ハリッサをあとに、そしてビブロスに向かいます。
念のため、運転手に「トリポリには行けないか?」と聞くと、やはり道路が封鎖されている上に、トリポリ市内は、デモ抗議活動が激しいとのことで断念。
でも、ビブロスを見学できれば、「レバノンの3B」、つまりベイルート・バールベック・ビブロスの3ヶ所を制覇したことになるので、ちょっとした満足感。
しかも、ビブロスは、紀元前3000年頃に、フェニキア人が世界で最も古い都市国家をつくった場所。
聖書を意味する呼び名「バイブル」は、ここビブロスから来ているそうなので、ちょっとゾクゾクするじゃないですか。
なので、トリポリはあきらめます。
ちなみに、トリポリは町の中心部を含めて外務省危険度が「レベル2」に指定され、不要不急の訪問中止を勧告されている場所です。
ハイウエイをビブロス(ジュベイル)へ
わがタクシーは、巧みに封鎖箇所を避けながら、ハリッサからの急斜面を駆け下ります。
そして、地中海沿いのハイウエイを北へ、ビブロスに向かいます。ビブロスまで20kmあまり、すぐです。
ビブロスは、ギリシア人がつけた名前で、現在の呼び名は標識にもあるようにジュベイルです。
ビブロスの港に到着
さて、タクシーはビブロスの港に着きました。
ここ、ビブロスの観光の目玉は、なんといっても世界遺産にもなっているビブロス遺跡ですが、焦ることはありません。
時間はたっぷりあるんです。
港をゆっくり散歩してから、遺跡を上っていき、遺跡の入り口にあるスークで1時間半後に合流しようと約束して、運転手と別れました。
まずは、波止場の上で、地中海とのふれあい。
久しぶりに、間近で見る地中海。
モニュメントと、ベンチにたたずむ老人。
なにかの像。
そして、向こうがビブロスのビーチだそうですが、なんかうら寂しいですね。
夏には賑わうのでしょうか。
釣り人。
さて、そろそろ、港から遺跡のほうに上がっていきましょうか。
海岸には、ペンションぽいホテルが、並んでいるような気がします。
どなたかのブログにも、ビブロスには安宿がないと書いてあったし。
この辺から、坂を上ります。
当たり前ですが、おみやげ屋さんも多い。
ビブロス遺跡の散策
遺跡の入り口です。雨が上がって、晴れてきました。
入場料は8,000LP(560円)と良心的。
チケット売り場から入ると、すぐにビブロス遺跡の最大の見どころ「十字軍の城」が目に入りますが、あとの楽しみに取っておきます。
まずは、海岸に続く丘に点在する遺跡を見学です。
歩いていると、線路にぶつかりました。かつては貿易港だった名残でしょうか。
線路の敷かれているほうを見ると、「十字軍の城」が。これは、あとで登ります。
線路は、いくら古くても150~160年くらいの歴史でしょうが、あの柱は紀元前18世紀ころに建てられた神殿跡です。時間のスケールが違いますね。
晴れてきたのはいいけど、暑くなってきました。なんと贅沢な(笑)
保存状態は、決して良くはありませんが、青い海の見える遺跡跡って、なかなかのものです。
ミニチュアの円形劇場
さらに歩くと、ローマ劇場が見えてきました。
この円形劇場で、地中海を臨みながら何を催していたのでしょう。
このあたりは、元住居でしょうか。
山肌にはりつくビブロスの町。
あの、「十字軍の城」に、早く登りたくなりました。
でも、もう少し遺跡を散歩。
青銅器時代の大公邸?
手前が神殿跡で、奥の茶色い建物が、青銅器時代の大公邸と「地球の歩き方」にも書いてあるんですが、ほんとですか??
この建物、ほんとに紀元前1000年といった時代の建物?? だって、青銅器時代でしょ?
まあ、それにしても、地中海を眺めながら、時を感じるにはもってこいの場所ですね。
柱の根元?
「十字軍の城」からの眺め
さて、では「十字軍の城」に登ります。
階段を上がると、トンネルのような場所をくぐります。
途中、ミニ博物館のような部屋がありました。
さらに上へ。
城の中層階から見えた景色。遺跡の様子も上からのほうがよくわかりますね。
青い地中海に映える列柱。
2000年前に戻ったら、この景色は、どんな風に変化するんだろうか。
ここに立てこもって、十字軍を迎え撃ったんですか。
なんか、ロマンがありますね。
ここも、実はまだ中層階です。さらに上があります。
急な階段を上がると、
最上階に出ました。
「十字軍の城」最上階からの絶景
うわっ、地球が丸く見えます。
これは、素晴らしい。
背後に青い海の神殿跡なんて、カッコよすぎます。
レバノンって、美しい国ですね。
これの、どこが「危険な国」なんでしょう。
海から吹いてくるそよ風が気持ちい。
時間を忘れて、「十字軍の城」に、しばしたたずみます。
観光客は、みんな同じ気持ち。
素晴らしい、ビブロス「十字軍の城」の演出でした。