先月(2023年10月)、香港に来た時、2日間滞在したのは、上環にあるホテル。
ビクトリアハーバーには沿ってないけど、いちおうハーバービュー。
幸か不幸か、台風が襲来し、丸1日閉じ込められたので、存分にビクトリア湾の眺めを堪能できたかというと、そんなことはなかった。
1泊2.5万円もかけたのに、ウィーチャットペイのビルが、景観の邪魔をした^ ^
ここで得た教訓。
ホテルに限らず、中途半端にお金をかけるとロクなことはない。
想像するだけで恐ろしい香港の高級ホテル
今年2023年は、3年ぶりに国外への旅を再開できた記念すべき年。
だから、思い切って、香港の高級ホテルに泊まってみようかと思った。
世界的なインフレ、人件費の高騰などで、世界の主要都市のホテルの価格は上がり続けている。
しかも、世界の金融街であり、観光都市でもある香港だ。
高級ホテルに泊まるなんて、想像するだけでも懐が恐ろしくなるが、なんといっても、昨夜泊ったチョンキンマンションの約3平米の部屋の値段が4,000円である。
インフレの極みここにありけりといったところだろうか。
香港の泊まってみたい高級ホテル、というふうに検索すると、
- ザ・リッツ・カールトン香港
- マンダリンオリエンタル香港
- ローズウッド香港
など、そうそうたるメンバーが並ぶ。
ローズウッドにいたっては、私が調べたときは、1泊15万円だった、笑える^ ^
ところで、ひとくちに高級ホテルといっても、その定義はいろいろある。
すなわち、ホテルを選ぶ要素は旅人の数だけあると思っているが、私の優先順位は、
- 立地:時間に追われる弾丸旅行者はこれにつきる。街歩きや公共交通機関の拠点まで徒歩圏内は、宿選びの必須事項。
- 値段:もちろん、安ければ越したことはないが、立地を満たした相場であれば。
- ビュー:プライスを優先する場合は致し方ないが、自分の部屋にしたくなるような窓からの景色は、一生ものの価値がある。
この要素だけ。
要するに、いくら高級ホテルであっても、私にとって「部屋が豪華」「施設やレストランがゴージャス」なんて理由は、はっきりいってどうでもよい。
前置きが長くなったが、今回、「ビュー」を最優先にして、懐の許す限り贅を尽くして確保したホテルが「ルネッサンス香港ハーバービュー(香港萬麗海景酒店)」である。
「ルネッサンス香港ハーバービュー」は、ロケーションは湾仔(ワンチャイ)に位置し、とにかく、Googleマップでハーバービューをさえぎるものがないかどうか、徹底的に確認した。
それで、部屋代は1泊8万円。
ホテルズドットコムのポイントを2万ほど使ったので実費は6万ほどだが、これで高級に属するのだろうか。
微妙なところだとは思うが、いずれにしろ、私の旅生涯で、もっとも高い投資となる一夜である。
「ルネッサンス香港」バルコニーハーバービュー1119号室
さて、チェックインだけれども、早速ここで出鼻をくじかれる。
部屋数の多い高級ホテル。
チェックイン客も多く、ソファに座って待ってろとのこと。
ま、これも旅ですw
そして、若干緊張気味に11階に上がる。
私の部屋は、角部屋の1119。
さて、バルコニー・ハーバービューとはいかに・・・
おお・・
これは、奮発した甲斐があったというもの。
ベッドに寝転んでいても視界にビクトリア湾が飛びこんでくる眺望。
これを期待していたんです。
そして、バルコニーに出てみると・・・
バルコニー・ハーバービューというだけあって、視界を遮るものがない。
バルコニーでなくても、ハーバービューの部屋はたくさんある「ルネッサンス香港」。
でも、先日みたいに、窓を隔てて、ビルがでんと建っていたら、という不安を危惧してバルコニーの部屋を選んだのは正解だったようだ。
11階なので、そんなに高くはない。
でも、その分、海面との距離感を楽しめる。今回はこれでよし。
部屋も私にとって、ちょうどいい。
これで、無駄に広すぎたり、豪華絢爛だったりすると、かえって気分が萎んでしまうものだが。
ひとりでくつろぐには、ぴったりな空間だ。
最低限のルームサービスだって、しっかり整ってる。
せっかくなので、コーヒーをいただこう。
レストルームも清潔だ。
比べる必要もないけど、昨夜の重慶大厦のシャワールームの何倍の広さだろうw
ありがたいことに、ガウンも用意してありました。
海風に吹かれながら、ワインでも楽しめるかな。
ちょっと、ホテル内を見学してみると、さすがに高級ホテル。
ここも11階です?
11階の踊り場から、そのまま公園に出られました。プールもあるみたいです。
いつまでも眺めてられる薄暮のビクトリア湾
トラムで北角などを散策して、帰ってきた、わが1119号室。
バルコニーでは、薄暮のナイトショーがはじまってました。
秋の香港の夕暮れは早く、18時過ぎでこんな景色になります。
こちらは中環方面。
香港島側から九龍半島を眺めると、ブライトに派手さがない分、旅心地がわいてくる。
42階建のルネッサンス香港で、11階のハーバービューを選んだのも、下界が視界に入った方が楽しいから。
旅先のトワイライトは、なんともいえぬ感覚だ。
さっきから、ただなにもせず、バルコニーにつっ立っている。
夜のとばりもおりた感じなので、食料の買い出しに行こう。
秋の香港は、けっこう涼しくなることもはじめて体験した。
100万ドルの夜景を楽しむ晩餐
湾仔の歩道橋下では、大渋滞が始まってました。
そして、買ってきた食料。
1泊8万円のホテルに泊まって、食事がこのエサ(^ ^)
なぜ、42階のラウンジに行かないのか。
それは愚問というもの。
ラウンジに行ったところで、しょせん私はひとり旅。
余計な雑音を目や耳に入れたくないし、なにより窓際に座れる保証もない。
こんなに素晴らしい空間を、大枚はたいて手に入れたんだから、この空間に酔いしれるのがひとり旅の醍醐味。
私は、純度100%、生粋のソロトラベラー。
まずは、ハイネケンで乾杯。
バルコニーの部屋にしてよかったな。
1泊8万円という、これまでの人生で最もエクスペンシヴな一夜。
それは香港になりましたか、という気分。香港なら、それにふさわしい。
眼下につらなるおもちゃみたいなロンドンバスを眺めてるだけでも楽しい一夜。
銘柄もわからずセブンイレブンで仕入れてきた、ニュージーランド、と書いてあるワイン。
このワインが、ポテチによく合った。
旅なんて、それでいい。
私にとっては、これが生涯で最高の晩餐。
たぶん死ぬまで、高級レストランの価値はわからないと思うw
ワイングラスじゃないけど、気分は最高潮。
まだ2023年は終わってなかったけど、2023年にお礼を言いながら乾杯した一夜だった。
朝靄のビクトリアハーバー
心地よい酔いと共に眠りに落ち、そして快適な目覚め。
刻々と、銅鑼湾の空の色が変わっていくのを眺めます。
いっぽうで、中環方面は、まだ朝靄の中。
外洋に近い方ほど、霧が濃くなるということなのかな。
そして東側、つまり銅鑼湾側から日がさします。
霧笛とともに湾をすべるように走る船。
非日常の朝は最高だ。
これから、今日一日、自分で好きなように時間を使えるという喜び。
宵越しのワインを軽く口に含んで、完全に目を覚まします。
では、朝ごはんでも食べてこようか。
朝ごはんも、国籍不明の観光客の中にほうりこまれるのは好ましくない。
湾仔の小さな点心屋さんに行きました。
まわりは、早起きの香港人のおじいちゃんにおばあちゃんばかり。
それにしても、この飲茶が美味しかった^ ^
そして、朝の散歩をして部屋に帰ると、すっかりと夜が明けたすがすがしい朝。
コーヒーの飲み直し。
名残惜しくなってきたチェックアウト。
チェックアウト直前のホテルの部屋って、世界でもっとも魂が抜けた空間のように感じるけど、それは「ルネッサンス香港」でも変わりなかった。
通常の私からすれば、とんでもなく高い宿泊投資。
でも8万円の価値は十分にあった「ルネッサンス香港」。再会の機会あるかな。
ところで、帰国してから、いろいろ検索してみると、4万円台で泊まれるときもある。
ホテル価格も需要と供給で常時変動する時代。
4万円でも十分高いけどね(^ ^)