私は、学生時代、地理の授業で、ヒンズー教の聖地を「ベナレス」と教わりました。
沢木耕太郎さんの「深夜特急」でもベナレス。
ジョジョ第3部でジョースター一行が敵と闘ったのもベナレス。
なので、どうしても「バラナシ」という読み方には抵抗があります。
正確には、ワラーナシィーと呼ぶそうですが、ますます、遠ざかっていく・・・
沢木耕太郎さんは、ベナレスという町をこう表現している。
ベナレスは、命ある者の、生と死のすべてが無秩序に演じられている劇場のような町だった。私はその観客として、日々、街のあちこちで遭遇するさまざまなドラマを飽かず眺めつづけた。
(出典:沢木耕太郎 著作「深夜特急3」)
一方、ジョジョを演じる荒木飛呂彦さんは、
聖なる河ガンガー
聖者・老人・病人・こじき・こども・牛・猿・犬・食べ物・排せつ物・燃える屍体
すべてをやさしく包み流れつづける河・・・
この河には、生まれてから死ぬまでの全てが縮図としてある。(出典:荒木飛呂彦 著作「ジョジョの奇妙な冒険16巻」)
これらを読んでも、意味がわからなかった。
「生と死のすべてが無秩序に~」と言われても、「生まれてから死ぬまでの縮図~」と言われても、正直、ピンと来ない。入ってこない。
でも、たしかにうったえるものはあります。
何が言いたいのかはわからないけど、文字を追っていけば、現地を生で見て著者の胸の高ぶりなどは透けてみえます。
ヒンズー教の聖地、バラナシ。
さて、どんな街なのか、今回のインド弾丸旅行での最大の関心ごと。
今日と明日の散策で、自分なりの答えを見つけたい。
つまり、今まで様々な書物からの情報で与えられた先入観なしに、自分の目で実際に見て、インド、あるいはバラナシを解釈してみたい。
そう勝手に力んで、夜明け前に起床しました。
バラナシの朝 沐浴の見える風景
この時期、バラナシの日の出は6時半。5時半に起きて、6時にホテルを抜け出します。
まだ、昨日の夜のつづきのような雰囲気。
そして、気温が12度。意外と寒いです。
まだ、眠っているかのようなガンジス川。
少しづつ空が色づいています。
ガートからガートへは、ふつうに歩いて移動できるみたいですね。
昨日も、ここを歩いたはずなんだけど、なんか覚えてない。
昨夜の、あのひと悶着は、夢だったんだろうか(笑)
ちなみに、ここバラナシには84ものガートがあるそうですが、そのなかでも中心をなすのが、「ダシャーシュワメード・ガート」。
SITAゲストハウスは、この少し上流にあります。
まずは、ダシャーシュワメードガートの方に向って、歩いていこうと思います。
沐浴しようとしている人々を見かけます。
あの人は、ガンガーを眺めながら、何を思う?
気温は12度です。水もけっこう冷たいはず。
ガートのところどころに、いわゆる神様が祭られています。
あらゆるガートで沐浴、というより祈りがはじまりました。
男性と女性で分かれているのかな。
ボートで、沖にくりだす人も増えてきました。観光客かな。
ダシャーシュワメード・ガート 朝の賑わい
ダシャーシュワメード・ガートに近づいてきました。
夜も明けてきて、人の数も増えます。
あれ、全部観光客なんだろうか?
なんか、地元の人っぽい人もけっこう乗ってるんだけど。
これが、バラナシの朝の風景なんですね。
ダシャーシュワメード・ガートまで来ました。
お祈りです。
こういう営みを、毎日繰り返しているんですね。
3000年も・・・
すごい世界観ですね。素直にそう思います。
ダシャーシュワメード・ガートの展望台に立って、しばらく目の前の風景を眺めます。
ダシャーシュワメード・ガートを行ったり来たり。
「ボートに乗らないか?」と声をかけてくる連中が、いっぱいいますが、私のような観光客がカメラをさげて歩いていても、生活する人々は動じません。
ガンジス川の日の出
気がつくと、太陽が姿を現しかけていました。
朝日なのに、どこか夕日を思わせる太陽。
キキッと、動物の鳴き声がしたのでふり返ると、猿でした。
バラナシは世界的な観光地。
太陽もだいぶ上がってきました。時刻は7時半です。
雨季には、向こう側の河原も、河の水で埋め尽くされてしまうそうです。
太陽に向ってお祈りする人。
こちらも襟を正す気持ちになります。
眺めていると、時を忘れてしまいますね。
なんか、うまく言葉が見つからない・・・
まだ、バラナシの朝の風景を見て、たったの1時間。
まだまだ、インドを解釈するなんて至りません。
でも、なにか、旅心地のようなものがこみ上げてきます。
ガンガーを埋めつくす船の群れ
上流に向うボートの群れ。
相場は300ルピーぐらいみたいですから、明日にでも乗ってみようかな。
ゆっくりと、ホテルのほうに戻りかけます。
ガートでバトミントンに興じる娘さん。
朝日を見つめる僧?かな?
SITAゲストハウス付近まで、戻ってきました。
観光客も多い。
ヒンズー教の最大の聖地ですから、インド人観光客も多いようです。
このおじさん、さっきからずっと身動きせず・・
スマホを持つ若者も多い。
やっぱり、なにかの修行をしてるんだろうな・・
カッコよすぎます・・
神様の上に立っていいのかな。
さっき、私が登ろうとしたら、注意されたけど。
バトミントンも楽しそう。
修行がんばってください。
午前8時。お腹もすきました。
水は、濁ってるかなとも思いましたが、けっこう綺麗です。
夜明けのガンジス川の風景でした。