これからが旅の本番、念願のパタゴニア縦断です。
ブエノスアイレスから、アルゼンチン最南端のウシュワイアまで、約3,100キロ。
ウシュワイアという街は、アルゼンチンだけでなく世界最南端の都市でもあります。(都市の定義は、いろいろとあるようですが・・)
ブエノスアイレスの緯度が南緯34度。ウシュワイアは南緯54度。
20度も南下することになります。そして、南下すればするほど、気温が低下する不思議。
そんな不思議な大地を、そして、日本から最も遠い地を、バスで約50時間かけて走り抜ける旅。
これこそ、私の望んでいた旅そのもので、実際に、そのスタート地点に立てて感無量であります。
(相変わらず、大げさです(*^^)v
パタゴニア バス旅 スケジュール
日付 | スケジュール | 所要時間 | 移動距離 |
---|---|---|---|
10/29(土) |
ブエノスアイレス19:00 ⇒ リオ・ガジェゴス翌々7:00 |
36時間 |
2,525km |
10/31(月) |
リオ・ガジェゴス8:30 ⇒ ウシュワイア20:30 |
12時間 |
579km |
今の時代、3,100kmを移動するのに、バスを使う人がいるのでしょうか?
しかも、飛行機のほうが安い(おそらく・・)
世の中が便利になって、価値観が多様化してくると、私のような、わざわざ地をはって時間を無駄に使う人間が出現するのでしょう。
ブエノスアイレスから南米最南端ウシュワイアまで約50時間。
私は、現役サラリーマンでありながら、バス旅に50時間を費やす自分の行動に敬意を表したい。
ちなみにルートはこんな感じ。大西洋に沿っているように見えますが、ほとんどは内陸の大地を進みます。
ブエノスアイレスのレティーロ・バスターミナル
タイトルは3日目となってるけど、実際は日本を出て何日目になるんだろうなんて思いながら、レティーロ・バスターミナルの2階にある、チケットオフィスに入っていきました。
さて、どこが、私の乗るべきバスのオフィスなんでしょうね。聞いてしまえば早いんですが、スペイン語は、なかなか気後れします。
それにしても、聞きしに勝る大ターミナルですね。
ここ、ブエノスアイレスから、たいていの場所に、バスで行けるようです。
ちなみに、ブエノスアイレスからウシュワイアまでの直通のバスはなく、リオ・ガジェゴスという街で乗り換えとなります。
日本から持ってきたバウチャーをみせながら、ようやくチケットオフィスを発見。
リオ・ガジェゴスの上に、何やら地名のスタンプが押されているのと、プラットフォームの「10 a 25」の意味が分からず、尋ねてももっと意味が分からず(笑)
でも、このバウチャーに神通力があったことに、ほっと一安心です。
ちなみに、このチケット、約23,000円です。飛行機とそんなにかわんないかな。
ブエノスアイレスを19時に出発し、リオ・ガジェゴスに到着するのはあさっての朝7時。
1台のバスで36時間の長旅は、もちろん生まれて初めてです。
出発まで1時間ほどあります。
ちょっと、プラットフォームに出てみると、すごい数。壮観です。
どうも、発車直前にならないと、プラットフォームは決まらないようですね。
19時発の、わがリオ・ガジェゴス行きは、まだ表示されていません。
aの文字は英語のto、つまり「~」を表していたんですね。
要するに、№26~36のプラットフォームから出るバスの乗客は、この辺りで待てと。
大ターミナルだけあって、レストランやら、飲み屋やカフェなど、設備には事欠きません。
発車時刻が近づいてきたので、プラットフォームに出ましたが、どこにも、リオ・ガジェゴスと出ていません。
さすがに、少し焦ります。
手近な職員に、リオ・ガジェゴスと聞きながらチケットを見せると、「これだ!」とバスに押し込まれました。
?? でも、バスのフロント部のサインにはリオ・ガジェゴスとでていなかったような。
シートは、幅も広く、前との間隔も十分で快適です。
不安だったので、通路を挟んで隣のシートにいたお兄さんに「リオ・ガジェゴス?」と聞くと、「シー、シー」というので、大丈夫でしょう。
このお兄さんは、バスの発車まで、家族でしょうか、ずっと手を振り続けてました。
リオ・ガジェゴス行き バス旅のはじまり
いよいよ、南に向けて、リオ・ガジェゴスまで36時間の旅が始まりました。
日が傾きかけた、ブエノスアイレスの街。
ブエノスアイレスには、帰国直前の6日後に立ち寄る予定。それまでお別れです。
車内はほぼ満席。
まあ、終点のリオ・ガジェゴスまで行く、私のようなもの好きは、いないでしょうが・・
ブエノスアイレスは面積約200平方㎞の大きな街。
これも初体験 バスの「車内食」
と、うわさに聞いていた、「車内食」が配られました。長旅なので、飛行機の機内食のように配られるんですね。
温かくて、とてもおいしいです。でも、これは気分の問題かな。
待望久しい旅立ちに気持ちが高まっている私は、なにを食べてもおいしいでしょう(^^)/
仕入れてきたワインで乾杯です
1階のファーストクラスでは、どんな食事が提供されてるのかな・・
深夜でも、バスは、ターミナルに停車し、乗客を拾い、また降ろしていきます。
明日からは、車窓に雄大な景色が展開されるでしょう。もう寝るとします・・・
美味しいワインを飲み、シートは180度近く倒れ、振動も少なく、快適なバスの夜・・
朝5時過ぎ、空が明るくなりかけました。10月30日の朝です。
草原(パンパ)の中を走り続けるバス
南緯40度。ちょうど、パタゴニアがはじまるあたりです。
ここから、景色はステップ状のなだらかな草原地帯となります。
なんか、シベリア鉄道の車窓を思い出します。
トラックを追い越します。
まだ眠ってる乗客がほとんど。
こんな、朝早くから景色を楽しんでるのは、私ぐらいなもんです。
バスは、ときおり小さな町に入ります。
そして、町にはターミナルがあります。なんか寒そうだな。
そして、町を出ると、またこんな感じ。
これが、パタゴニア。パンパってやつなんですね。
めったに川は見かけませんが、大地がなだらかだからかな。土で濁ってます。
ふつうに動物もいます。
朝7時ごろ、朝食が配られました。
乾いた大地を眺めながら飲むブラックコーヒーは格別(^-^)
そして、朝ワイン(笑)
これ、50ペソ(350円)だったんだよね。すんごく、美味いです
気のせいか、空や雲が近く感じる。
バスは、国道3号線をひたすら南に走ります。
インターチェンジが現れ、また小さな町に立ち寄ります。
草原に敷かれたレールをまたぎます。
パタゴニアにも、鉄道全盛に時代があったのでしょうか。
寒々とした町というより集落。
そんな集落でも、バスターミナルはあります。住民の足なのかな。みんな車は持っているようですが。
街道のガソリンスタンド。
たまにバスターミナルに停車。
このバス、いわゆるトイレ休憩みたいなものを、一切しません。
でも、乗客たちは、退屈なんでしょう。たまに停車する小さなバスターミナルで、外に出ては体操したりタバコすったり。
私もつられて、バスの1階に降りてみました。
すると、トイレがありました。なるほど、だから、トイレ休憩なしなんですね。
清潔なトイレです。
ファーストクラスの様子は・・、カーテンがかかっていて、わかりません。
私は、もちろん退屈しませんが、99%の乗客は退屈の極みでしょう。
映画が流れます。
私は、相変わらず、窓外を眺めます。
草原というのは、寂しさをさそって、いいもんです。私は大好きです。
乗客も、達観しているようです。ブエノスアイレスを出発してから17時間を過ぎました。
車内ではじまったビンゴゲーム
乗客の心中を察したかのように、車内でビンゴゲームがはじまりました。
車掌さんが、「どうする?」みたいに聞いてきましたが、私も参加してみました。
ところが、発表される数字がすべてスペイン語(当たり前)
わかるわけがありません(笑) 1(ウノ) 2(ドス) 3(トレス) 4(クアトロ)・・・
私の2つ前の席に座っていたおばさんが優勝し、めでたく賞品のワインをもらっていました。
ちなみに、車掌さんはこの人。
乗客に食事を配給したり、映画を流したり、一生懸命働いています。
バスは、また小さな町に立ち寄ります。
ターミナルでは、車掌さんが書類を渡したり、引き取ったり、結構忙しそうです。
空と雲がキレイ。
次の街らしい街、プエルト・マドリンまで99キロですか。
水のない川。
パタゴニアの旅はまだまだ続きます。
そして、一向に飽きません。私も旅中毒かな(^.^)