時計を見れば午前10時半。
つまり、上海の虹橋駅からメトロとバス、そして徒歩で2時間程度で周荘にアクセスできたことになります。
古い地球の歩き方を見ると、上海中心部からのツアー参加や、観光用の直通バスの利用が推奨されていますが、メトロで朱家角まで来れるようになったことで、簡単に公共交通機関だけで訪れることができました。
そして、周荘古鎮は、数ある上海の水郷においても中国政府から「国家5A級景区」に認定されている、900年からの歴史といわれる古鎮。
では、そんな周荘古鎮を、のんびりと歩いてみますか。
周荘古鎮の入り口で回鍋肉の早めのランチ
上の地図が、周荘のマップ。
どこからでもアクセスできますが、公共のバスやツアーバスで来ると、北側からアプローチすることになるようです。
そのまま水路沿いに散歩して、南側に抜ければ、今夜の宿「西糖」も方角的には南なので都合がいい。
周荘景区に入るには、この大きめの水路を周荘大橋という橋で渡ることになります。
ただ、橋を渡るだけでも楽しい中国の散策。
運河の中之島ともいえる周荘に上陸。
漢字圏でも、台湾とも違う雰囲気。
周荘エリアに入った途端に、中華料理屋さんに呼び込まれましたw
でも、ちょうどいいや、朝は朝マックしか食べてなくて、お腹空いてるし。
回鍋肉をオーダーして、中国のテレビを見ながら待ちます。
熱々で美味しそうな回鍋肉。
ご飯は日本の方が美味しいけど、この回鍋肉はまさしく中国の味。
やっぱり来てよかったな、週末弾丸だけど。
900年の歴史を誇る周荘の水路に沿って歩いてみる
さて、満腹したところで、散策開始。
歩きはじめてすぐ、南北市河という運河に出会いました。
地図で見ればわかるように、このあたりは紀元前からの古都「蘇州」の南東。
とにかく、水路という水路がはりめぐらされ、「南船北馬」という言葉が生まれたのもうなずけます。
そして、この水の源はアジアの大河「長江」。
スケールの大きな話です。
それにしても、素晴らしいな、これは・・・
息を呑む、というけど、ほんとに息を呑むような美しさ。
5年半ぶりの中国ノービザ渡航に際し、まずは週末弾丸に上海の水郷を選んだのは正解だった。
たった2.8万円の航空券で、こんな素敵な景色が見れて幸せを感じる。
土曜日なのに、意外と観光客も少ない。
たぶん、中国人もツアーバスで来るんでしょう。
ツアーバスの時間とかさならなければ、古鎮を独り占めできるシナリオ。
だから、水路沿いの茶屋もガランとしてます。
こんな景色を眺めながら、中国茶でもいただいたら最高でしょう。
明、それよりもさかのぼる元の時代からの古鎮。
当時の姿は、どんな光景だったのか。
歴史ある国の景色は、様々な想像をかきたてます。
さて、もっと奥へ行ってみましょう。
渡し船に乗って、中国茶を楽しむこともできそうだ。
ずんずんと進んでいくと、突然、行手を阻まれました^ ^
ここから先は、入場料がいるそうです。
イクズキューズミー、と声をかけられたので、やはり私は日本人とわかるみたい。
迷路のような周荘古鎮
水路から離れても、周荘の街は細い路地が入り組み、時空を超えた散策を体験できます。
このあたりは、元や明の時代の富豪たちの屋敷。
国土の広い大陸中国。いくら富をもってしても、統一は至難の業だったことでしょう。
そんな苦労が滲み出るような旧家。
これは廟とあるから寺院かな。
ふたたび水路にぶつかります。
橋の数は少ないので、目的地をはっきりさせて歩かないと、思わぬ遠回りになります。
そのための渡し船なんですよね。
ここで、私は、軽々しくベネチアのようだなどと喩えたくない。
渡し船を操るのは、ほとんどが女性のようです。
さすがに国家5A級景区。つまり、もっとも位の高い観光区域。
設備も整っています。
そして、数少ない橋には、それぞれ由緒がある模様。
これが双橋。周荘を象徴する橋のようです。
双橋とは、二つの橋が向かい合っているから。
双橋のアーチ型でない橋(永安橋)のほうを、ちょうど渡し船がくぐっていきました。
女船頭さんのたくみな技術。
それにしても、水面までたれさがる蔦が見事。
夜来たら、夜景も綺麗なことでしょう。
ぶつけないで漕いでいくのは、かなり大変だろうと想像します。
上海の水路を歩くと「南船北馬」の意味がよくわかるというけど、ほんとだ。
こんな古鎮が随所にある上海は、やっぱり歩いて楽しい街。
上海に雨季があるのかどうか知らないけど、これ、水かさが上がったら、どうなってしまうんだろう。
民家なのか、観光施設なのかわからないけど、家からそのまま船に乗り移れるようになってます。
上海への訪問は、自分としてはけっこう多く、6度目。
最初に訪れたのが、実は会社の研修旅行で1997年の9月。
だから、今から20年近く前だけど、外灘などの都市部を、上海市民は自転車で走り抜けていた。
それから急速に発展した中国の商業都市上海。
では、上海は、ただの都会になってしまったのかというと、まったくそんなことはなかった。
週末弾丸でも、こんな光景をあらためて拝めることに、本当に感謝。
午後になって、観光客も増えてきたようです。
この通りは美食街らしい。
住んでる人たちも、この通りで食事するのだろうか。
たしかに、美味しそうな香りがただよってきます。
本日の上海は曇り空で、気温は10度。
水郷古鎮は、曇り空の方が似合う。
ここに、太陽の光が差し込んだら、光と影のコントラストが、この陰翳をだいなしにしてしまうに違いない。
だから、天候にも恵まれた、今回の上海週末弾丸ひとり旅。
もはや、言葉も解説もいらない。ただ散策するだけで、中国文化を感じとれる周荘。
すごいね、ここは。渡し船の操車場ですか。
ぶつけないで並べるの大変そう。
旅館らしき建物もあります。
今夜は別の水郷古鎮「西糖」で泊まる予定だけど、こんな素晴らしい古鎮なら周荘に泊まるてもあった。
これからも、上海旅の楽しみが一気に増えたと感じる、周荘古鎮の散策でした。