マトラ・フォートから眺めるマスカットの白い街【オマーン旅行記 #7】

マスカットで、展望台的な高台から街を見下ろす場所といったら、ここになるのだろうか。

本日は、その「マトラ・フォート」に、夕暮れから夜にかけて3時間ほど立てこもった話。

意味もなく、刻々と変わっていく、空と海と街を眺め続けました。

人生は、こういう他人が見たらまったく意味のない行動に、意味を見つけることが楽しみだったりする。

そんなことを考えながら、暑さで疲労気味の身体を横たえていたベッドで目を覚ますと、天井の竹細工が目に入り、一瞬ここは日本かと^ ^

夕方になって幾分涼しくなるマスカット

ホテルで、2時間ほど睡眠をとると、ウソのように体力の回復を実感。

夕方になって、少しは涼しくなっているというのもあるでしょう。

ホテルの周辺を散歩するだけでも、今までの旅経験でもめったに目にしたことのない奇怪さ。

岩と街が一体化してるよ、ほんとに^ ^

では、この岩に囲まれた街を、展望台から眺めたら、どんなことになるのか。

「マトラ・フォート」に登ってみましょう。

「マトラ・フォート」から見下ろすマスカットの街

最初、入り口がどこだかわからずとまどいましたが、見つけてみると、立派な事務所。

日曜日から土曜日とは、独特な表現。

そして、夜は21時まで。これは意外・・・けっこう早いね

ほかに観光客もなく、私を日本人と知ると「ウエルカム!」。

冷房の効いた事務所へ招き入れてくれ、しばし雑談。

しかし、お互い、英語がカタコトなので、長く続かず残念。

こういうシーンに出会うたびに、英語ぐらいは勉強しようと思うんだけど・・・

でも、オマーン人の親日度ははっきり伝わってきました。

そして2リアル(770円)のチケットを買って、いざ登頂です。

遠くから見たときも「高そうだな」と思ったけど、下から見上げても高い。

階段の段数は何段あるんだ?

のぼるとき数えたら、100段とちょっとだったと思う。

夕方になって涼しくなってるとはいっても、35度はある。

扇風機が送ってくれる風が神の助け。

すごいね、マトラフォートには、我が国日本もかかわってるんだ。

ようやく、フォートの中腹へ。

旧市街の方角は、まだ日が高く逆光になるので、もう少しタイミングを見てから。

さっき歩いた遊歩道だけど、まだあまり歩いてる人いないね。

塔の上にあるカフェには、大砲が設置してありました。

この角度だと、オマーン湾からペルシャ湾に入る船を狙うのか。

まだ、この時間だと、観光客はまったくいません。

マトラ・フォートを独り占め。夕方、いや夜までここで過ごそう。

マトラの街並み。白い建物が美しいね。

かつての海岸線は、あの建物の辺りだったんだろうな。

日本にも同じような光景があるので、どこか親近感がわきます。

さて、まだ上があるんです。

一番上まで、登ってみましょう。

親近感がわくといったけど、こちら側の景色はそんなことはない。

なかなかお目にかかれない景色にうっとり。

すごいよね、ほんとに。

岩をくり抜いて建物を建てたとしか思えない。岩盤も硬そう。

太陽もだいぶ傾いてきた。そろそろ観光客、というか地元の人たちも来るんだろうか。

夕闇に包まれるマスカットの街

旅先では、時間の経過を早く感じる。

マトラ・フォートの上のチェアに腰掛けて、海を眺めてるだけであっというまに1時間経過。

マスカットの街に夕暮れがやってきました。日本時間では、日付が変わる頃です。

日本との時差を意識する。旅に出てる感覚を実感。

そして、遊歩道を人が歩きはじめました。マスカットの活動時間開始。

夕暮れになって、モスクもひときわ映えます。

この旅に出て6日目。

淡く白い街を見下ろしながら、なんとなく、今回の旅を回想。

私の今までの旅歴においても、けっこう思い出に残る旅。

たった1週間の日程だけど、サラリーマン風情の夏休みでは仕方ない。

2週間も3週間も、あるいは1ヵ月と休みが取れる人は、ほんとにうらやましい。

だけど1週間しか休みがとれないからこそ、いろいろ工夫をする。

だから、いつまでも思い出に残る。

私は勝手にそう思ってる。

サラリーマンは、時間との戦い。

旅は弾丸旅行にならざるをえない。

でも、その旅において、こうして時間をぜいたくに使う瞬間があるから素晴らしい。

街に灯りがともりはじめたね。旅してて、この時間帯が一番好きだ。

さっき、日本との時差を意識したけど、この海の向こうを、こうしてる間も、日本のタンカーが石油を積んで航海してるはず。

日本の石油消費量は、1日あたり50万キロリットル前後らしい。

すると25万トン級の大型タンカー2隻分に相当。

日本とペルシャ湾のあいだを、タンカーは約50日かけて往復するわけだから、最低でも100隻以上のタンカーが稼働している計算(合ってるかなw)

日本経済もすごいけど、それだけの石油を産出する中東諸国もすごい。

そして、その石油を日本に運んでくる仕組みをつくった人たちは、本当にすごい。

そんな天文学的数字のイベントが、毎日この沖合で繰り広げられているのかと思うと、わけもなく感動してしまう。

声がしたな、と思ったら、ようやく観光客、じゃなくてマスカット市民が憩いの場を求めて登ってきました。

観光客のいないマスカット。いまは8月。観光シーズンって、いつなんだ?

オールドマスカットへ向かう道も、いい色になってきたね。

アザーンがこだましはじめた。

すごくいい音色・・・中東を旅して、感動の瞬間だ^ ^

アザーンを聞いたら、明日帰国しなくてはならない身に、気持ちの整理がついた。

サウジアラビアにオマーン。

素晴らしい中東の旅だった。本当にありがとう(^ ^)

少しづつ、灯りがともっていく時の流れを楽しむ。

スークはどの辺りかな。

日の落ちたオマーン湾

時刻は19時。16時半から2時間半もマトラ・フォートの上にいる。

でも、刻々と色を変えていく空に街の姿が、本当に美しい。

ほかに言葉が見つからないw

 

夕暮れの白い街を眺めているうちに、

長期の旅にも出たいけど、いったん日本に帰らなくてはいけないから、旅の記憶っていつまでも色あせないのかな。

そんな気もしてきた。

そして、とっぷりと日が暮れます。

オマーン湾の静かな水面も濃いパープルに。

二人で眺めるに値する景色。

では、そろそろ盛り上がっているであろうスークを訪ねましょう。

20時を過ぎて、オマーン湾は、完全に闇の中に。

スークのあたりは、こうこうと灯りを放ってます。

素晴らしく思い出に残った「マトラ・フォート」でした。

今回の5泊8日サウジアラビア&オマーン弾丸ひとり旅の全行程・旅費などのまとめはこちらです