ブラショフという町は、12世紀ころ、移住してきたドイツ人によって造られました。
では、その前に先住民がいたのかというとルーマニア人が住んでいて、町の奥に追いやられました。
そこが、ブラショフにおいてもさらに古い旧市街「スケイ地区」。
日没まであと1時間半ほどですが、そのブラショフとも少し雰囲気の異なる「スケイ地区」を散歩してみたいと思います。
中心街とスケイ地区を隔てる「スケイ門」
トゥンパ山を降りた私は、徒歩で「スケイ門」へ向かってます。
途中目にした学校の校庭?
アイススケートが授業に組み込まれてるのかな。今日は金曜日です。
校舎も素敵だ。
そして、現れました「スケイ門」です。
当時のまま残されているのでしょうか。
中心街とスケイ地区は、この門で完全に隔たれ、スケイ地区に住むルーマニア人は基本的に街には入れなかったそうです。
今では、一方通行の道がスファトゥルイ広場に向かって伸び、クルマが自由に通過しています。
「自由」とは、なにげなく使ってしまう単語だけど、実はそれを手に入れるには、自分の力だけではどうにもならないものなのかもしれない。
私は、本当に運のいいやつだ・・
門から飛び出してきたバスを見て、突然そう思います。
金曜日の夕方17時。ラッシュがはじまってますね。
ルーマニア正教「聖ニコラエ教会」
さて、スケイ門をくぐってスケイ地区へ。
気のせいかもしれないけど、建物の様子が変わった気もします。
そして、上の細い路地を登っていくと、現れるのが「聖ニコラエ教会」です。
ルーマニア正教の美しい教会です。
スケイ地区のど真ん中に建ってますが、建てられた14世紀のころは木造だったそうです。
14世紀のドイツは、ちょうど宗教改革がはじまる頃ですかね。
カトリックにプロテスタントといっても、同じキリスト教。
しかし、トランシルバニアは、オスマン帝国の属国だった歴史もある。
こんな立派な教会を建てることができたのは不思議だ。
ていうか、中世のヨーロッパの歴史は複雑すぎ・・・勉強のしがいがあります(^ ^)
聖ニコラエ教会から周りを見渡すと、山はだにへばりつくように家が並んでます。
あれが、移住を余儀なくされた姿の名残なのでしょうか。
聖ニコラエ教会をあとにします。
夕暮れのスケイ地区〜スファトゥルイ広場
日がまさに落ちようとしている統一広場。スケイ地区としての広場ですね。
金曜日の夕方を思い思いに過ごすスケイ地区の人々。しかし、みんなタバコ好きですね。
勇敢に闘ったであろう戦士に聖ニコラエ教会。
スケイ地区の散歩。
ブラショフ旧市街とは、やっぱり雰囲気違いますね。
狭い旧市街は散歩が楽しい。マップなど見なくても、迷子になることがないから。
てきとうに歩いて、スファトゥルイ広場と思しき方角へ。
ブルガリアもそうでしたが、ルーマニアも歩行者優先らしい。
横断歩道でクルマは止まる。これは日本以上に徹底されています。
スケイ地区とは異なる外観の旧市街へ。
あの塔が、スファトゥルイ広場にある塔ですね。
方向音痴の私でも、街のシンボルがあれば迷いません。
スファトゥルイ広場を、端から端までゆっくりと散歩。
気温は10度くらい。そして、風がまったくないので、寒さは感じません。
この旅に出る前、その前の週から、つまり2月中旬からルーマニア各地の天気をチェックしていたんですが、ほとんど雪マーク、そして氷点下でした。
その覚悟で訪れましたが、存外に暖かいので拍子抜けです。
ブラショフの北緯は45度。北海道の北端とほぼ同じ緯度です。
さっきまでいたトゥンパ山ですね。
こういう欧州の街並みに、雪が積もった姿も見てみたい。
泊まっている「カーサ ワグナー」。
ほんと、建物が溶け込んで、場所がわかりませんでしたw
なんか、人が集まってるな、と思ったら・・・
今日は2月24日。ロシアのウクライナ侵攻から1年の日でした。
ルーマニアとウクライナは隣国同士。
そして、ルーマニアはNATO加盟国。価値観の共有は重要です。
ウクライナから60万人以上の市民がルーマニアに逃げてきていると聞きます。
そして、民間レベルでも避難民の受け入れ支援が進んでいるとの情報も。
スファトゥルイ広場で食べるディナー
ウクライナ侵攻の追悼を眺めて感傷的になりましたが、食事をいただきます。
人間は生きていれば、どうしても腹は減る。生きていることに感謝です。
また、ウエイターさんに「おススメを・・」と言ってから、「ルーマニア料理を・・」と言うの忘れてしまいました。
まずは、ルーマニアのビールで本日の無事に乾杯。
運ばれてきたスープ。コンソメ風かな。
チーズクリームと唐辛子つき。
野菜のたっぷり入った、美味しいスープでした。
クリームチーズを入れるあたりは、ロシア風?
スファトゥルイ広場にも、夜のとばりが降りてきているようです。
今日は、ブルガリアのルセで、未明というより深夜1時半に起きて、そこから行動しっぱなし。
さすがに疲れて、お酒が旨い。ワインをボトルでオーダーしちゃいました。
異国で飲むワインは美味しいわ(^^)
メインディッシュがきました。
なんという料理かわからないけど、ボリューム満点。これはお腹いっぱいになりそうです。
そして、赤ワインにも合いそうだ。
はあ、ほんとに美味しかった・・ごちそうさまでした。
値段がいくらか忘れてしまったけど、けっこうリーズナブル。
ワインも美味しいし、スファトゥルイ広場沿いのこのお店、おすすめです。
ブラショフの街は夜でも賑やか。
おや・・トゥンパ山のサインがライトアップされています。
金曜の夜だから賑やかなんだろうな。万国共通です。
ホテルに戻ってきました。
ブラショフの街歩きよりも、迷子になりそうなホテルの通路。
自分の部屋に行くのに、何回も階段を上がったり下がったり・・
そして、部屋に落ち着いて、飲みなおしです。
ワインを持ち帰りたいという私に、専用キャップをつけてくれた親切なレストラン。
50レウ紙幣(1450円)が手に入ったので記念撮影。
明日は、ルーマニアの首都ブカレストへ出ます。旅もあと余すところ2日です。