フライトを待つ身。
いつもながら、期待感と緊張感と不安感が織り混ざった、なんともいえぬ感覚。
長年の夢だったコロンビア行き。
サラリーマントラベラーにとって、政情の浮き沈みが激しいこの国には、なかなか足を踏み入れる機会がない。
政情不安といわれながらも、多くの人々が日常を営んでいる国。
メディアの情報だけではわからないリアルな空気を、この目で確かめられるのが旅の醍醐味だ。
街並みを眺め、名もなき通りを歩き、現地の人々の暮らしを感じる。
ボゴタを歩くルートを頭の中で描きながら、フライト準備中のコパ航空の期待を眺める。
コパ航空 アイルシートのフライト
ボーディングがはじまった。
ボゴタの天気を確認すると気温はなんと10度。
ボゴタはここパナマシティから南東へ770km。
緯度は北緯4度とほぼ赤道直下。
にもかかわらず、こんなに低温なのは、ボゴタの標高が2,600m以上と高地にあるからだ。
つまり、ボゴタは浅間山や白根山の頂上とほぼ同じ標高ということになる。
そんなところに700万人以上の人々が暮らしている。
そして、前述の通り、治安は安定せず、外務省の危険度レベルが上がったり下がったりする国。
わずか2日の滞在でも、私にとっては完全に浮き足立つ旅立ち。
今回の旅は、基本的にみんなそうだ。
たったひとつ残念なのがアイルシート。
というよりB席だからアイルでもない。窓は見えない、足は伸ばせない最悪の席。
オンラインチェックインに間に合わなかったんだから仕方がない。
ちなみに、ほぼ満席のこの乗客たちはパナマ人なのだろうか。
それともコロンビア人?
スペイン系の民族のことはよくわからないけど、耳に入る言葉もスペイン語なので、異国にいる感が際立つ。
パナマを訪れるまでコパ航空という名前に触れる機会がなかったが、まさに中南米をまたにかけるエアライン。
コパ航空だけで、どこにでも行けそうだ。
さて、わが243便はボゴタまで1時間20分のフライト。両国の間に時差はない。
コパ航空の機内安全ビデオ。
そしてフライト開始。
となりの窓際の乗客をかすめるように滑走路を撮影。
すると、ここでハプニング。
その窓際の男性が「撮ろうか?」と嬉しい申し出。
その男性の好意で、パナマシティ・トクメン空港フライトの瞬間を、B席にいながら記憶に焼き付けることができた。
そのコロンビア人男性に感謝しながらスマホを受け取る。
さて、フライトは短いけど、機内食はあるのかな。
短くても国際線なんだから、提供されるみたいだ。
早朝便なので、さすがに酒はなさそう。
そして、機内食ではなく、スナックだけだった^ ^
この機内食が配られる頃、さっきのコロンビア人がトイレに立った。
すかさず、身体を窓際にすべりこませ、中米の大地を見下ろし感にふける。
機は、ちょうどパナマとコロンビアの国境付近。
外務省的にも、民間人が立ち入るべきではないとしている武装地帯。
密林に墨を流し込むような川。
野生そのものといった神秘的な光景。
川には熱帯特有の魚が棲んでることだろう。
窓際が取れなかった時は落ち込んだけど、こんな光景を目にできた幸運に感謝。
雲に包まれて、さすがに太平洋と大西洋を同時に拝むわけにはいかず。
B席でありながらこんな景色に出会えたコパ航空に乾杯。
ボゴタ・エルドラード国際空港着陸の風景
さて、いよいよボゴタのエルドラード国際空港に着陸だ。
ボゴタの標高は2,640mと富士山の5合目より高い。
しかし、それよりも遥かに高い山々に囲まれた高地における大盆地。
着陸のルートもいろいろ考慮する必要がありそう。
ここでも、隣のコロンビア人が「撮ろうか?」と顔をむけてくれたので、ありがたく好意に甘える。
写真を通じてだけど、人生2度目の南米大陸に素直に感動だ。
インカ文明はもっと南だろうけど、このあたりにもスペイン人入植前の文明があったのだろうか。
美しい緑が広がる大地。
上空から見下ろしている分には、とても政情が不安定な国とは思えない。
機は、上空でなんども姿勢を変え、高度を下げていく。
コロンビア滞在はボゴタのみ。そして滞在は2日。
さて、その間に何がみれるだろうか。