフの街の南にそびえる標高865mの山。
ロープウェイで簡単に登れるはずなんですが、冬季だと運転終了が早い可能性があるので。
やっぱり16時で終了でした。ただいま15:44。きわどいw
最初、これ、意味がわからなかったんですが、上りと下り。
ルーマニア語で「si」は&の意味なんですね。すなわち往復は25レウ(725円)。
なんだか、2年前の「地球の歩き方」の値段よりけっこう上がってる。インフレですか。
待つこともなく現れたロープウェイ。
マスクなんて、誰もしてませんよ。いいな、この社会環境。
下りのロープウェイとのすれ違い。しかし、赤茶けた屋根が素晴らしいな。
すごい高さになってきました。
標高865mというけど、標高差はどのくらいなんだろ?
ブラショフの標高が650mなので、200mくらい?
ほんの数分でここまで運んでくれました。
ロープウェイ駅を降りる時に、駅員さんがなにやら注意喚起してました。
私を見かけると、英語で「最終は17時だぞ」と念を押します。了解です。
トゥンパ山展望台から見下ろすブラショフの街
スタッフの方が念を押すのも当然で、ロープウェイ駅から展望台は、けっこう距離があるんです。
しかも、雪解けでぬかるんでる。スニーカーがぐちゃぐちゃに。
真っ先に考えたのは、ホテルの絨毯汚しちゃうな・・・
なんか、いろんなことを注意してますが、ここには徒歩で来る人もいるんですね。
だから下りだけのチケットがあるのか。
おお・・展望台に行き着く前でも、絶景です。
ブラショフ32万人の全戸が見渡せます。
スファトゥルイ広場が箱庭のよう。
展望台です。
おお・・言葉が出ない(^ ^)
なんか、私がブラショフの駅に着いて、バスターミナルまで歩いて、スファトゥルイ広場までたどってきた道のり全てがおさまってます。
スファトゥルイ広場にズームアップ。
これiphone14proで撮ってます。これも驚き・・
ブラショフの街はドイツ人が興したそうだけど、この山から俯瞰しながら、街を描いたのではないかと思うほどに芸術的です。
あの学校の校庭があるあたりから左側の地区が「スケイ地区」。
入り口には立派な門があるそうで、あとで行ってみましょう。
あれはゴルフ場?スキーのゲレンデ?
カルパチア山脈の一部です。
向こうに見える丘を越えていくと、中世の商業都市として栄えたシビウがあり、さらに北へ行けばウクライナになります。
大陸は広いな・・・ほんとに自分が小さく見える。
さて、乗り遅れないようにちゃんと駅にきましたよ。
今回の旅、日本人はおろか東洋人とも一回たりとも遭遇していない。
まわりは皆スラヴ系やラテン系の美しい顔ばかり。
それが、また旅心地を高めてくれてるんだけど、ところで、今回も過去も含めていわゆる「アジア系差別」って一度も受けたことない。
私が鈍感なだけかもしれないけど。
それどころか「あと一人乗れるよ!」ってときに、行列のみんなが私に声を掛けてくれた。
これは、アジア人がひとりでポツンといるな、と気がついてないと、そうはならない行為。
そんなプチ親切って、とても嬉しく感じる(^ ^)
下界に降りてきました。
さて、日が暮れるまで、ブラショフの街をもう一回りしますか。