日露戦争の傷跡 ~ 旅順口の散策【旧満州旅行記 #5】

生々しい東鶏冠山北堡塁を見学して、厳粛な気持ちになりました。

運転手の話だと、ほとんど日本人は来ないということですが、日本人が来なくなったら、誰がこの場所を弔うのでしょうか?

私は、戦争を知らない世代。だからエラそうなことを言える立場ではありませんが、戦争の愚かさを語り継いでいくためにも、こういう場所は、修学旅行などで、訪問すべきと思います。

二龍山堡塁

次は、二龍山堡塁です。

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旅順の三永久堡塁のひとつです。

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ちなみに、風が吹き、とても寒いです。

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兵隊さんや、市民たちも、この寒さはこたえたでしょう。

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さきほどの東鶏冠山北堡塁と異なるのは、トーチカを組み上げるのではなく、地下埋没式の外壕であるとのこと。

しかし、砲撃から身を守るために、こんなとこに体を隠すなんて、どんな気分だったのかな・・

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しかも、最後は地下から爆撃を受け、全滅・・
生きているという意味を、見つけるのが大変だったことでしょう・・

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しかし、現在は、軽井沢あたりの高原を思わせるようなのどかさです。

夏は爽やかなのではないでしょうか。

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白玉山塔から眺める旅順の町

100年ほど前、とてつもない激戦が繰り広げられたとは、とうてい思えない。

そんな、のどかな風景が広がる白玉山塔に到着しました。

ここが旅順口感無量です。

白玉山塔への入場は40元。

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それにしても、旅順などと、よく命名したものです。

水陸旅客の順路にあたる、極東の要だったからこそ、悲惨な争奪戦が展開されてしまったわけですが。

近年は、発展も著しいように見えます。

アパートなども、続々と建てられてますね。

開戦の前に、日英同盟まで取り付けて、戦った日本軍。
息子さんまで犠牲にした戦った乃木将軍。

そもそも、ここ遼東半島は、日清戦争で、日本が正々堂々と、確保した土地。それを、三国干渉で泣く泣く手放した土地。

戦争は、もちろんいけないことですが、日露戦争に負けていたら、日本も、キリスト教社会の植民地に、と思うとゾッとします。

運転手は、昼食はどうするのだ? と聞いてきますが、時間がもったいないので、ひたすら回ることにしました。  

 

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乃木希典と東郷平八郎が、日本兵慰霊のために建てた塔です。

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快晴で、戦争の影など、微塵にも感じ取ることのできない白玉山を後にします。

旧旅順の最高法院

旧旅順の最高法院です。

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ここで、いろんな事案を裁いたそうです。

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由緒ありげな内部です。

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裁くだけでなく、刑も執行していたらしい。

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うわー・・・  って感じですね。

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ねはんって、涅槃のことかと思ったら、当直って意味のようです。

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東清鉄道の終着駅 旅順駅

続いて、旅順駅。ロシアが建設した、東清鉄道の終着駅。

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中に入ることはできませんでした。

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旅順博物館

だんだん、駆け足になってきましたが、旅順博物館。

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中は撮影禁止。というより、運転手さん、「ここは日本人立ち入り禁止よ」と言って、自分の息子かなんかの身分証を見せて、私を入場させていましたが、大丈夫??

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旅順の旧ヤマトホテル

旅順の旧ヤマトホテルだそうです。

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軍港旅順の静かな波

そして最後、軍港旅順、眺めるだけでなく、入っちゃいました。

しかし、大丈夫かい? 「~歩き方」によると、外国人立ち入り禁止になってるけど。

  

運転手さんが、チケット売り場の人と知り合いみたいだったし、まいいか・・・

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見おろすだけでなく、旅順の潮の香りを存分に吸い込みます。

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風はおさまり、太陽が柔らかく暖かい旅順港です。

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静かな波。

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ちなみに、旅順は琥珀で有名とのこと。
これは、水師営会見所のお土産屋で、記念に買ってきました。
右側が琥珀です。

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ここで、感慨に浸るのは、日本人ぐらいでしょう。

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旅順港は綺麗でした。

軍港旅順の砲台と弾庫

時間が少しあったので、砲台を見学。

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弾頭が当時のまま、保存されてました。

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すごい威圧感。もう、お腹いっぱいです(笑)

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駆け足だったけど、充実の旅順めぐりでした。

タクシー運転手にお礼を言って、バスターミナルに戻ります。